第四話
兄の死から2時間。
奇跡的に持ち歩いていたラジオから聞こえて来るのは、死神が、同胞たちが死んでいくニュースばかり。
「こんなの……私が作りたいお話じゃないよ。おばあちゃんみたいなお話はないの。もうどこにも存在しない」
その通りだ!!
「……」
貴様がこの町で最後の死神。死んでもらおうかね。
「お断りよ」
だったら連れて行くまでだ。おい!!
突然、聞こえた男の声に応え、フードを被ったものが、ウィオラを捉える。
そして、乗せられたら馬車に揺られ、アンダーデスの本部に連れて行かれた。
ーーアンダーデス本部。
「つれてきました。ボス」
「お前のような少女が死神とは……世も末だな」 ウィオラは、ずっと下を向いて、ボスと呼ばれる人の方へ見向きもしなかった。
「少女よ。お前は……何を考えている」
「……死神の存在についてよ。私たちなんか存在しても意味があるのかと言うことよ」
ボスと呼ばれた男は、ふむ……と考え始める。
しかし、今の状態ではどうしようもできず
「牢に閉じ込めておけ」
と命令した。
ガシャン……
「……」
ウィオラは、牢の中央に座り、先ほどと同じ事を考えていた。
「ねぇ……看守さん。紙とペンある?」
看守は、黙って、紙とペンを取り出し、ウィオラに渡す。受け取ったウィオラは、地べたに張り付き、ペンを走らせた。
「あ、そうだ、どうせ私は死ぬんだし、最後にリィって女の子いたでしょ? あの子っとお話ししたいんだけど」
と言うと、看守は、すぐさまリィを連れてきてくれた。頼んでから数分も立たずに。仕事熱心なのが早さへと繋がったのだろう。素晴らしい事である。
「リィちゃん、数時間ぶりね」
「うん。ごめんね……! お姉ちゃん!」
「いいよ」
リィとの会話を進めながら、ペンをどんどん走らせる。
「さて、できたわ」
看守を呼ぶと、四つ折りにした紙を渡し、ボスにい渡してくれと頼んだ。ゆっくり行くことも伝えて。
看守はその場から立ち去り、リィと二人きりになる。
「ね、リィちゃん。お願いがあるのよ」
と、リィに向き直り、笑顔で話始める。