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サードステージ?

「意外と驚かないんだね」


「えぇ、だいたいは理解しているからね。

例えば、鬼ごっこの最中に何かを茂みに投げ込んでいたとか」


 ルーランがモミジの言葉にピクリと反応を示す。

 さらにモミジが言葉を発する。


「私が防衛線している間に、街中になにか仕掛けていたとか」


「……よく御存じで」


「ちょっと変わった知り合いが手伝ってくれてね。

足元を見てみなさい」


 モミジの言葉につられて足元に目を向けた瞬間、頭部に衝撃を受けたルーランが地面に突っ伏す。

 

「便利なのが、いるのよね」


「ナ……ナイア? 」


「あぁ、そっか。

貴方ニールの知り合いだもんね。

ナイルを知ってても不思議はないか」


「やあ久しぶりだねルーラン。

相変わらず奇妙な格好しているよね」


 街中での最下位のごとく気軽に挨拶を交わしたナイアだったがルーランは現状に追いつけず、首をかしげている。


「いやはや、まったく我が主は人使いが荒い。

まさかルーランの記憶をばれないように探って、尚且つ街中に仕掛けられた異物を拾って来いとは」


 そう言ってナイアはどこからか小さな種のようなものを取り出す。

 それをぱらぱらとルーランの前に落として、踏みつぶした。


「これは爆裂の種だよね。

わずか一時間で成長して毒の花粉と、爆発する果実をつける。

主を殺して街も滅ぼすつもりだったのかな」


「おのれ……」


「おいおい、ルーラン。

君の口調をまねているんだ。

もうちょっとおしゃべりをしようよ。

喋るのは君の本業だろう。

僕の本業は人で遊ぶこと、君の奮闘は楽しかったよ。

……まあ一か所くらい種を残しておいてもよかったんだけれど、君の思惑通り動くというのも面白みがない。

だから主に全面的に味方してみたのさ。

ナイトメアらしい気まぐれだろう」


 いつもよりも饒舌なナイアにモミジが一歩下がる。

 俗にいう引くという状況だ。

 あまりに下種なナイアを見て、自分の中に巣くっている存在の本性を目の当たりにしてしまって、ドン引きした。

 ゲスい、酷い、恐ろしい、どの表現も今のナイアに向けるには不適切だ。

 そう思ってしまうほどにモミジは顔をしかめていた。

 反吐が出るとでも言いたげなモミジを見てナイアは満足げにしていたが。


「あ、それじゃあそろそろ戻るんで。

後は頼んだよ主様」


 そう言ってナイアは街に戻っていった。

 本来ならモミジの中に変えるべきなのだが、ナイアはナイアでやりたいことがあるのだろうとモミジは放置した。

 というよりは今は関わりたくないというべきなのだろうか。


「えーと、サードステージ。

ルーランを生かさず殺さず。

クリアかな」


 こうしてモミジとルーランによる凶宴は一幕となった。

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