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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第2章 中学1年生2学期編
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第96話 授業中の謎!

ある日の放課後、私の元に1人の生徒がやってきた。


水野真理である。


「先生、ここにメッセージを綴って頂けませんか。明日転校する中村裕太君のためにみんなで想いを綴ろうと思いまして。」


彼女から渡された色紙には、3組たちから裕太への想いがびっしりと書かれている。


「あまり話すことはなかったけど、同じクラスで過ごせて本当によかったと思っています。

クラスの中では静かなほうだったかもしれないけど、中村君がいると、場の空気が落ち着いて、とても心地よかったです。

私は、そういう空気を作れる人ってすごく素敵だと思うし、実はうらやましいとも思っていました。

新しい学校に行っても、無理に明るくしようとしなくて大丈夫。今のままで、きっと大丈夫です。

ゆっくり、自分のペースで前に進んでいってください。これからのあなたの毎日が、あたたかく穏やかでありますように。ずっと応援しています。 


水野真理」


「実は、もっとたくさん話してみたかったなって、今になって思っています。

中村君はいつも静かで、自分から前に出るタイプではなかったけど、ふとしたときに見せる表情や、誰かにやさしくしている姿がとても印象的でした。

そういうところを見て、「この人ってすごくやさしいんだな」って思っていました。

たとえ会話が多くなかったとしても、一緒に過ごした時間にはちゃんと意味があったと思うし、私はそれを大切な思い出として覚えています。

新しい学校では、最初は緊張するかもしれないけど、無理して自分を変える必要はないのではないかと思います。私もそういうの得意じゃないし。

そのままのあなたで、ゆっくり歩いていってください。

離れても、あなたのことを応援しています。またどこかで会えたら、その時は今度こそたくさん話そうね!


早乙女梨華」


「え…本当に転校しちゃうの!?

さみしすぎて、今日の給食の味がよくわからなかったよ(笑)

でも、なかむーなら新しい学校でもすぐ人気者になって、あっという間に友達100人できるんでしょ?わかってるって。

今までいろいろあったけど、一緒に過ごせて本当に楽しかった。ありがとう!

離れても、ずっと友達だぞ!絶対に連絡してこいよ!

いつかまた会って、今度は一緒に新しい思い出作ろう!


よっしーより」


生徒たちのメッセージの一部が視界に映る。そして、私はすぐに理解した。


「この前の授業中そわそわしてたのはこれだったのね...授業をちゃんと聞いて欲しいという気持ちもあるけど、中村君と教え子たちが過ごせる時間はあと僅かだし、今回は多めに見るか。」

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