伯爵様とご対面
「夫を呼んでくるのでここでお待ちいただけますか?」
「はい。わかりました」
そう言うとフローゼさんは部屋を出て行った
部屋には僕たちとアリスさんが残された
…気まずい
「ねぇ」
「な、なんでしょう?」
沈黙を破ったのはアリスさんでした
「本当に2人って付き合ってるの?獣人と人間だよ?しかも突然変異。絶対嘘よ」
「嘘じゃねぇよ、モク」
ストラはそう言いながら僕に顎クイをしてキスをした
「ん~っ!?」
ちょ!?舌入ってきたんですけど!?
「見えないよ~?リックお兄ちゃん?」
「パルにはまだ早いよ」
リッ君がパル君の眼を隠してそっぽ向いている
ありがとう。そしてごめんね
…長い長い!ストラの背中を何回か叩くとようやく口を離してくれた
「いきなりなにすんの!?」
「信じてもらうには見せたほうが早いだろ?信じてもらえたか?」
アリスさんは顔を赤くしながら頷いた
「若いっていいわね~。うらやましいわ~」
「フローゼさん!?い、いつからそこに?」
いつの間にか扉が開いておりフローゼさんが立っていた
隣には強面ながら赤くした顔を背けている男性がいる
「アリスが二人は本当に付き合っているの?と言ったあたりからですわね」
最初からやないですかい!
え、キスしてるところも見られてたってことだよね…?
穴があったら入りたい…
それにしても早くないですか!?
「メイドが呼びに行ってくれていたらしくってすぐに会えたのよ。紹介しますわ。こちらが私の夫のルイス=レティーネ伯爵です」
「ルイス=レティーネだ。妻たちを助けていただき感謝する」
強面の男性は伯爵様でした
顔に似合わず優しい声をしてらっしゃる
顔を見て少し怯えていたパル君がその声に安心したのか僕の腕にしがみつくのをやめた
「僕はモクと言います。ランクDの冒険者で≪天空の森≫のリーダーをしています」
「俺はストラだ。敬語は苦手だから許してほしい。俺もランクDだ」
「俺はリックと言います。モク兄の奴隷です。同じくランクDです」
「僕パルルって言います!お兄ちゃんたちからはパルって呼ばれてます!お兄ちゃんたちと同じででぃーです!」
「なんと!こんな小さな子がランクDの冒険者!?」
「リッ君とパル君はランクCのパーティーに絡まれたことがあって、その時返り討ちにしたのをギルドマスターが見てて特例で冒険者にしてもらったんです」
「ランクCをこの子たちが!?」
ルイスさんは目を見開いて驚いていた。そりゃ15に満たない2人がランクCのパーティーを返り討ちにしたて言ったら驚くよね
「あなた、そろそろ」
「おぉ、そうだな。それでは≪天空の森≫の皆さま。こちらが妻たちを救ってくださったお礼です。どうぞお受け取りください」
そう言って渡されたのは4つの巻物と紋章の描かれたペンダントだった
「これは?」
「こちらは召喚のスクロールとなっております。こちらのスクロールに魔力を流していただき「召喚」と唱えてください。召喚された魔物は召喚者を主にするか見定めるために試練を与えます。どんな魔物か、どんな試練かは使ってみるまで分かりません」
なるほど。もし同じ種類の魔物が出た時に試練の内容を知っていればすぐに終わってしまうもんね。召喚された方もたまったもんじゃないよな
「そしてこちらのペンダントには我がレティーネ家の家紋が描かれております。何か困ったことが起こった際我がレティーネ家が後ろ盾となるという証です。まあ、限度がありますがね」
「そんなものいただいてもいいんですか!?」
「本当は娘を嫁に貰っていただこうかと思ったのですが、あのように見せつけられては…」
「すいませんでしたあああああああああ!」
僕は机にめり込むかという勢いで頭を下げた
「気になさらないでください。して、受け取っていただけますかな?」
「…ありがたく頂戴いたします。本当に困ったときに使わせてもらいます」
「ハハハ。では食事にしましょう!どうぞ食べて行ってください!」
「いいんですか?」
「もちろんです!これも感謝のしるしですよ!」
「ありがとうございます」
話も終わり僕たちはルイスさんたちとご飯を食べた後屋敷を出た。その後ギルドで完了報告をし、宿に泊まった
お屋敷のご飯はとってもおいしかったです
次回、召喚魔法を使います
何が出るかな?何が出るかな?




