刮目せよ!これが職場だ!!友人だ!!
ネタがあるのに話がまとまらない!
俺の職場は自転車で三十分かかる。通常は八時までに着いてればいいが、鍵開けがあると少なくとも七時半までには着いていて各種今日の準備をしとく決まりだ。
今日は鍵開けなかったので通常出勤だ。故にアパートに置いてきたアインが少々気になる所だが仕事を疎かにする事は出来ない。
何をしてる企業かというと医療機器の仲買だ。開発元から安く買いたたいて必要そうな所にそれなりの値段で売り込みに行くのが仕事になる。それゆえに医療関係の知識が無いとやっていけない。
俺の場合はそもそもそういった機器を使う仕事に就くつもりだったのだが、何処で道を踏み外したのか今ではここに骨をうずめるつもりだ。(まあ大体原因は解って入るのだが…)そう思って
「どしてこなった。」そう呟いて重いため息をはく。それに隣の席の奴(安井信二)が声をかけてくる。
「どうしたんすか先輩?」「いや、どしてこうなったかと思ってな。」
「事情はよく解りませんがそんな事もありますよ。」
「そうだな。あまりこういう事考えてるとアレが来ると「呼ばれた気がして!!」くんじゃねえホモやろう!」
「酷いな~」安井信二これは私より三つ下で、この職業に着いたのは最近である。それまでは看護師をしていたらしい。これといって特徴は無いが、あっけらかんとした性格をしているため場の空気が悪い時重宝する。
そして先ほど俺のは発言中に突っ込んできたのが、海道紫苑女のような名前だがれっきとした男だ。悲しいが男である。
何が悲しいかってそれはな…
「今日もいい男だね!」それに「何時もどうりの老け顔だと思うが。」と、不機嫌そうに答える。
「イヤイヤ、それが良いんじゃないか!!」✧キラキラ✧そう言って目を輝かしている。それがうざったくて「ああそう。」と不機嫌さマックスで答える。そんなこちらの態度につれないな―的な顔をしながら何時もどおりに話し始める
「そんな事よりやr「言わせねえよ!!」もうつれないなあ~。」
「何でお前ホモなんだよ!」うんざりした顔でそう言うと、
「ホモ?そんなモノと一緒にしないでくれ。私の思いはそんなモノでは無ーい!」(キリッ)時目が押してるうざい。
「なら何だってんだよ。」その答えにうんざりした顔をしながら聞いてやる。それにお決まりの言葉で
「私は男が好きなのではない。お前が好きなんだ!」
「より性質が悪いわ!」と何時も通り既にテンプレな回答で答える。
隣の安井が仲がいいですね的な顔をしており他の同僚は既に気にしてすらいない。それもそのはず日にこんな事を何度もしているのだから当たり前だな。
こいつと出会ったのは大学生の頃だった。同じ大学の別の学部の同期であった。知人ならそれなりにいたがこいつは一味どころか、全く違う食材で作ったと言われた方がいいぐらい違うというか一際異彩を放っていたのだ。
だが、俺がそんな面倒臭そうな奴とわざわざ付き合うわけが無く出会いはまさしく偶然であった。
その出会いが俺の趣味であった事から交流を持つにいたった。それを境にシオンも変わっていき周りにもきちんと配慮するなどそれなり人らしくなった。(それまでが酷過ぎたと言うべきか…。)
そんなある年の文化祭でステージ好きな人に告白するとかいう企画(笑)が開催するとかで人数合わせに奴も出るという事で「まあ来てくれよ。」ということを言ってきたのであまり好きではない人込みを避けて後ろの方に陣取っていた。
ちなみにシオンは所謂イケメソとか二枚目であり何時も老け顔の俺を引き立て役になっていたためかなりモテル。が、内面的に女と付き合うなんて出来るわけ無いので何時も一人身である。
(それでも面がいいとそれなり告白なんかも受けるらしいからなそれのどれかが気に入ったんだろう。)と思っていた。何番目かのチャラ男が振られて引っ込むとついにシオンが出てくる。
その瞬間会場の空気が変わる。
明らかにそれまでの連中とは違った。何が違うって?どう見てもガチなところだ。バリっと仕上がった白いスーツを着て髪もいつもは適当なのにバッチリ決め。その手には赤いバラの花束だ。
漫画なら笑えるようなものを全て揃えているのにその顔は真剣そのもの笑うに笑えない。
(まるで将来の伴侶をみつけたような顔をしているな。)等と思っているとし司会に呼ばれたステージの中央にあるいてきた。
「す、すごいいでたちですね。」「ええ、気合入れてきましたから!」
ちょっと引き気味で視界に質問されたのに奴は清々しい笑顔で答える。
「え、ええとその、こ告白する人は呼んでますよね。どなたですか?」
「それは言えません。サプライズなもんですから。」「そうですか。」
それを聞いた一部の女子?(大学生をこう呼ぶのは違和感がある)が、騒ぎ始める。
(ああ、ありゃ前にシオンに告発してたグループだな。)なんて思いながらみているとついに告白するとこまで来たようだ。
「私はまともに人の感情も読み取ることすらできない人間だ。だからこんな風にしか言う事が出来ない…」
「私は…お前が…お前が…」
「お前が好きだ!!!お前が欲しい-!!!」
「ジイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイン!!!!!!」
一瞬時が止まる。
それに一泊遅れて俺の顔は「ハア?」(゜Д゜)て、顔になった。(ジンなんて名前たくさん居そうだが、イントネーション的にたぶん俺の事だよな。実は女…んなわかきゃねーな。前いった風呂屋で一緒だったし。)なんて思考に飲まれていると
それ以外の奴らは大変だ。
??(・_・*)(*・_・)(*~^~)/??ざわ…ざわ…最初こんな感じで
「え?」「ジンって誰?」「何時も一緒にいたあいつが確かそんな名前だったような…?」「ハア?」
「アレ男じゃん!!」「つまりは…。」
話し合い的なものが終わるとスポットライトが俺を照らし出す。
(・_・)(・_・)(・_・)(・_・)(・_・)(・_・)(・_・)(・_・)(・_・)
それと同時に全員ががこっちの方を見る。
ついこっちみんな!と、言いたくなったがこらえる。この企画だと告白された人物がステージ上の人物の告白に対して答えなきゃならない。そかも周りから解りやすくするためにスポットライトで照らされながら。
委員の奴が駆け寄ってきてマイクを渡してくる。ここまで来るとどうも計画されていたような気がしてきた。こちらが何処にいるか知ってるような動きだった。(あとから考えれば照らしだされているんだから当たり前なのだが、さすがに驚いていたんだと今では思う。)
だがそんな事をその時気づける訳もなく困惑状態のまま
「俺には何が何だか解らんのだが、まずいろいろ説明しろ。」
と壇上のタキシード野郎に問うてみる。
「出会ったときから気になっていたんだ。」それを言われた時の俺はさぞかし滑稽な顔をしていただろう。それこそはと豆鉄砲食らったような。
「・・・ネタじゃなくか?」「ああ。」
その顔は真剣そのもの
俺が訝しげな表情でさらに問う「お前ホモだったのか?」
「いや、お前にしか興味無い。」と、真顔で答える紫苑
「いったいどうしてそんな事になったんだ?」「わからん!」
「ハア――」と、大きなため息一つ付いて
「ええと、ちなみに俺は友人としてしか付き合う気はないぞ。」
「何時か振り向かせて見せる!!」と言ってこっちを指さす。
「ねえよ!!」そう渾身の力を込めて叫んだ後の事は話したくない。
それから今まで友人として付き合い続けこいつに引っ張られる形でこの会社に就職した。
別の学部じゃねえかって?奴はそんもの物ともしなかった。俺の学部の授業までとって付いてきやがった。愛は障害が多い方が燃えるらしい。俺には理解できないが。
あれが女ならそのうち振り向くかもしれなかったが生憎奴には玉も竿もついている振り向きようがない。俺はノーマルだからな!決して男色ではない!!あいつのせいでどこぞの二丁目扱いされた時期があった。
そのうわさを流した奴らは『その』関係で出来た知り合い(ウホッないい男)処理させた。二度と社会復帰などさせないよ。(ニッコリ)
話がずれたな。そんな感じでいまだに友人なわけだが、今の職場でも平然と口説きに来る。
それが許される職場がすごいのか、それともこんな事が出来るように仕事を瞬殺してくるこいつが凄いのか、たまにどちらか悩む。答えなど無いがな。
(それでもいろいろ助けてくれたのも事実感謝はしてるんだがな。)
そう思いつつ今日もにこやかにイタリア人のようにランチに誘う紫苑の姿に諦めの意味を込めてため息をつく。(安井も誘って三人で行こうか。)
そう思いつつ何時も通り日常は過ぎていく。
ちなみにこの職場の人数は全部で十五人(社長も含む)の中小企業で全員がオタクという兵、もしくはきわものである。(女性社員は全員腐っている。)
冬と夏のある時期になると猛烈にペースをを上げ全員で休むという荒技を見た時は驚きを通り越して笑ってしまった。(俺はアレには行かんがな。人込み嫌いだからな。)
そんな会社でも彼とか係れる真の兵はほとんどおらず、その中でもよくかかわる稀有な存在が安井信二だ。ただのモブではないのだ。
(そのうち彼にもやらないかとか言いそうで不安だが、その時は背中を押そう。)と思っていたが本当に興味が俺にしかないらしく良い友人関係を貫いている。
そんな職場での仕事を終え帰宅する前にスーパーによって晩飯の材料とアインの喜びそうなお菓子なんかを買って現在玄関の前。
ここで困った事が発生している。
「やあ!遊びに来たよ!!」
シオンが俺の部屋の前にいる。(さてどうしたもんか。)
軽くBL入ったんですが、これってタグに入れるべきですかね~