第弐話
「はい!」
元気よく返事を返したウィオラは、ドアに近づき
「どなたです?」
と、相手を確認した。相手は
「此方に、小さな女の子が来ませんでした? ピンク色のツインテールで、そばかすがちょっとある女の子なんですけど……」
と、言われ、フッとリィの方を見る。
確かにピンク色のツインテールで、そばかすがちょっと目立つ。
「……いますけど」
と言うと
「あ、よかった……。私、その子の親なんです。昨日からリィを探してて……」
と返ってくる。それを聞いたウィオラはドアをあけ、両親と名乗る男女とリィを会わせた。
「ママ!! パパ!!」
そう叫びながら、二人の元に駆けていくリィを見て、内心ホッとするウィオラ。
「じゃ、帰ろうか」
「うん!! おねぇちゃん! ありがとう!」
両親らしき二人はペコリと挨拶をしてリィの手を引いて帰って行った。
何か怪しいと思ったウィオラは、三人を見送った後、ドアにもたれる。すると
『で、どうだった? 彼女』
『うん。でも、死神の素振りは見えなかった。自分の正体を隠すのがうまいんだね』
などと話すのが聞こえてきた。
「なるほど……殲滅機関……か。私たちを恐れた政府のバカどもが送り込んできたのか……」
その場に座り込み膝を抱え震え始める。
「……やだ……何震えてんだろ……バッカみたい」 その時、電話のコールが鳴り響いた。
ウィオラは、じっと電話を見つめる。
あれから、何分たっただろうか。
電話が鳴り止む気配がない。
「……」
じっと、鳴り響く電話を見て黙っているのもしんどくなったのか、それとも、早く電話機ぬ黙って欲しかったのか……ウィオラは、立ち上がり、電話機の前に立つ。
そして、おそるおそる受話器を取って耳に当て
「もしもし……」
と声を出す。
『よっ』
「ハロルド……」
その声の主は、同じ死神の血をもつ要はウィオラの同業者である。白い髪と青色の瞳を持ち、すごく、陽気で自分が死神である事以外どうでも良いと思っている。
『なんだよ!! めっちゃ暗いじゃん! ほらさ、いつものようにツンデレ。ツンデレ!』
私は、普段どんなツンデレに見えてるのよと言った顔をしても電話の相手には見えないので
「バカじゃないの?」
と対抗心を見せる。
『な、何、対抗心燃やしてんだよ!!』
「対抗……か。ハロルド、いいえ、同業者よ。本題に入るわ……奴らが来た!」
『待てその話はこれではまずい……そっちに行くがいいか?』
「ええ、おねがい」
この言葉を合図にハロルドは電話を切った。
そして、側にあったソファーに腰掛け、頭を抱えて、ハロルドが来るのを待った。