火雷鳴る地吹雪の調査班 1-4
幹部1「ご令嬢、我々は・・・いや、私は利益を求める守銭奴ですが、蛮族に成り下がった覚えはありません」
隊長「!」
周りの幹部も大いに頷く
幹部1「恩義忠義を捨てて何が軍人でしょう。我々は獣ではありません。人間なのです」
幹部1「今は苦しいかも知れません。これがいつまで続くのかも分かりません。しかし、我々だって指を咥えて見てるわけではありません。ご令嬢の任務遂行のための助力を惜しみません」
隊長「・・・」
幹部1「ですので、今はどうか・・・どうか耐えていただきたい・・・!」
頭を下げる幹部たち。自分より位の高い将官が頭を下げている。周りの幹部も高級幹部ばかり。彼女はこれが何を意味するのか、よくわかっている
隊長「分かりました。全力で任務を遂行いたします!」
深々と頭を下げる
幹部1「よろしくお願いします」
〜〜会議後〜〜
――幹部陣営
幹部2「・・・全くもって、酷い話ですな」
幹部1「あぁ・・・国防軍の司令部も内心大慌てらしい」
幹部2「大公は相当お怒りでしょう」
幹部1「副官の武官曰く、いつも通りの表情らしい。ただ・・・覇気が凄いと」
幹部2「でしょうね・・・」
幹部3「司令」
幹部1「ん?」
幹部3「先程の守銭奴の件ですが・・・」
幹部1「あぁ、申し訳ない。遠征軍は誇り高い組織だ。そこの司令が自らを守銭奴なんて、不適切だな」
幹部3「いえ・・・「我々は」と言って欲しかったです」
幹部1「!」
幹部2「フフ・・・」
他の幹部も頷く
幹部3「守銭奴、人殺し、テロリスト・・・我々幹部はそのようなことを言われてきました。今更否定する気はありません」
幹部1「いや〜、ハハ・・・すまない」
――ロード陣営
スタスタ・・・
ファース「どうでしたか?」
隊長「・・・」
サード「難しい顔してるね・・・」
隊長「はぁ・・・全く、なんということだ」
〜〜説明中〜〜
ファース「それは本当ですか!?」
サード「酷い・・・」
セカンド「ろくでなし共め」
隊長「私は・・・彼を鍛える。私のために。彼のために。彼が・・・ずっと私のそばにいたいと思えるように。このワガママは・・・絶対に通す。すまないが、助けてはくれないか?」
ファース「愚問」
サード「うん!もちろん!」
セカンド「もちろんですお嬢様」
隊長「ありがとう」
セカンド「彼には、なんて言いましょう?」
隊長「いつも通り、隠し通す」
ファース「先程の話、他には?」
隊長「いや、言ってない。身内だけにしてくれと言われたのでな」
サード「酷いわ、彼はまた危険な目に・・・」
ファース「申し訳ありません、私が代われたら良いのですが・・・あなたの代わりでは弱すぎるし、彼の代わりではあなたの力を引き出せません」
隊長「またその話か、いい加減にしろ。何度言ったらわかるんだ」
ファース「申し訳ありません・・・」
隊長「それに、だ」
サード「2人きりになれる?」
隊長「あぁ・・・」フフ
サード「ふふふ、幸せそう」
隊長「戦場で幸せを感じるとは・・・あるまじき行為だな」
ファース「ですが、そのおかげであなたは非常に強くなられます」
サード「愛、だねぇ。告白したら?」
隊長「彼に言ってもらう」
サード「じれったいね」
セカンド「お二人の掛け合いは、いつ見ても飽きません」
ファース「ご令嬢に迫られてもハッキリしない彼も彼です。尻を蹴り上げましょうか?」
隊長「ふふふ、よしてくれ。また怯えてしまう」
ファース「しかし・・・彼も意気地がないですねぇ」
隊長「それもまた面白い」