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宿屋

パーティを組み終えた一同は各々適当な方向へ向かう事にした。

その方法は棒が倒れた方向へ行くもの、地図の上に石を落としてその地点を目指すものとさまざまだった。

その中でも一番適当だったのはモミジのグループで、剣士の男性に目隠しをしてぐるぐると回転させて止まった方向を目指すという物だった。


その結果、モミジ一行は北北東にあるエリカラスという街を目指すことになった

エリカラスの周辺は平均レベル30程度のモンスターが出現するため、初心者を育テル足がかりにはちょうどいいため、モミジは方向の変更を提案することもなく決定を下した。


しかし出発は翌日に見送られることとなる。

その原因はモミジが全員にステータスの開示を求めたことで、選択スキルなどを考え始めてしまいいつの間にか日が暮れ始めてしまっていた事にある。


「それにしても魔法使いか……」


男性剣士、ダイゴはぼやく。

彼の、彼らのレベルはモミジの読み通り1桁で平均して5レベルだった。

その中でも最もレベルが低いのが女性剣士のレナで、レベル3だった。

ここまで低いのはモミジ自身想定外だったが、やることは変わらないと思い表情に出すことはなかった。


「私は魔法関係以外の武器防具は持ってないからね、欲しければ自分で手に入れるかもっとベテランの人に頼み込んで」


モミジはそう言ったが、実際はいくつか高レベルの武器を所持している。

その理由は、他の高レベルプレイヤーとの交換用で持っている物だ。

特に魔法使いのプレイヤーは極端に少ないためモミジが使える武器を持て余す人間が多い。

そういった人をターゲットに交換を持ちかけると、高確率で交換に応じてもらえるため売らずに死蔵している武器防具があった。


しかし、それを出し惜しみしたわけではない。

ドミナスオンラインの装備には何レベル以上出ないと装備できないという縛りがある。

モミジが所持している装備は基本的に400レベル以上専用の物ばかりのため、初心者の彼らが装備できるものはない。


「幸いお金は使えるみたいだからエリカラスの街で適当な装備を買いましょう。

そのくらいは私が用意してあげるから」


モミジは懐から金貨の詰まった財布を取り出す。

宿をとる際に一人15ゴールドと言われ、ゲーム時代と貨幣価値や通貨は同じものと判明した。

それと同時に、大量のモンスターを素材集めとスキル稼ぎのために倒し続けたためモミジの懐はだいぶ温かいという事が判明した。


「それで明日はエリカラスを目指すけれど、この村からどれくらいの距離かはわからないから食料を買いだめしてから行こう。

私たちもお腹は普通にすくみたいだから。

それと飲み水は魔法で大丈夫みたいだし水を持ち歩く必要がないのは楽でいいね」


モミジの言葉に全員が頷く。

それと同時にハンターの少女がはっと目を見開く。

彼女の名前はソケット、レベル5のプレイヤーで弓を主体としている。


「私の矢ってどうしましょう」


その言葉を聞いてモミジは顔をしかめる。

ゲーム時代、ハンターの使う矢は補充しなければならなかった。

その矢自体は街の武器屋や雑貨屋で購入が可能だったが、ローリエの村で購入が可能かは確認していなかった。


「明日の朝一で雑貨屋を見てみましょう。

だめだったら、次の街に着くまではナイフ主体か矢を回収するかの二択になると思うけれど」


「ですよね、わかりました」


モミジの言葉をある程度予測していたのかソケットは首を縦に振ってあくびを一つする。

時間的にはまだ8時にもなっていないだろうけれど、パーティ開催は夜の9時だったのに対してこちらの世界にトリップした際は日が高かったため時差ボケがあるのだろう。

ソケットのあくびにつられてレナとモミジもあくびをする。


「今日はこれくらいにして早めに寝ましょう」


モミジのその一言でダイゴはお休みと言い残して部屋を出る。

女性三人と男性一人の部屋わけにしたので、ダイゴだけ別の部屋に泊まることになってしまったがこれはダイゴ本人の希望でもある。


それを見送った三人は着替えることなく、布団にもぐりこんでしまった。

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