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戦火のロートス~転生、そして異世界へ~  作者: べりや
第一章 エフタル戦争
3/163

戦火迫る

連続更新3/3です。お間違いの無いようお願いします。

 ミューロンに支えられながら家から出ると村人総出で残っていた騎士達を袋叩きにしている光景に出くわした。八十人に満たない小さな集落で繰り広げられるその凄惨な行いが今までの平和な日々と乖離しすぎていてどこか嘘のように思えて仕方ない。


 その惨劇は数の暴力によって次々に騎士が討ち取られていく事によって終息し、いつもと変わらない静けさをもたらしてくれた。

 その間、俺はただ無感動にその様を家の前から見ていた。

 そのため勝利から一点して後悔を浮かべるようになった皆の顔色の移り変わりが良く見えた。



「おい、これで全部か?」

「村に居たのはな。だが、数騎が本隊に戻って行ったぞ」

「これ、どうすんだ。見つかればただじゃすまないぞ」



 ハミッシュの親父さん達や村の皆は自然と村長の家であるうちの前に集まりながら先ほどの事を小さく話し合っている。

 そしてその中から見知った顔が近づいて来た。叔父にあたるタナシュさんだ。



「よくもやってくれたな」



 嫌悪を露わにした声に顔を上げられない。

 なんと言う事をしたのだという後悔が生まれるが、俺の腕を握ってくれる温かさにその思いが止まった。

 俺はミューロンを守りたかった。そして、この穏やかな生活を。

 だから怒りの滲んだ瞳を見つめ返し、ゆっくりと口を開いた。



「軽率な行動をして申し訳ないと思っています。ですが、あのままでは村の女がどうなっていたか、分かるでしょう」

「それでも村は守られる!」



 バチバチと火花の散る様な思いに睨みあっているとそこに狼耳の戦士――ワーウルフ族の男が割って入った。



「ご意見の対立はもっともだが、もう事は起こってしまったのですぞ。無益な話し合いをしている暇などありません」

「それはそうだが……。いや、そんなもの決まっておる。帝国人を殺した者を縛り上げてこれからやってくる帝国軍に引き渡す以外にあるまい」



 あくまで不戦を唱える叔父に反論の口を開けようとして、その前に別の村人が叔父に掴みかかった。



「いや、戦おう! うちの倅が奴らに殺されたかもしれないんだ!」

「そうだ! 戦おう! あんな狼藉者を村に入れるな!!」

「そうだ! そうだ! サヴィオン人共から、侵略者の手からこの村を守ろう!!」



 そんな戦意のみなぎる声に叔父は口を開こうとして、止めた。

 もう誰も止められる状況では無い。

 もちろん村長の家系に連なる俺の声ですらきっと皆聞こうとはしなかったろう。それほど彼らは怒りを覚えていた。

 戦に出た者達の仇を取るために、村の女を犯そうとした帝国人を殺すために、村を脅かす侵略者からこの村を守るために彼らは躊躇いなく武器を取る事を宣言する。

 そうした結束のような物を見ていると、仲間意識の強いエルフの血が騒ぐ気がした。



「よし、武器を集めろ!」



 ケンタウロスの声に各々が家に散って行く。そんな中で叔父が一言、「どうなっても知らんぞ」と肩を落として背を向けた。

 それに何か声をかけようかと思うもその前にハミッシュの親父さんに肩を叩かれる。



「それ、うちのデクの坊の打った武器だろ。中々やるようだな」

「え、えぇ。でもこれ一丁じゃどうしようも無いです」

「だが、他の連中を突き動かせた。で、後悔はしてねーんだろ?」



 力強く頷くと親父さんは「がはは」と笑いながら俺の背を強く叩いた。

 そして俺は親友であるハミッシュの顔を思い出しつつ、銃に視線を向ける。

 その銃床にはミューロンに手をかけようとしていた騎士を殴ったさいに着いた血がついていた。



「どうしたの?」

「……いや、別に」



 初めて人を殺した。だが、不思議と高揚も後悔も無い。

 人を殺すと言うのはなんと言うか、もっと特別な事だと思っていたのに手に残る感触はなんら残っていなかった。

 狩猟の時の方がまだ高揚感のような物があるせいか、ひどく味気ないような、そんな不思議な気持ちが漂うばかり。こんな感情、ミューロンにどうやって説明しろと言うんだろう。


 そんな事をつらつらと考えていると実に手際よく村の中央に武器達が集められていく。

 さすがにいつまでも考え込んでいても仕方ないとそこに行くと実に雑多な武器が勢ぞろいしていた。その多くは狩猟用の短弓(ショートボウ)であり、中には三つほど長弓(ロングボウ)が混じっていた。

 もっともエフタル占領を行ったアルツアルはエルフの使う長弓(ロングボウ)に苦しめられた経験からその所持を禁じていたはずなのだが……。

 だが、貴重な戦力があるに越したことはない。



「弓の他は農具しかないのか」



 暗澹たる声の主はケンタウロスだった。

 確かに弓以外の武器と言えば鎌や猟刀、鍬とその用途に戦闘を含んでいないものばかりだ。

 そもそもエルフの体格は総じて華奢であり、近接戦闘に適しているとは言い難い。そのせいか俺達の信奉している風と木の神様の教えによると戦は弓で行うべきと説かれていたりする。


 それでも刀剣は十数振りある。あるが、それでどうしたと言う話だ。

 刃物もほとんどは山刀や猟刀だし、戦闘訓練を受けていない者が騎士と切り結んで勝てるだろうか? 俄かに広がる絶望の空気を感じながら俺は家に戻って騎士の遺体を外に運び出し、家内水魔法で清める。



「外でやるべきだったな」



 そしてそんな作業をしても罪悪感すら湧かない事に不安を覚えつつ、火薬の調合に取りかかる事にした。

 今は無益な思考に時間を使うのでは無く、これから嫌となるほど必要になる物を作る時間に当てよう。そんなドライな考えをしながら道具を準備する。


 俺が使っている黒色火薬の材料は三つ。酸化剤としての硝石。可燃物としての硫黄、木炭。

 このうち硫黄以外は手製の品だ。と、言うか流石に硫黄はこの村の近くじゃ産出しない。だが田畑の虫除けや付木を作るのに必要とあってスターリングの街に行商に行った際に買ってくる物を拝借している。


 それらを砕き、絶妙な配分で混合して完成だ。

 もっとも普通は材料を湿らせて発火しないよう作り、ゆっくり乾燥させて完成なのだが、今回はいつ必要になるとも限らないからそれは省略。

 だが静電気でも引火するほど感度の高い火薬とあって指が吹き飛ぶんじゃないかとハラハラしながら作り上げる。



「ねぇ、もうすぐ軍議が始まるってよ」



 振り返ると動きやすそうな格好のミューロンが仁王立ちしていた。

 細身の袴になめし革の靴、色あせてはいる丈夫だけが取り柄の上衣。肩にかけた短弓のシルエットからして彼女なりの戦装束なのだろうか。まぁ、いつもの狩猟の時のスタイルとそう変わる物ではないが。



「少し待って……。よし終わった。行こうか」

「うん」



 そこで気づいたが、もう手元が見えなくなっていた。火気厳禁の作業のためと言うより没頭しすぎていて気付かなかった。

 とりあえず作った火薬を大き目の油紙で作った袋に入れて銃とカートリッジを入れたポーチに父上が昔くれた小刀を持って外に出る。


 すでに太陽が没し、いつの間に設置されたのか、篝火が村中を照らしている。それを横目に村の中央にある集会所に行くとすでに大勢のエルフ達が集まっていた。

 その隙間を縫うように中央に行くと今朝がた村に来た三人の戦士を中心に様々な意見が出ている所だった。



「我らと対峙した敵の数はおよそ五千と言った所だ。そのうち、馬は二千はいたな」

「そんな大軍にどうやって挑むんだ?」

「正面からじゃ勝ち目が無いぞ」



 この村の人口はおよそ二百人足らず。確かに数での勝負ならすでに喫している。



「ゲリラ戦しかないか……」



 俺が呟くとハミッシュの親父さんが頷いた。



「森に潜むエルフとは戦をするなってのはドワーフの掟の一つだ。あんたらならそれが出来そうだな」

「でも、武器が……」



 ミューロンの声にその場が静かになる。悪気は無いのだろうが、それ故に彼女はしまったとばかりに口を押えた。



「いや、ミューロンの言う通りだよ。ショートボウじゃ射程が短すぎる」



 狩猟用の短弓は長弓に威力で劣る。だが、ショートボウの利点はその短さと速射性にある。

 森のような入り組んだ地形で使うなら取り回しの良いし、大量の矢をすぐに射掛けられる。それこそショートボウの長所だ。

 もっとも、この性質を十二分に発揮するのは高速で移動する馬上の方が効果的ではあるが……。



「何にせよこの村で戦うのは厳しいな」



 ワーウルフ族の言葉にミューロンの言とは違った沈黙が降りしきる。

 だってその言葉の意味は――。



「村を捨てろと言うのですか?」



 俺の言葉に頷く狼耳の戦士。

 だが、確かに一晩かければ行き来できるほど近い戦場で戦をしていたんだ。その上、相手は騎乗した騎士。その機動力をもってすればすぐに奴らは攻めて来るだろう。

 それに元々数が違いすぎる。そんな中で村を守るのはそもそも不可能だ。

 だがそれでも生まれ育った村を捨てるなんて出来ようものか。すでに身の一部のように慣れ親しんだこの村を置いていけるはずがない。

 自分でも驚いたが、俺はそれほどこの村を愛していた。出来る事ならこの村にとどまりたい。だが、それではサヴィオンに殺されるだけだと言うのも理解出来る。


 周囲を見れば他のみんなも同じように重苦しい逡巡をしていた。

 その気持ちを察したのか、ワーウルフ族の戦士が重い口調で言った。



「酷な話だが、この村に籠っても未来は無い。辛い決断をしてほしいのだが、その決断をする長が居ないのだったな」



 父が戦死したため指導者不在の村で決めるには議題が大きすぎる。



「なら、わしが臨時に村長となろう」

「叔父さん!」

「確かに次の長はロートス。お前だ。だが――」

「分かっています……」



 俺のような若輩がこんな大事を仕切れるはずがない。少なくとも父上の傍で過ごしていた叔父の方が適しているに決まっている。

 だが――。



「皆もそれで良いな? では、村長として言おう。この村での戦は避けねばならない」



 そう、不戦派の叔父が戦を承認するはずがない。

 それでも指導者が居なければまとまる物もまとまらない。



「帝国人達を丁重に葬り、食糧庫を開くしかあるまい」

「そんな! 食糧庫には秋の収穫がたんまり入っているんですよ!? それにあれが無ければ冬が越せなくなる!」

「それじゃ代わりに帝国に手を出した村人を突きだせと言うのか!?」



 食糧庫の解放は俺達への譲歩なのだろう。

 つまり叔父は決戦を所望する連中を外に追い出したいのだ。



「でも、そんなんで帝国は降伏を認めてくれるのでしょうか?」

「ロートス! お前は黙っていなさい」

「しかし相手は人間至上主義のサヴィオンです。それに戦で占領された村は有無を言わさずに食料を徴収されるはず。

 それならこちらが開放の意図があっても仕方ないんじゃ……」



 前世、それこそ中世の世の中であれば略奪など日常茶飯事だったろう。

 むしろそれ以外に軍の補給など考えられていないはずだ。負ければ奪われる。力こそ正義。そんな時代と大差ない現状、食糧庫を無抵抗で渡したとして何が残ると言うのだ?

 食糧を渡しても奴らは俺達の冬を越すための食糧を、来年のための種もみも、そして村の女をも奪っていくだろう。

 あいつ等にしたら抵抗されるもされないも、予定は変わらないはずだ。



「それはサヴィオン人の慈悲を乞うしかあるまい。だが、それが安泰に村を救える手では無いか?

 それとも他に村が救える手でもあるのか? この村を捨て、生きられるのか?」



 村を捨てる――。



「皆はどう思う? この村で戦っても勝ち目が無いと分かっているのだ。このまま戦となるなら村を出てもらう事に成る。それでも――」



 その時、集会所の外から「敵襲」と言う声と悲鳴が響いた。

 それに慌ててそこを飛び出すと松明を持った一団が村に侵入してくるのが見えた。



「な!? 夜襲!?」



 夜間、視界が奪われた状態で連携を取るのは難を極める。それに障害物に気づきにくく、非常に危険な行為とも言えるが、それを成した敵が次々と村に進入してくる。

 白銀の甲冑に深紅のベルベットを肩にかけ、羽飾りを背負う勇壮な騎士達が鞍に取り付けたカンテラの明かりを元にこちらを取り囲む。その内の一騎が騎士達の輪を外れて進み出る。



「静まれ! 余の名はアイネ・デル・サヴィオン。帝国第二帝姫にしてサヴィオン帝国西方鎮定軍第二軍総大将である!!」



 夜の空に響くその声にはまだ幼さが残っているように思えたが、力のこもったそれは高らかと名を告げる。

 松明の明かりに移ったその顔は美しいの一言に尽きた。

 燃えるような赤髪に灼熱色の瞳。篝火の茜色を反射する銀の鎧の上には深紅のマントが翻っている。



「西方蛮族に告ぐ! 余は父たるサヴィオン帝よりこの地の征服を命じられ、今ここにおる。

 日のあるうちに使者を遣わしたが、その者を早う呼ぶのだ」



 そう言われてももう使者は居ない。

 誰もが動きを止めている光景を不思議に思ったのか、姫騎士は目くばせで配下の騎士を進ませる。



「……待て。そこの武器はなんだ?」



 村の中央に集められた武器達。そしてただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、彼女は「抜剣」と小さく命じた。

 もう時間が無い。こっそりと銃を構え――。



「で、殿下! バーリアン男爵が――!!」



 ヤバイ。死体が見つかった。その声から姫騎士に視線を移せばその赤い瞳に憎しみが輝いた気がした。



「貴様ら――! よくもバーリアンを――」



 殺気の濃度が一気に跳ね上がる。夜が上げたら埋葬しようとしていたのが間違いだった。

 ジリジリとする静かな殺気。沈黙の中、ひと際大きく篝火がはぜた。



「皆の者! 突撃!!」



 騎士達が騎乗したまま村に侵入してくるや、なんの躊躇いも無く手近な者達を切って行く。

 その無慈悲な光景に固まってしまう。

 だが、すぐに強く肩を叩かれた。ケンタウロスの戦士だ。



「何やっている! もうここはダメだ。森に落ち延びろ! 森だ!!」



 その声に慌てて周囲を見渡す。気が付けば火をかけられた家すらあるすらある。



「家が――!」

「くそ、あいつら皆殺しにするつもりだ!! おい、お前、食糧庫にも火を放て」

「そんな――!」



 いや、このまま奪われるくらいだったらいっそのこと――。

 俺はまず家に走り、先ほど作ったばかりの火薬を封した油紙の袋を持ち上げる。だいたい一キロほどあるだろうか。

 この量を燃焼させられれば食糧庫を完全に燃やすなんて簡単だ。



「ロートス! 急いで! 兵隊がやってくる!!」



 ミューロンの声に振り向けば、彼女短弓を構えながら周囲に険しい視線を送っている。もう時間が無い。あちこちで悲鳴や蹄の音が高鳴り、何かを壊す音と焼ける音が大合唱を始めている。早く逃げなくて――。

 ふと、まじまじと俺の暮らした家に視線を走らせる。もう真っ暗になっているが、それでもその光景を瞼に焼き付けてから駆け出す。



「ちょっと! どこ行くの!?」

「食糧庫だ!!」



 家から飛び出して分かったが、奴ら、見境なく家に火を放っている。業火の中に聞こえる悲鳴を背に高床式の食糧庫に飛びこみ、抱いていた火薬を周囲にぶちまける。

 せっかくみんなで貯めた食糧が――。

 ふと、気が付くと口の中に血の味がした。強く噛みしめすぎて切ったのだと言う事に一瞬、気が付かなかった。



「よし、ミューロン逃げるぞ!!」

「………………」

「ミューロン!? どうした? 返事をしろ!」



 そして外に待っているはずのミューロンに声をかけつつ、火種をどうしようと考えるもそこで違和感を覚えた。

 返事が無い。嫌な予感を覚えつつ外に出るとそこには数騎の騎士達が俺達を包囲していた。

 そして両手を上げながら弓を放り投げる幼馴染の背中を見て、そして周囲の剣を握った騎士達を見る。



「ゆっくりと降りてこい。そして武器を捨てろ」



 そう言ったのは先ほど高らかに名乗りを上げた姫騎士――アイネと言ったか――だ。

 アイネの言葉に俺はゆっくりと肩に背負っていた銃と腰に差していた小刀を地面に置く。



「フン。蛮族のくせに気が回る事だな。糧食に火を放つつもりだったか?」



 ニヤリと笑われた。いや、嗤われたのだろうか。

 その冷たい笑いを向ける姫が俺の喉元に剣を突きつける。その切っ先が顎をなぞり、視線を上げるとそこには赤い双眸があった。



「おい、中を検めよ」

「はッ」



 騎士の一人が馬から降りると、剣と松明を手に食糧庫の階段に足をかける。



「止めた方が――」

「誰の許しを得て口を開くか!」



 アイネは巧みに馬から降りると、剣の柄で俺の側頭部を強打してくる。脳が揺さぶられ、認識力が一気に劣る中、ただミューロンの悲鳴だけが耳に届いた。

 あぁ、俺はこの世界でゆっくりと狩猟生活をして、穏やかに暮らすつもりだったのに。

 もうノルマに追われ、車内の派閥争いに巻き込まれる事も無く、ただただゆっくりと生きて居たかっただけなのに。

 それなのに――。


 ――あぁ、かみさま! あなたはなんて仕打ちをなさるんですか!?


 だが、その思いは一瞬で流れて消えた。

 背後が急に光る。閃光と共に熱気が襲う。



「あぁ!! あつぃ! ああぁあああ!!」



 悲鳴に振り返れば所々赤く熱した鎧を身にまとった騎士が火の手の上がる入り口から出て来た。

 全身を覆う鎧のせいであの中はまさに地獄と化しているだろう。

 その騎士が足を踏み外し、倒れて来る。



「あぶね!」



 反射的に飛び上がる。耳障りな悲鳴と金属を打ち付ける音。それでも騎士はまだ生きて居た。

 蒸し焼きとなっている騎士は水を求めのたうち回り、周囲に動揺が広がる。

 その隙に俺は小刀と銃を拾い、そしてミューロンの手をきつく掴んで走り出した。



「い、一体何が――!?」



 背後から聞こえるアイネの問いに「そりゃ火薬を撒いた部屋に松明持って入りゃこうなる」と心の中で答えながら走り続ける。

 ただ森の中に。漆黒の広がるそこに。追手の入り込まないそこに向かってただ、走る。

新作なので初投降です。



さて、新作投下と相成り、読者の皆様にはどうかこれからもよろしくお願い申し上げます。

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