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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
60/140

第60話 教え子たちの反逆

「私に、考えがあるんだ...」


クラスの視線が侑李に集中する。


「どんな考えだよ。」と裕也。


「今から言うけどさ、みんな、私の秘密知っても引かないでくれる?」


クラスメートたちは良く分からないまま頷く。


彼女は黙って服の袖を捲った。無数の傷が視界に入る。これが彼女が抱えている闇...


1年3組の生徒たちは、作戦通り放課後校長室の前に集まった。園崎先生が校長からパワハラを受けているところを、佐紀が録音する。ふと後ろから足音がした。


振り向くと、今泉教頭がそこに立っている。


「君たち、何をしてる?もう帰る時間ではないのかね?」


「教頭先生、お言葉ですが、そんなことを言っている場合ではありません。私たちの担任の園崎先生はパワハラを受けています。」と真理。


今泉教頭は余裕のある表情で校長室に入ると校長と凛を呼び出した。


「松山校長、今何をしてらしたのですか?」


「園崎先生と、仕事のことについて話し合っていたのですよ。」


「だそうだ。松山校長のような人格者がパワハラなんてことはしませんよ。君たちも早く帰りたまえ。」


まるで打ち合せたかのような会話である。


「けど、私は教頭先生にセクハラされましたよ。生徒に猥褻なことをするなんて、酷すぎ、酷すぎます...」


小林侑李が泣き出す。むろんこれは渾身の演技である。


「彼女、あんたのせいで心にも身体にも深い傷を負ったのよ。あなたは、これを見ても何も思わないの?」


真美が侑李の服の袖を捲って腕の傷を見せる。


「言いがかりだ。私はそんなことはしていない。」


「言いがかりか言いがかりじゃないかなんて知るかよ。校長が園崎先生にパワハラをした証拠はここにあんだよボケが。」


牛島佐紀がカメラの録音を流す。


「実習生の原田を殺した園崎先生、あなたもそろそろ死んでくれませんかね。」


「無能な教師に、生きている価値はない。」


「クラスをまとめられないあなたはゴミ以下。障碍者だとしか思えない。」


佐紀が勝ち誇ったように言った。


「これ、誰がどう聞いても暴言でしかないですよね?」


「良く言った!」


「さすが佐紀!」


普段嫌われ者の彼女に向かってクラスのみんなが拍手を送る。


「私はいつでもこれを警察に突き出せる。訴えられなくなかったら今後はパワハラなんてしないことね。」


佐紀がそう言った瞬間、今泉教頭が彼女の首元を強く掴んだ。


「子ども風情が。調子に乗るなよ。」


その時、カメラのシャッターを切る音がした。


「教頭が、生徒に乱暴、ね...ありえない。」


カメラを手にした1年2組担当教師、丸山望の姿がそこにあった。


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