異世界初めての夜
「はあ~……」
遊びすぎた!
いや、おかげでどんな条件が付けられるとかある程度分かったんだけどさ。
あたり真っ暗ですよ。何にも見えない。
こんなになる前に野宿の準備しとくんだった・・・
「火つけないと暗すぎる・・・」
小学生の時にやった木の棒と板を使って摩擦で火をつけるっていう方法で火をつけよう。
幸いなことに木の棒はいっぱいある。あとは木の板だね。魔法でちゃちゃっと出しちゃおう!
・・・暗くて描きづらいな
よし、描けた!
《絵描創造》!
よし!板も作れた!
早速火を起こそう!
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「や、やっとついたあああああ!」
見える!見えるぞ!
やった!希望の光だ!つくまで30分くらいかかった・・・
暗いしなんか周りでガサガサいうしですっごい怖かったから本当にうれしい!
グウウウウウゥゥゥゥゥ・・・・
「・・・お腹すいた」
緊張が解けたらお腹すいてきちゃった///
そういやお昼ご飯も満足に食べてなかったや。
どうしよ・・・テンション上がって魔法ばっかやってたから食べるものないぞ!?
ちなみに魔法では出せないのは実験済み。その時に終わって探しに行けばよかったのにだめだなぁあの時の僕・・・
「どうしようかな・・・。我慢して寝る?」
夜明けまでまだまだあるから我慢できる気がしないんだよね・・・
カサカサ・・・
「ん?」
今草むら揺れた?
ガサガサ・・・
「っ!?」
揺れた。確かに揺れた。動物?人?魔法のある世界だし魔物とかそういう系?
とりあえず僕は木の槍(仮)を装備して音のなるほうに声をかけた。
「誰ですか?言葉が通じるなら出てきてください!」
・・・
反応なしですか。最初にかける言葉間違えたかな?
どうしますかね~・・・
「とりあえず、言葉が通じるのであればその場でいいので何かしゃべってもらっていいですか?」
言葉が通じてると信じてもう一度声をかけた。
さっきより優しくかけられた気がする。
すると草むらから、
「あ、あの、こんな森の奥で明かりがついてるのが見えたので誰かいるのかと見に来ただけなんです!あなたは何者なんですか?」
と、若い男の声が返ってきた。
言葉通じてよかった~・・・
何者か、ね・・・
「僕は樹って言います!見ての通り人族です。よろしければ姿を見せてもらえませんか?隠れられたままだと今の言葉も信じられないので」
とまあ軽く名乗ったけど、
信じる信じないはぶっちゃけどうでもいい!
この世界の人初めてだからいろいろ聞きたい!
むしろ独りぼっち寂しすぎて人と話したい!
お願い出てきてええええ!!!!
「・・・わかりました。ちょっと待ってください」
やっほい!出てきてくれるって!
やったねもくちゃん、お話しできるよ!
ガサガサ
「お待たせしました」
まってm・・・
「え・・・?」