盗賊団 その3
聞き出したアジトの場所にたどり着いた
そこは岩壁にできた洞窟だった
「見張りはいねぇな。突撃するか?」
「中の様子がわからない以上軽率な行動は控えるべきだ」
「ならどうする?」
「さっきこんなもの見つけたんだけど・・・」
そう言ってインベントリからとある草を取り出した
「モク、これは?」
「鑑定したら睡魔草って出た。燃やして出た煙を吸うと眠っちゃうらしいんだ。使えないかな?」
「…一枚じゃ心元ねぇな。もう無いのか?」
「今持ってるのは5枚かな。向こうにまだあったからちょっと取ってくるね」
「取ってきたよ!これだけあれば大丈夫だよね?」
インベントリから20枚取り出しストラさんに渡した
「十分だな。5枚とっておいてくれ」
「わかった!」
「じゃあ、俺は火をつけてくる」
ストラさんはそう言って入口に向かい睡魔草に火をつけた
僕は木の板を使い洞窟内に煙が行くように仰いだ
しばらくして煙が上がらなくなった
「もういいだろ。俺が先頭で入る。モクを間に入れて最後がストラだ」
「了解だ。行こう」
洞窟の中を歩いている途中何人か寝ている人たちがいた
ルイフーダさんは容赦なく心臓を一突きにしてた
「広いところに出たよ」
それなりに広いところに出た
ここにも何人かが眠っている
一番奥で寝ている人がボスかな?
「あいつが頭か」
「だろうな。さっさととどめ刺しちまおう」
ストラさんが剣を抜きボスらしき人に近づいた
そして剣を突き刺そうとしたその時
「グアっ!!」
切られたのはストラさんだった
なんで!?睡魔草で寝てたはずじゃ!?
「お前…寝てたんじゃなかったのか…!」
「手下たちが不自然なほどに寝てるんだ、気づかねぇ方がおかしいってんだ。…お前ストラか?どこ行ってたんだ?確か子供がどうとか言ってたよな?」
「・・・」
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「…どういうことだ?ストラは盗賊の仲間?モク、お前は知っていたのか?」
正直に言わないと、だよね
「うん、知ってた。ストラさん本人から聞いた」
「…なぜ、盗賊といったやつと一緒にいる?」
「僕の命を救ってくれた。自分は盗賊だ、僕を襲うつもりだって正直に言ってくれた。盗賊をやめるって言った。僕を好きだって言ってくれた。それが手口かもしれない。でも、本心から言ってくれてる、そう思った」
「お前の思い違いかもしれなかったんだぞ?」
「その時はその時。でも後悔するんなら信じて後悔したいから」
「・・・」
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「お前、あのチビの話は本当なのか?」
「あぁ」
「俺を裏切るんだな?」
「裏切るもクソもあるか!お前は俺をただの道具としか思ってなかったじゃねぇか!」
「ああそうだ。突然変異の獣人は災いの元。道具として使われてるだけありがたいと思えってんだ」
ブチッ
僕の中で何かが切れた
次回 盗賊団最終回です
主人公が無双できたらいいなぁ…




