表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神御伽  作者: 蒼条瀬奈
6/7

第四話

 兄の死から2時間。

 奇跡的に持ち歩いていたラジオから聞こえて来るのは、死神が、同胞たちが死んでいくニュースばかり。

 「こんなの……私が作りたいお話じゃないよ。おばあちゃんみたいなお話はないの。もうどこにも存在しない」

 



 その通りだ!!




 「……」




 貴様がこの町で最後の死神。死んでもらおうかね。




 「お断りよ」




 だったら連れて行くまでだ。おい!!






 突然、聞こえた男の声に応え、フードを被ったものが、ウィオラを捉える。

 そして、乗せられたら馬車に揺られ、アンダーデスの本部に連れて行かれた。




 ーーアンダーデス本部。


 「つれてきました。ボス」

 「お前のような少女が死神とは……世も末だな」 ウィオラは、ずっと下を向いて、ボスと呼ばれる人の方へ見向きもしなかった。

 「少女よ。お前は……何を考えている」

 「……死神の存在についてよ。私たちなんか存在しても意味があるのかと言うことよ」

 ボスと呼ばれた男は、ふむ……と考え始める。

 しかし、今の状態ではどうしようもできず

 「牢に閉じ込めておけ」

 と命令した。






 ガシャン……






 「……」

 ウィオラは、牢の中央に座り、先ほどと同じ事を考えていた。

 「ねぇ……看守さん。紙とペンある?」

 看守は、黙って、紙とペンを取り出し、ウィオラに渡す。受け取ったウィオラは、地べたに張り付き、ペンを走らせた。

 「あ、そうだ、どうせ私は死ぬんだし、最後にリィって女の子いたでしょ? あの子っとお話ししたいんだけど」

 と言うと、看守は、すぐさまリィを連れてきてくれた。頼んでから数分も立たずに。仕事熱心なのが早さへと繋がったのだろう。素晴らしい事である。

 「リィちゃん、数時間ぶりね」

 「うん。ごめんね……! お姉ちゃん!」

 「いいよ」

 リィとの会話を進めながら、ペンをどんどん走らせる。

 「さて、できたわ」

 看守を呼ぶと、四つ折りにした紙を渡し、ボスにい渡してくれと頼んだ。ゆっくり行くことも伝えて。

 看守はその場から立ち去り、リィと二人きりになる。

 「ね、リィちゃん。お願いがあるのよ」

 と、リィに向き直り、笑顔で話始める。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ