盗賊団 その2
森に入って少し進んだところでルイフーダさんが
「…来たな」
と呟いた
すると草むらから小汚い人たちが
「げへへ。おう兄ちゃん。かわいい子連れてんじゃねぇか」
「その子と荷物全部おいてったら命だけは助けてやるぜぇ?」
・・・もしかしなくてもかわいい子って僕のことだよね?
こんなおっさんに言われてもうれしくないな…
「断る。あと言っておくがこいつは男だ」
「へっ、男だろうがその顔は高く売れるんだよ。お前らやっちまえ!」
男がそう叫んだ
その時
「俺のモクに手を出そうとしてんじゃねぇよ」
叫んだ男の後ろからすごい形相のストラさんが出てきた
そのまま後ろから首を一閃した
「…おいストラ、こいつらからアジトの場所を聞かなきゃならないんだ。一人は残せよ?あと俺にも殺せろ」
「わぁってるよ」
うわぁ…ストラさんだけじゃなくてルイフーダさんも怒ってる
相手が少しかわいそうに思えてくるよ…
そこからは一方的な蹂躙劇でした
ストラさんを怒らせないようにしようって誓いました
・・・あれ?一人足りない?
「お前を道ずれにしてやらああああああああ!」
「っ!?モクううううう!」
後ろからいなくなった一人が切りかかってきた
すごくゆっくりに見える。これが死ぬ直前のスローモーション?
もうすぐ死ぬかもって時に僕はなぜか落ち着いていた
ゆっくりなら行けるかな?
僕はインベントリからナイフを取り出し、相手の剣が当たる直前に剣を避け横を通り過ぎるときに相手の右手の指を切り飛ばした
「へ?う、うぎゃあああああああああ!お、俺の、俺の指がああああああああああ」
「モク!大丈夫か!?」
すぐにストラさんが駆けつけてきた
向こうは片付いたみたい
ルイフーダさんも駆けつけてのたうち回っている男をロープで縛りあげている
「うん、僕は大丈夫!」
「よかった…お前に何かあったら俺は…」
「僕は大丈夫だよ。ほら、あの人からアジトの場所聞くんでしょ?」
「あぁ。でも本当にお前が無事でよかった」
そう言うとストラさんは抱きしめてきた
少し震えてる。
「ストラさん?」
「…悪い。しばらくこうさせてくれ」
僕はいいんだけどルイフーダさんが…
そう思いルイフーダさんの方を見たらルイフーダさんと目が合い
「こっちはやっておく」
と口パクで言われた
とてもかっこいいです
そして恥ずかしいです
ストラさんから解放されたのは尋問を終えたルイフーダさんが帰ってきてからでした
その人はどうなったかって?
骨という骨を全部へし折られて、顔をボッコボコに殴られて死んでいました
「モクを狙ったんだ。これでも足りないくらいだ」
真顔で言ってのけたルイフーダさんの顔がとても怖かったです
次回 盗賊団アジト突入!




