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もらった魔法は消費MP0(ゼロ)!?  作者: 七面鳥の丸焼き
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Aランクの依頼?いえいえ、ダンジョンです

「みなさ~ん。朝ご飯ができましたよ~。起きてくださ~い」

「うみゅぅ…」


ウェルファさんの声で目が覚めた

伸びをしながら部屋を見渡すとベッドでは同じく今起きたであろうリッ君があくびをし、パル君はまだ夢の中のようだ

ストラはとっくに起きているようで部屋にはいなかった


「モク兄~。おはよ~」

「おはようリッ君。パル君は僕が起こしとくから顔洗ってきたら?」

「そうする~…」


パル君はトカゲ族で朝に弱いらしく起きるのに時間がかかる


「パル君。起きて。ご飯無くなっちゃうよ!」

「うにゅ~…ご飯…食べる~…」


のっそりのっそりと虫のような動きをしながらパル君が動き出した

とてもかわいい


「おはようお兄ちゃん」

「おはよう。着替えて顔洗いに行くよ」

「は~い」

「お、やっと起きたか。飯できてるみたいだぞ」


着替え用とクローゼットを開けて服を取り出しているときにストラが帰ってきた


「うん、先に顔洗ってくるから先に行ってて」

「わかった」

「ふあぁぁ…」



「「「「「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」」」」」

「お粗末様でした」


ウェルファさんの作った朝ご飯をみんなで食べ終えて僕たちはギルドで依頼を受けるための準備に取り掛かった


「そういや、依頼中のご飯はモクが作るのか?」


唐突に鮫川君が聞いてきた


「作るのは僕とストラだよ。あ、でもみんなにも手伝ってもらうけどね」

「あ、私も料理ができますからお手伝いしますね」

「ありがとう!すごく助かるよ!」


そんな会話をしながら準備を整えた僕たちはギルドに向かって出発した



「あら!モク君じゃない!久しぶりね!」


ギルドの扉を開けると見覚えのある女性がカウンターで立っていた


「あれ?ミルナさん?どうしたんですか?ウラゴの町で働いていたはずじゃ?」

「それがね~、このギルドの従業員が少ないらしくって私がこっちに飛ばされたってわけなのよ」

「大変ですね」

「そうなのよ。ほんと大変で~・・・ってこれ以上は愚痴になっちゃう。モク君たちは依頼よね?どれを受けるの?」

「えっと、Aランクの依頼ってどんなのがありますか?」


そう言った時ミルナさんが動きを止めた

笑顔もどこか引きつっているように見える


「えっと、もう一度言ってもらってもいいかな?」

「え?Aランクの依頼ってどんなのがありますか?」

「…モク君、どんな理由があるのか知らないけど、Aランクはだめよ!本当にまだ早いわ!」

「僕たちあれからもっと強くなったんですよ!」

「…理由を教えて。Aランクの依頼を受けないといけないような理由って何?」

「え?お金が無くなったからですけど。家族が増えてお金が減るわ減るわで」


ぷちっ

ん?何か切れたような音が


「そんな理由でAランクの依頼を受けようだなんて馬鹿ですか!?命知らずにもほどがあります!そんな理由の方にAランクの依頼を受けさせるわけにはいきません」

「えぇ~!?そんな~…」

「モク、これが普通だ」


そういやストラも反対派だったっけ


「お金を稼ぎたいならダンジョンに行くのをお勧めするわ。あそこなら強くてもBランクまでしか出ないはずだし。それに少し前にこの国の近くにダンジョンが発生したらしくってね、私がこっちに移動したのもそれのせいなのよ。魔物の買取の量は多いし、ダンジョンに入るための通行証を発行しないといけないしで人手不足なのよ」

「あぁ、それで。う~ん…ダンジョンか…。そのダンジョンってここからどのくらいにありますか?」

「馬車で一日ってところね。歩くと2~3日くらいかしら?」

「どうする?」

「俺はいいと思うぞ。ダンジョンは魔物の量が多いと聞く。それに宝箱があるらしくその中身も高価なものが多いと聞いたことがある」

「俺はモク兄たちについていくよ。どんな魔物が来たっておれが倒してやる!」

「僕も~!悪い奴いっぱい倒す~!」

「俺もダンジョンの方がいいかな。ダンジョンって憧れる」

「私は鮫川君についていきます」

「同じく」

「右に同じ~」


みんなダンジョンの方がいいのか


「わかりました。ダンジョンに行きます。Aランクの依頼はもう少し後にしますね」

「そうね。ランクAになってからにしなさい」

「そうしま~す」


ミルナさんにダンジョン通行証を発行してもらいダンジョンに向けて駆けだした


「…これがダンジョン?」

「正確には入り口だな」


うん、入り口だね

拓けた場所に両開き扉が一個あるだけだけどね!

ナニコレ?ナニコレ??

僕の思っていたダンジョンの入り口じゃないよ?


「なあ、俺、ダンジョンの入り口ってもっと洞窟みたいなの想像してたんだけど」

「私も…」

「本当にこの扉が入り口?」


そう言って熊井君が扉のノブに手をかけ扉を恐る恐る開けた

扉の先には野原ではなく岩壁に囲まれた狭い部屋だった



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