魔法の習得 その2
マーザさんの部屋について魔法の練習を始めた
「さて、それじゃぁ始めましょうか。光属性は回復と補助魔法を使えるけど、最初は回復魔法から覚えましょう。ちょっと痛いけど我慢してね?」
チクッとした痛みが走り指の先から血が出てきた
マーザさんが僕の指をナイフで軽く刺していた
「見ててね」
《ヒール》
マーザさんの手のひらから淡い光が出たかと思うと指先の痛みが引いていくのが分かった
光が収まり指先に残った血を拭うと傷はきれいになくなっていた
「こんな感じかしら?さ、やってみて」
「はい!」
僕は左手の指を針で刺して右手に魔力を集めて
《ヒール》!
と唱えた
が、何も起こらなかった
「あれ?治らない?」
「もっとイメージを明確にやってみて。漠然と治れってだけじゃいくらやってもできないわよ」
「なるほど…」
明確なイメージ…
僕は人差し指の傷が内側から繋がっていき外に溜まっている血が中に戻っていくイメージをして
《ヒール》
と唱えた
すると手のひらから光が漏れ出しイメージ道理に傷が治っていった
[回復魔法《ヒールlv:1》を獲得しました]
お、覚えたみたい
「…ほんと簡単に覚えちゃったわね」
「マーザさんのアドバイスのおかげですよ!あとはこれを何回もやればいいんですか?」
「そうね。でも魔力切れには注意してね?頭がクラクラして来たらやめること」
「わかりました」
魔力切れか…
ヒールがどれだけ減るのか後で確認しておこう
その時
ドォォン!!!!
「え!?なに!?」
「庭から聞こえたわ!行ってみましょ!」
僕たちは急いで庭に向かった
「ウ、うぅ…」
「ストラさん!!?」
庭に出るとストラさんが傷だらけで地面に倒れていた
すぐに駆け寄り覚えたばかりの回復魔法を唱えた
「うぅ…モク…か?」
「そうだよ。大丈夫?」
「あぁ、お前のおかげでな…」
そういった後ストラさんは気を失った
ルイフーダさんと一緒にストラさんを布団に運んでヘリッツさんに何があったのか聞いた
それによると
ストラさんも魔法の練習をしていたのだがどうにもうまくいかない
何回やってもできないことに痺れを切らしたストラさんが大量に魔力を放出して魔法を発動しようとしたため魔力が暴発したということらしい
「な~んだ。私はてっきりヘリッツがイライラしてストラさんに魔法をぶつけたのかと思ったわ」
「お前は俺を何だと思ってるんだ?」
「短気な暴れん坊?」
「よしちょっと表出ろ」
二人が言い合っているのを眺めていると
「お前も疲れてるだろ。部屋で休んできたらいい」
とルイフーダさんに言われた
「お言葉に甘えさせてもらいます」
「ん。ゆっくり休め」
「はい。おやすみなさい」
そういって僕はストラさんの寝ている部屋に向かった