表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/56

スキル選択

 食事を終えて初心者三人は自分のスキル欄を改めて確認することにした。

 というのも彼らは極限状態の中モンスターをたたき続け、機械的にステータスを確認していただけなのでどれだけスキルを手に入れたかまでは理解していなかった。


「うげ……」


 レナが女性らしからぬ声を上げる。

 しかしダイゴもソケットもそれにかまう余裕がなく、むしろレナが声を上げなければ彼らが同じような声を漏らしていたであろうことがうかがえる。


「けっこう伸びてた? 」


 モミジの言葉を頭で理解することができない。

 それほどに三人はスキルを見て驚いている。


 スキルというのは一つの職業で平均して5種類。

 その中にも段階があり、モミジであれば上級や中級の魔法で区分される。

 今回は全員近接武器のスキルを育てることにしたが、ダイゴの初級剣士スキルは既にコンプリートを示す☆がついている。

 それに合わせて【スキル解放条件達成 下記スキルから取得したいスキルを選択してください】というメッセージが浮かんでいた。

 それを見て一度モミジに視線を向ける。


「好きに取ったらいいよ、一部の職業以外はスキルに大きな差はないから」


 モミジは大方コンプリートくらいはしているだろうなと思いながらやらせていたため、ダイゴの視線に気づいた。

 実際は、洞窟でもいったようにある程度スキルを取得したら終わらせる予定だったが途中からの猛攻にひいてしまい、おさめどころを見失ってしまっていた。


「ソケットさんはどんなハンターやりたい? 」


「えーと……罠は使わないで弓とナイフで戦いたいです」


「バトルハンターか……だったら今どんなスキルが表示されてる? 」


「初級ナイフ使い、初級毒使い、初級罠使い、初級弓使いです」


 モミジはそれを聞いて、攻略サイトに書かれた情報を思い出す。

 ハンターの強みは遠距離からの攻撃と素早さを生かして手数で攻める事。

 そこに毒や罠を交えることが可能なため、ダメージをとりやすい職業とされている。

 反面防御力が低いため、壁役がいないならば麻痺などの状態異常を駆使する必要がある。

 また援護主体でプレイしたい人は罠を設置できる数少ない職業なので、援護に徹するか前衛に出るかはあらかじめ決めておいた方がいい職業。


 と攻略サイトには明記されている。

 その中でも戦闘スキルに関しては細かく表記されていて、ナイフスキルは手数が取れる上に武器の中でも安価で毒と組み合わせやすいとされている。


「その中なら毒かナイフを優先した方がいいかな」


 今回毒スキルが出たのは麻痺したところを殴り続けたのが原因だろうか。

 そもそも、状態異常スキルの取得条件はナイフを一定以上育てる事だの状態異常の敵を殴り続ける事だのと諸説あり未だに正確な情報は流れていない。

 そういう意味では運がよかったと言えるだろう。


「モミジさん、私槍を使おうと思うんですけど」


「槍か、いいんじゃないかな。

今までみたいな陣形を意識して戦うならそのほうが楽かもしれないね。

ただし、槍は懐に入られた時の対策が必要だからもう一つサブウエポンを持っていた方がいいと思うよ」


 レナの言葉にモミジは攻略サイトに書かれていたことをそのまま教える。

 もちろんあらかじめ攻略サイト主体だという事は伝えたうえでだ。


「俺は……どうしようかな」


 ダイゴはメインウエポンが決まらないのかスキル一覧を眺めてうなっている。

 剣士は近接武器はほとんど使いこなすことができるが、それが今回は裏目に出ている。


「手数なら片手剣2本、攻防一体なら片手剣と盾、一撃必殺なら斧か槌か両手剣、中距離で足止めを狙うなら槍」


「拳って……何?」


 拳スキル、徒手空拳のスキルで最も手数の多い攻撃手段でありながら職業関係なく使えるスキルだ。

 ただし、モミジは筋力が低いため大した威力を発することができない為このスキルは取得していない。


「剣士というか拳士になっちゃうね、サブとしてとる分にはいいけれどメインにしている人は魔法使いの次くらいに少ないんじゃないかな」


 拳スキルの最大の弱点はリーチの短さと他のスキルに比べて威力が出せないことにある。

 さらにナイフスキルのように状態異常を付与することができない為、手数でダメージをとることしかできない。

 もちろん、一撃で大きなダメージを出すスキルはあるがそれでも剣士の基本スキルである【兜割】よりもダメージ低い。


「……よし、決めた! 」


 そう叫んでダイゴは武器のスキルを選ぶ。

 彼が選んだのは片手剣スキルと拳スキルを選択した。

 それと同時にソケットも毒スキルとナイフスキルと弓スキルを選択し、レナは槍スキルだけを選択した。


「じゃあ明日はそのスキルを育てましょう」


 先ほどまで少し強くなれたと感じて喜んでいた初心者3人にレナはそう告げる。

 その笑顔は見る者が見れば天使とでも表現しそうなほど明るいものだったが、ダイゴ達は笑顔のまま頬をひきつらせていた。

 明日も洞窟でモンスターをたたくだけの1日が待っている。

補足

スキル上げを行う以前のダイゴ達は【剣士】スキルや【ハンター】スキルという職業ごとのスキルを使用していました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ