盗賊団 その4
今回はストラ視点です
「ああそうだ。突然変異の獣人は災いの元。道具として使われてるだけありがたいと思えってんだ」
「這いよる影」リーダーのオルダーが汚らしく笑って言った
イライラする
わかっていたことだがそれでもだ
何度も同じ扱いをされてきた
望んでこんな色に生まれたわけじゃねぇのに
シュッ
耳元を何かが通り過ぎた
通り過ぎた何かは俺の前にいるオルダーの右耳を削いで奥の壁に突き刺さった
「ぐあああああ!いてぇ!誰だあああああ!」
俺は後ろを振り返った
そこにいたのは、ナイフを両手に持って光を失った目をしたモクだった
「モク…?」
「…ス」
「おまえかああああああああ!」
「コロス」
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
そういいながらモクは俺の横を駆け抜けた
「ブッコロしてやらああああああああああ!」
オルダーはそう叫びながらモクに持っていた片手斧を振り下ろした
モクはそれにあたる直前体を回転させ斧をギリギリで避けた
その時に両手に持ったナイフをオルダーの両腕に深々と突き刺した
「うがあああああああ!こんクソガキがああああああああああああああ!」
ナイフが刺さったままの状態でオルダーは斧を振り回す
だが一向にモクにあたる気配がない
避けながらもモクはオルダーの体に次々とナイフを突き刺していく
そのどれもが致命傷を避けて刺されている
あれは、本当にモクなのか?
「グッ…クソが…」
ついにオルダーが倒れた
体中にナイフが刺さっており血が流れ出ている
《ヒール》
するとモクは両手足のナイフ以外を引き抜き何を思ったのかヒールをかけだした
「!?モク!なんで回復させるんだ!?」
「…このままだとこいつ死んじゃうでしょ?まだ死なれちゃ困るんだ。ストラさんを道具扱いした。いや、道具以下の存在としてた。すぐには殺してあげない。死にそうになっても僕が治す。いつまでもいつまでも刺しまくる」
そう言ってモクは傷を治したオルダーにまたナイフを刺しだした
刺しては治し刺しては治しを繰り返した
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どれくらいの時間がたっただろうか
モクが刺すのをやめた
「ふぅ、疲れた。ストラさん」
モクはこちらに振り返り俺を呼んだ
「まだやり足りないけどもういいや。止め刺しちゃって」
「…わかった」
俺がそう言うとモクはオルダーから離れた
俺はオルダーの横に立ち剣を抜いた
「ごめ・・・さい、ごめん・・・い、ご・・・なさい」
オルダーは顔の穴という穴から液体を出し同じ言葉を何回も繰り返し呟いていた
「…悪いな。俺もお前を許す気はねぇよ」
俺は勢いよく剣を振り下ろした
オルダーの首は抵抗なく体と別れて地面に落ちた
俺は剣に付いた血を拭いモクの方を向いた
そこには気を失ったモクとモクを支えているルイフーダがいた




