召喚されたのは?
昨日貰った召喚のスクロールを使ってみようということでみんな出町の外にやってきた
「4つあるから一人一個使えるね!」
「俺は前衛だし召喚する余裕がねぇからモクにやるよ」
「俺も、召喚している暇があったら切りに行きたい」
そう言ってストラとリッ君からスクロールを渡された
さすが戦闘民族でした
「じゃあ、使わせてもらうね。ありがとう」
「モクお兄ちゃん!早く使お!」
パル君がしっぽをぶんぶん振りながら腕を引っ張ってきた
目がキラキラしてる。
「わかったから腕を引っ張らないで?…よし、じゃあやろっか!」
「うん!」
僕はスクロールを開き魔力を込めてみた
…これってどこまで吸わせるの?
まあ、吸えるだけ吸わせますか
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はぁ…はぁ…
ど、どこまで吸うの?
もうすぐMP切れるよ?
「お、魔法陣が出てきたぞ」
やっと準備が完了したみたい
これパル君使えないんじゃね?
《召喚》!
魔方陣がクッキリと浮かび上がり一際強く光った後、魔法陣のあった場所に鴉が一羽立っていた
・・・足が三つあるように見えるんですが、もしかして?
『我は八咫烏なり。汝、我を呼びし者なりか?』
やっぱり八咫烏だあああ!!!
日本の神の使いがなんでこっちの世界にいるんだよ!
『答えよ。汝、我を呼びし者なりか?』
「あ、ごめんなさい。君を召喚したのは僕です。あの、僕と契約してくれますか?」
『汝、我と契約したくば、我の試練を受けよ』
「わかりました。何をすれば?」
『我、新たな依代を望む。汝の試練、我に新たな依代を与えるものとする』
新しい依代?
依代って確か神様が人間界に来るときの入れ物だったっけ?
「なんでもいいの?」
『是であり否。我、好む依代を求む』
八咫烏の気に入る依代を作れと
かなり難題だな…
何がいいだろ。武器?服?
「どんなのがいいの?」
『これは試練。教えることはできぬ』
ム~…
武器だと僕は前衛じゃないし、投擲するから駄目だな
服?ずっと同じ服を着るのは個人的に嫌だから駄目
帽子?頭蒸れるから嫌なんだよね
…小物系でなんかいいの無いかな
鴉…小物…アクセサリー…被り物?
…ないな。腕輪にしよう
銀で作りたいな…できるかな?
あとはこの八咫烏を描いてそれっぽい装飾をしてっと
《絵描創造》!
お、ちゃんと銀でできてる!
「これはどう?」
『…これは良きものなり。我、この腕輪を気に入った。汝、我の新たな主と認める』
気に入ってもらえたようで何よりです
終わってみると簡単だと思ったけど、これって僕に合った試練だったんじゃね?
今更だけど
そんな風に考えていたら八咫烏が腕輪を咥えてトコトコとこちらによって来た
『主、我に名を』
「名前?僕がつけるの?」
『是。主と認めた者、主より名をいただく』
「へぇ~。名前か~…クロロなんてどう?」
特にいいのが思いつかなかったから烏を英語にして少し可愛い感じにしてみた
『クロロ、良き名だ。我、クロロは主にこの身、この命をささげよう』
「気に入ってもらえたみたいでよかったよ。これからもよろしくね!クロロ」
『よろしく頼む』
するとクロロの体が光腕輪に吸い込まれるようにして消えた
「え、クロロ!?」
『我、新たな依代を腕輪にした。主、腕輪をはめるなり』
頭にクロロの声が響く
契約が完了すると念話ができるのか
言われた通り腕輪をはめた
すると、腕輪からクロロが出てきて肩に止まった
『腕輪は我。はめると我は姿を現せる』
「はめないと出てこれないってこと?」
『是なり』
なんともめんどくさい
まあ、仕方ないか
その後みんなを紹介し、パル君に大量の魔力が必要なことを説明したりして町に帰った
すごくがっかりしてたパル君とスクロールを一個残しておくと約束した
パル君に笑顔が戻ってよかった
パル君のしょんぼり顔はストラおもあたふたさせるからね
一緒になってリッ君もあたふたしてて可愛かった
我が家は今日も平和です
意外なところを出してみました
明日は2話載せる予定です




