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気付き

次に俺は装甲のステータスに目を移した。


装甲の強弱を決めるバーを右に寄せていくと、ポイントを消費しながら装甲値が高まっていった。


また、特定の部分の装甲のみをどんどん厚くしていく事も可能で、

逆に装甲の薄い弱点部分なども設定出来、その場合は弱点を増やせば増やす程ポイント残量が増えていく。

オプションとして実弾耐性やビーム兵器反射など様々なオプションも付与可能だった。


なんかもう至れり尽くせりだなと俺は思った。

どんだけ細かく設定出来るんだろう。



ちなみに、装甲の素材は未来の科学力で作られた素敵金属だろうと、粘土だろうと、ポイントを消費せず自由に設定出来るようだ。そのかわり、どんな素材を使っても性能は同じとのこと。

装甲の強弱や修理の手間などは同一だとの説明文が乗っていた。


粘土で出来たロボとか物凄く簡単に修理出来そうなんだけどな……。



ちらりと時計に目をやる。

時計は残り時間が17分だと警告していた。


まずいな。

どう考えてもこれじゃあ時間が足りない。

いくらなんでも少なすぎる。


俺は焦りながら空中のディスプレイにざっと目を通していく。

すると、ページの一番下にある機能の説明文がのっていた。

その機能とは、作りたいロボットのイメージを決め手から【設定】と声に出すと、自動でその思い描いたロボットに近づくようポイントを割り振ってステータスを調節してくれるという機能だった。


例えば重装甲の接近戦タイプと念じればながら【設定】と言えばそのコンセプトにあったステータスになり、好きなをロボットをイメージしながら【設定】と言えばそのロボットに似た性能に勝手にしてくれるようだ。

とはいえポイントは有限なため、強すぎるロボは再現しきれず劣化版になるようだが。

まあそれは仕方ないか。


俺はホッと胸を撫で下ろす。

これなら時間切れに怯えず簡単に出来そうだ。


しかし、それは勘違いだった。

いざモデルにするロボを決めようと脳内会議を始めてみると、まるで結論が出せなかった。

愛機にしたいロボットが多すぎたのだ。

頭の中に浮かぶ数多のロボット達はどれも魅力的で、とてもじゃないが一機に絞れない。

たくさんの美少女に求愛された男の様に俺は思い悩んだ。

まあそんな素敵な経験はないので想像だが。


「だ、ダメだ。一機に絞るなんて俺には出来そうもねぇ……」


いっこうに愛機のイメージを決められない俺は、何とはなしにキャラメイク用の画面へと視線を移した。


キャラメイク用の画面には修得可能技能の数々が山のように表示されていた。


操縦技能や整備技能などのロボット関係の技能。そして生身での剣術技能や分析技能など多種多様な技能も数多くあった。


操縦技能などのパイロット関係の技能は当然欲しい。

しかし、それらの技能を取るためにポイント消費すると、その分ロボに使えるポイントが減るというのが悩みどころだった。


やっぱり強いロボ作りにポイントを使いたいし、キャラメイクにはあまりポイントを使わないようにしよう。

そんな事を考えながら視線をロボット用の画面に戻す。


不意に、セキュリティというステータスに目が止まった。


セキュリティはレベル制で、1から10レベルまで存在し、デフォルトでは5レベルに設定されていた。そして、レベルの目盛りの下には、


【ロボットのセキュリティレベルが高いほど他者にロボットの支配権を奪われにくくなります】


という説明文。


ともすれば、ふーんと流してしまいそうな程何気なく書かれたその説明文に、俺の視線は釘付けになった。



奪われる可能性があるということは、逆に言えば奪いとる事も可能という訳で。


1つの仮説が脳裏をよぎる。

キャラメイクにポイントを投入するなんでもったいない、ロボットにポイントを大量に投入して強いロボットを作るべきだ。そう思っていた。

しかしそれは間違いだったのではないだろうか。


ひょっとするとこのポイント割り振り、ロボットにポイントを注ぎ込むのは不味いんじゃないだろうか。

ポイントはパイロットとしての技能修得に投資し、ロボットは人から奪うという選択肢が一番効率が良いんじゃないか?


そんな仮説が脳裏をよぎった。


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