7 △前回までのあらすじ
【注意】本投稿は、電光で示された情報をまとめ、閲覧を容易にするために作成されたものです。
読み初めて間もない方が閲覧した場合、ネタバレになる可能性があるので、章タイトルを参考にして頂き、読み進めて頂いた部分のみの情報を閲覧していただくよう、推奨します。
△本話を投稿した意図
大分話しがごちゃついてきたのと、なろうとは別に読んでくれた人が「分かりにくすぎ」「複雑すぎる」と言っていたためです。
本話は、作中の発言や文章をピックアップ(参照元を明記の元、抜粋)し、その後に作者の解説を設け、電光のエルフライドの世界の流れを一から、それも大まかに説明し、より理解を深めてもらおうという趣旨のもと、作成しました。
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①
《作品内情報ピックアップ》
一万年前、この星には地球と似た文明があった。
そこへ、一機の宇宙船が太平洋に降り立った。
その衝撃で起こった津波で、沿岸部に住んでいた人類の六パーセントが死滅した。
何とか生き残った人々は宇宙船を調べ、その中にあったとある物を発見した。
【※110 第二十話 残酷な真実2/を参照】
《解説》
電光のエルフライドで出てきた宇宙船は、数万年前にやってきたモノと同じです。
その時は上記の通り、着水時の衝撃で津波が発生、沿岸部に住む人類の多くが死亡しました。
それじゃあ、今まで宇宙船はどこに隠れていたのかというと、海底にひっそりとその身を隠していました。
それが急浮上し、
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②
《作品内情報ピックアップ》
「〝エンケラドス〟それは、エルフライドの元となる異星人が操縦する人型兵器だ。それは成熟した地球人の体躯でも十分に乗り込めるものだったが、搭乗を行った者はオリジナルの深層領域に耐えきれず、即座に死亡した。その後人類は改良に改良を加え、遂に人がそれに乗り込めるようにした。しかし——」
それは子供にしか乗れないような代物だった。
人類はそれに子供を搭乗させ、兵器として運用させた。
【※110 第二十話 残酷な真実2/サラ・スワンティの独白/を参照】
《解説》
作中ではエルフライドについて、複数の情報が流れてきます。
例えば、一章では当初、シトネから「宇宙船の目的は——地球上のすべての脅威、つまり軍部を消し去った後。地球を居住可能な惑星へとテラフォーミングすることです」
という情報が主人公にもたらされました。しかし、それはシトネの、タガキ・フミヤを焚きつけるためのブラフであったわけです。
そういった複数の欺瞞情報が作中内で蔓延っているため、複数の電光の読者は混乱してしまったのだと思います。
実際は、二章後半のサラ・スワンティの言葉通りで、エルフライドは宇宙兵器であるものの、過去の人類によって、地球人向けに改良された結果生まれたものであることが判明しました。
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③
《作品内情報ピックアップ》
人類はそれに子供を搭乗させ、兵器として運用させた。
それを恐れたエルフライドを保有しない国家は核という大量破壊兵器を使って攻撃を開始。
各国が核を撃ち返し、世界は焦土と化した。
【※110 第二十話 残酷な真実2/サラ・スワンティの独白/を参照】
《解説》
サラ・スワンティの言葉通りで、過去の人類はエルフライドを運用し、対立を深めました。
結果、核戦争に発展し、人類社会は滅亡したわけです。
その過去の地球については、日本やアメリカのいる【現代】という認識を持っていてもらって構いません。
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④
《作品内情報ピックアップ》
宇宙船に逃れていたエルフライド乗りの子供だけがその難を逃れ、現代の文明の礎を作った。
それは人類史上唯一〝深層領域〟の十二階層を超えた二人、〝ジョージ・モルガン〟と〝サラ・スワンティ〟の主導によって行われた。
【※110 第二十話 残酷な真実2/サラ・スワンティの独白/を参照】
《解説》
人類史上、初めて深層領域の最深部に到達したモルガンやサラの働きかけにより、エルフライド乗りの子どもたちは宇宙船へと退避。
結果、その他の地表にいた人類はあえなく死滅しました。
その後、子どもたちは数百年にわたり宇宙船内で命の系譜(家族)をつなげていき、放射能の消えたクリーンな世界になった段階でモルガンやサラが外へと放出。再び人類を再興させようとしました。
因みに、電光のエルフライド一章で度々出てきた干からびたエイリアンとは、エルフライド内で亡くなった数万年前の子どもたちの姿です。
エルフライド操作自体は、モルガンが深層領域内にいるシンパに働きかけ、行わせていたことでした。
つまりは一章で世界中の軍部を恐怖のどん底に叩き落としたエルフライドたちは、深層領域内の亡霊たちによって操作されていた、ということですね。
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⑤
《作品内情報ピックアップ》
「そこまでは良かった。しかし、突然に〝モルガン〟が暴走し始めたのだ」
〝モルガン〟は〝ゾルクセス〟を創設し、嘘の歴史——〝教典〟に記された嘘の神話を後生の人類達、つまりは信者達に吹き込んだ。
【※110 第二十話 残酷な真実2/を参照】
《解説》
これは物語の根幹の部分です。例により、モルガンやサラといった高階層の者たちは深層領域を体感した者達への記憶改変を行えます。これにより、モルガンはゾルクセスという巨大宗教組織を作り上げたわけです。
しかし、それはもう一人の十二階層であるサラによって糾弾され、二人は対立を深めたわけです。
これによって、深層領域では〝協定〟が生まれ、それらが作用することによって、高階層の者でも好きに動けなくなりました。
記憶改変とは、記憶を弄りまわすのではなく、その者の人格を再構成することによって成功します。
どういうことかと言うと、人格を構成するのはその人間たちの持つ記憶たちであり、それらを深層領域内に存在する〝記憶の牢獄〟内に存在する様々な人間たちの記憶で切ってつなげたり、分断したりして改変するわけです。
分かりやすく言えば、プログラムのコードのようなものですが、制約上、それらを一から書き換えすることは出来ないので、コピー&ペーストして辻褄を合わせる……みたいなことです。
現在までの作中で言及はなく、今後もそうする予定はありませんが、シトネによって記憶の入れ替えなんてトリッキーな真似を行われたのは、こういった制約も左右しているというのを説明しておきます。
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⑥
《解説》
まあ、そんなこんなで、何度も人類は滅びながら興亡を繰り返し、現在の黒亜やナスタディアが存在する世界へと発展を遂げたというわけです。
この世界に核兵器なるものが存在しないのは、勝手に人類が滅びないよう、モルガンやサラが関与している結果であったりもします。
人類の興亡の歴史。これについて詳細を知りたい方は、【127 △黒亜皇国・歴史教科書】を読んでもらった方が早いと思います。
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⑦
《解説》
モルガンは深層領域内に存在する配下と、自身の最大限の能力を使って、宇宙船からエルフライドを放出しました。
因みにこれについては、サラも黙認していたりします。これくらい跳ねのけられなければ、数十年後にやってくる新たな宇宙勢力に対処などできませんから。
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⑧
《解説》
そうして勝利したのは全くのダークホース、電光中隊であったのです。
しかし――電光中隊には更なる複雑な謎が隠されていました。
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⑨
《解説》
それは、本来指揮をするはずだった、指揮官が元ニートのタガキ・フミヤに入れ替わっていたことです。
シトネ・キリ(本名ミシマ・アサヒ)は、かつて深層領域内で出会ったタガキ・フミヤ(十一歳くらいで、十二階層入りした幼子の姿)に恋をしていました。
だから、彼女はその記憶を頼りに、タガキ・タケミチ(シトネの父親)を通じて、タガキ・フミヤ指揮官にするなど、ぶっ飛んだムーブをかましたわけです。
何故こんな暴挙を行ったのか? それは、シトネ自身、自ら記憶改変を行い、記憶を混乱していたことも影響しています。
シトネは度重なる自身の過去の罪悪感と、現在の重責に苦しんでいました。よって、それを自身の記憶改変によって精神をまともに保っていたのです。
しかし、シトネも最後には責任を果たすつもりでした。電光の指揮官として、月光に勝利をし、吸収。その後は黒亜を平定し、新たなる世界秩序として、その力を遺憾なく発揮しようとしていました。
しかし、それが出来なかった。
彼女は、電光での日々を送り、その生活を捨てたくなくなかったのです。シトネは苦しみながらも、その生活を享受し、最愛のタガキ・フミヤの元、ただのシトネ・キリとして生活を送りました。
結果、モルガンやセノ・タネコの介入により、キノトイ・アネ(本名ベツガイ・サキ)が記憶を取り戻し、シトネを殺そうとしました。
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⑩
《解説》
作品を更にややこしくしている設定です。
⑧で示した通り、記憶改変はプログラムのコードのようなもので、しかし、制約上それらを一から書き換えすることは出来ないので、コピー&ペーストして辻褄を合わせる必要があります。
シトネは記憶の牢獄に存在する記憶を継ぎはぎしながら、月光から分捕った電光パイロットたちの記憶を改変しました。
その結果、記憶の入れ替えなどを行う必要があったのです。
これは、キノトイやベツガイだけではありません。
記憶の入れ替えが行われたのは下記の通りです。
ベツガイ・サキ(本名キド・ヒミカ)⇔キノトイ・アネ(本名ベツガイ・サキ)
リタ・ヒル(本名アブラヤ・セリ)⇔アブラヤ・セリ(イガ・テッカ)
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⑪
《解説》
これまたややこしい話ですが、タガキ・フミヤも人類史上、三人目に十二階層に到達した超天才です。
タガキ・フミヤ含むタガキ家は、ゾルクセスに所属していました。
フミヤは、戦士の適正を確かめる儀(エルフライドに乗って、深層領域を体感する行事)で、人格喪失を起こしました。
人格喪失とは、それまでの人格を全て失い、植物状態のような状態になることです。
ゾルクセスではこの状態になると、唯一神であるモルガンの不興を買ったとして、鼻つまみ者扱いされます。
フミヤの両親は一縷の望みをかけ、最先端医療を有するナスタディアへと向かいました。
すると、フミヤは治療することもなく、ナスタディア到着後に何故か復活。しかし、記憶が曖昧な様子で、フミヤの両親は誤魔化すようにナスタディアで暫くゾルクセスの目から隠れるため、生活をすることにしました。
すると、フミヤは高知能を発揮、遂にはナスタディア大学に飛び級で進学を果たします。
実は、フミヤが人格喪失をしたのは、十二階層に存在するタガキ・フミヤが影響を及ぼしていました。
十二階層のフミヤは、生身の自身くらいは好きに生かしてやろうと考えていたのです。しかし、その結果は、皮肉なことに自身が利用としたシトネの働きによって、泡と消えました。
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【まとめ】
さて、いかがだったでしょうか?
電光はいくつもの運命が交錯、そして不確定要素が絡み合うことにより、その物語を形成しています。
上記にあげた以外でも腐るほど設定はありますし、未だ伏線も多分に含まれています。
下記では伏線の一部を抜粋します。
・その他の電光のパイロット達の本当の出自(まだ明かされていない者たちの出自)
・クロダの本当の目的(フミヤとは別のことを何か考えていたのは匂わされていますが、まだ全容は明かされていません)
・フミヤの両親(その後)
・フルハタの目的(狂犬が何故フミヤを気に入ったのか?)
・月光の概要
・モルガンの本当の目的
・その他の国家達の動き
・ミシマ家、イガ家という
・クーリア地区誕生の秘密
・黒亜は何故〝皇国〟なのか? 王様はどうなったのか?
……等々、思いつく限りあげましたが、まだまだあると思います。
なんとか全てを回収できるようがんばりますので、これからも視聴願います。
YouTubeも電光の曲以外も更新を続けていますので、チェックしてみてください。
他にも質問があれば、感想欄で気軽に受け付けています。
それでは、また。




