護衛の依頼と新たな服
(コーヤ)「さて、モク。どうしてこうなったのか説明してくれるか?」
今僕は腕を組んで仁王立ちをしている鮫川君の前で正座をしています
なぜこんなことになっているかというと
あの後パル君とリッ君、ストラ少し羽目を外しちゃって気が付いたらみんな気絶していた
そのことが帰ってきた鮫川君たちにばれて今に至ります
だって、ねぇ?
可愛い声でおねだりされたら断れないよね?
(モク)「ってことです…。あの、みんなは?」
(コーヤ)「まだ寝てるよ。…はぁ、お前もっとみんなの体のこと考えてやれよ?」
返す言葉もございません…
みんなに悪いことしちゃったなぁ…
起きたら謝らないと……
(コーヤ)「それはそうと、はいこれ。今回の報酬」
(モク)「何回も言ってるでしょ?いらないって」
(コーヤ)「住まわせてもらってるんだ。受け取ってくれないと俺たちが困る」
これなんだもんなぁ…
この家王様からもらったものだし、電気とか水は魔力だしこれもタダに等しい
実際出費しているのって食材だけなんだよね
だから受け取れないって何回も言ってるのに…
(モク)「はぁ…じゃあ鮫川君たちが食べた分の食材費だけ受け取るよ。それでいいね?」
(コーヤ)「…わかった」
報酬は金貨3枚と銀貨50枚入っていたので銀貨を30枚だけ抜いて鮫川君に返した
そんなやり取りをしているとストラたちがリビングに入ってきた
リッ君がパル君を背負っている
(モク)「・・・お、おはよう。あ、あの。ごめんなさい!」
(ストラ)「ん?なにがだ?」
(モク)「みんなの体のこと考えずにやっちゃって気絶させちゃったから…」
(ストラ)「あー…それは…」
(リック)「あまりの気持ちよさに気絶しちゃったんだよね…」
(パルル)「気持ちよくていっぱい出た―!」
パル君…アウト―
(コーヤ)「そ、そうか。だが気持ちよくても気絶するのは体に悪いから加減しろ」
(モク)「はい…」
3人にもう一度謝った
その日の夜はいつものように3人と一緒に寝た
いつもよりみんなが引っ付いてきている気がするけどうれしいから気にしない
(モク)「さて、今日はどうしようかな」
僕たちは今ギルドのクエストボードの前にいる
ダンジョン攻略に向けてレベルを上げるついでにランクアップもやってしまおうというわけだ
(ストラ)「護衛依頼を受けるついでに別の町に行ってみるか?戦ったことのない魔物がいるかも知んねぇし」
(モク)「うーん、リッ君たちはどうする?」
(リック)「賛成!護衛依頼やってみたい!」
(パルル)「別の町行ってみたい!」
2人とも賛成のご様子
僕も賛成。だって最近おんなじことの繰り返しでマンネリ化してきたもん
(モク)「ならどの護衛依頼にする?どうせならちょっと遠いところがいいよね」
(ストラ)「ならこれなんてどうだ?」
ストラから渡された依頼書を見てみた
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クエスト名:カスタル王国王都までの護衛
内容:クエスト名の通りカスタル王国の王とまで護衛を頼みたい。
・往復2週間の道のり
・食費等は此方持ち
・王都に3日滞在するため実質17日前後の依頼である
報酬:金貨20枚
依頼主:ハスラト商会 バーキン
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カスタル王国?
(モク)「カスタル王国ってどこ?」
(リック)「ここクルベールの隣にある国だよ。ドワーフがいるらしいよ」
おぉ!ドワーフ!
武器とか作っている種族だよね
すっごい偏った知識だけど
(モク)「これにしよう!みんなはどうかな?」
(ストラ)「お前がいいなら俺はいいぜ」
(リック)「俺も!」
(パルル)「僕も―!」
おう、みんな自分の意見言おうや…
まあいいや
嫌ならみんなちゃんと言うしね
依頼書をミルナさんに渡し、
「集合は明日の7時に門前だからね?遅れないようにお願いね」
と言われた
早起きしないとね!
あ、食材とか買わないと!
(モク)「と、いうわけで、僕たち明日から2週間とちょっと帰れないから。ディラーさん、ウェルファさん。家のことお願いします!」
(ディラー・ウェルファ)「「かしこまりました。お任せください」」
(モク)「レウ兄とフィリアもお願いね」
(レウラムス・フィリア)「「はい!」」
(コーヤ)「俺たちはこの家に残るよ。戦える奴が残ってないと危ないしな」
(モク)「ありがとう!助かるよ!」
(コーヤ)「いいよ。これも住まわせてもらっているお礼だ。土産話期待してるぜ?」
任せなさい!
何があるかわからないけど見たものすべて絵に収めてくるから!
(ストラ)「明日もはえぇし今日はもう寝るか」
(モク)「そうだね。あ、僕アレ済ませてこなきゃ」
アレとは《絵描創造》のことである
最近の日課でレベル上げのために寝る前に4枚描いて道具を生み出すようにしている
今日は何にしようかな…
そういやいつもパル君に《浄化》してもらっているから気にしてなかったけど、僕たち服全然持ってないや
決めた!今日は服にしよう!
何にしようかな
うーん、とは言ったものの僕ファッションにそこまで興味がなかったからな~…
いや、この世界ファッションとかそういうものなかったわ
よし、描ーけた
ではさっそく
《絵描創造》!
ストラには白、リッ君には赤、パル君にはピンク、そして自分用に黒の薄手のパーカーを作った
被って着るタイプをチョイス
僕羽織るタイプのパーカー苦手なんだよね
チャック嫌いだから
そしてこのパーカーただのパーカーではないのだ!
(モク)「ストラ!リッ君!パル君!ちょっとこれ着てみて!」
(ストラ)「なんだぁ?この服。着ればいいのか?…どうだ?似あうか?」
に、似合うなんてものじゃないよ…
イケメンに白が似合うって本当だったんだ…
やばい、かっこいい!
ジ、ジーパン履かせたい!
後で作って履いてもらおう!
翼を出せるように背中には穴をつけるのは忘れてませんよ?
(リック)「俺のはこれ?すっごい派手じゃない?」
派手だけど似合ってます!
リッ君には赤がよく似合うからねー!
やんちゃな青年って感じがグッドです!
フードに耳を出す穴をつけるのを忘れました
ごめんリッ君!
でもフード被ったときに見える折れた耳が最高にキュートです!
(パルル)「た、助けて~;;;」
あーあー、パル君が着慣れない服のせいでこんがらがっちゃった…
可愛いものが見れたけど悪いことしちゃったな
羽織るタイプにした方がいいかな?
着た後の感想は言わずもがな
やばいの一言に尽きる
何この天使!可愛すぎるよ!
すっごくピンクが似合ってる!
サイズぴったしに作ったつもりだったが袖が少し長くなってしまいまさかの萌え袖になってしまった
ぐっぱぐっぱしている手が可愛すぎて萌え死にそうです
そしてうさ耳フードなのだ!
被った姿は言葉では表現できない可愛さでもうやばい
やばい
(モク)「みんな似合ってるよ!超かっこいいし可愛い!」
(ストラ)「モクも似合ってるぜ!初めて見る服だがこれはモクの世界の服か?」
ジーパンを履きながらストラが質問してきた
グッハ…
さ、最高かよ…
ここが天国か…
(ストラ)「お、おい!大丈夫か!?すごい量の鼻血が出てるぞ?」
(モク)「だ、大丈夫。今みんなに来てもらっている服は僕の世界で結構人気のある服なんだ。気に入ってくれた?」
(リック)「柔らかいのにしっかりしてる!動きやすいし!でもやっぱり派手じゃないかな?」
派手でもいいんです!街の中で着る服なんだから
似合っていることが大切なんです!
それに戦闘には向いてないと思うよ?
そんなことを想定して作られていないからね
(パルル)「お袖が少し長いけどかわいい!モクお兄ちゃんありがとう!」
…ッハ!あまりの可愛さに一瞬気を失ってしまった!
フードを被っている状態で100%笑顔をしてくるとは…
パル君…恐ろしい子…!
いったい何人の人が犠牲になることやら…
…あれ?僕やばいもの作っちゃったんじゃね?
モクがどんどんキャラ崩壊していく…
以前のモク!カームバアアアアアアアアアック!




