予定
ナイアが正座をしている最中、モミジは今後の方針について思考を巡らせていた。
まず大まかな流れとしては魔王ニールをどうにかする必要がある。
その理由として、魔王ニールとプレイヤー乳酸菌の関係について気になることが出てきたからだ。
まず名前だ。
ナイアの話から魔王の本名はニール・ザンギス、微妙にではあるが乳酸菌と発音が近しい。
更に、魔王ニールは魔法にたけており、特に魔法の応用に関しては右に出る者はいないとされる程だ。
その応用の仕方が、尽く乳酸菌のとった戦法と似通っている。
外れていたらそれでいい、それならば笑い話にするだけだからだ。
そう考えたモミジは、ナイアにニールの居場所を問いただした。
「ニールですか?
魔族領の北の果て、ロックウェル王国のお城で胡坐掻いて恋人の死体とにらめっこでもしてるんじゃないですか? 」
「魔族領……ここね。
現在地から考えると……2日って所かしら」
モミジが呟く、それを横で聞いていた兵士や剣士はいやいやと首を横に振る。
地図の上で、モミジの現在地とロックウェル王国を探すと、地図の端と端に有る事がわかる。
それは、不眠不休で馬を走らせても半月、普通に踏破するのであれば二ヶ月は必要であろう距離だった。
「まず、ディメンションでここまでは飛べる」
そう言って魔族領手前にあるセンチネル帝国を指さす。
次に、指で地図をなぞりロックウェル王国との中間点で指を止める。
「ここにダンジョンがある。
ここまで飛べる、センチネルでは買い出しをする」
そして最後に、ロックウェル王国まで指をなぞらせた。
「あとは飛行魔法でここまで」
そう言って見せたモミジに、ロリクスが顔をしかめた。
「一人で行く気か」
「パーティ募集中」
「立候補するぞ、女の子を一人で乳酸菌の奴に合わせるのは気が引ける。
というか絶対トラウマ植えつけられるから行かせられない」
ロリクスは何か確信があるのか、ニールを乳酸菌と決めてかかるような口調だった。
「あとは……どうする」
「ダイゴたちは無理。
レベルが低すぎる」
現時点でダイゴ達のレベルは60近くまで上がっている。
しかし、それでもモミジたちと同じ場で戦うには少々低すぎた。