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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第2章 中学1年生2学期編
86/136

第86話 前夜祭の幕開け

 いよいよ、文化祭前日。


今日、学校では前夜祭が行われる。


本校始まって以来の伝統、通称森浜祭しんばさいの打ち上げだ。


「それでは、まず、生徒会長挨拶。田辺蒼真(そうま)生徒会長よろしくお願いします。」


生徒会長が壇上に立つと歓声が沸き起こる。


スタイル抜群で、容姿端麗。まさに、モテる男を体現したような存在だ。


「こんばんは。皆様、楽しんでますかー?」


「ウォー!!!」


生徒会長の呼びかけに元気よく答える学校中の生徒たち。


「前夜祭へようこそお越しくださいました。


まず、ここまで準備を頑張ってきた各クラス・部活動・有志の皆さん、本当にお疲れさまです。そして、支えてくださった先生方や保護者の皆さまにも、心から感謝申し上げます。


今年の文化祭のテーマは「未来へつなぐ、一人ひとりの光」です。


このテーマには、私たち一人ひとりが自分の個性や力を思いっきり表現して、全力で楽しもう!という思いが込められています。


前夜祭は、その文化祭のスタートを飾る大切な時間です。明日をもっと最高の一日にするためにも、今夜は思いっきり盛り上がりましょう!


仲間と笑い合いながら、照れながらでも一歩を踏み出す——そんな瞬間が、きっと一生の思い出になるはずです。


それでは、文化祭前夜祭、スタートです!!」


会場は拍手の嵐に包まれた。


金子沙織が田辺日和を指でつつく。


「ねぇねぇ、田辺ってさ?」


「うん、私のお兄ちゃんだよ。」


沙織の問いかけに即答する日和。


「やっぱり。日和とは全然違うね。」


「何よ。私が根暗だとでも言いたいわけ?」


「いや、そんなんじゃないけど、兄妹でも全然性格違うんだなって。」


そう、生徒会長の田辺蒼真は日和の実の兄であった。


学業優秀、運動神経抜群の彼に彼女は憧れを持っていた。


「続いて、校長先生の挨拶です。松山先生、お願いします。」


既に学校の事実上の決定権は2組担当の丸山望が握っていたが、形式上であれ校長は松山由里だった。


「皆さん、こんばんは。

校長の松山です。


本日は、文化祭の前夜祭にこれだけたくさんの生徒の皆さん、先生方、そして関係者の皆さまが集まってくださり、大変うれしく思います。


文化祭は、日々の学習や活動の成果を発表し、互いに認め合い、楽しむ大切な行事です。そしてこの前夜祭は、文化祭の幕開けを飾る特別な時間です。


準備に関わってきた皆さん、それぞれのクラスや部活動、有志の発表など、どれも力が込められていて、とても楽しみにしています。


今夜は、仲間の頑張りを応援し、自分たちの力を信じ、思いきり楽しんでください。


そして、明日の本番では、一人ひとりが主役です。自分らしく輝ける文化祭になることを、心から願っています。


それでは前夜祭、スタートです。

楽しいひとときをお過ごしください。」


松山校長が話し終えると再び会場から拍手が沸き起こる。


最も、この退屈な話を真剣に聞いていた生徒は少なかったが。


そして、文化祭のロゴやシンボルがライトアップされる。


いよいよ、前夜祭のメインイベントの始まりだ!


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