表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
59/137

第59話 担任救出作戦会議

その時、金子沙織が声を上げた。


「園崎先生は、ずっとあたしたちに寄り添ってきてくれた。いじめをするよな悪い子のあたしの話もちゃんと聞いてくれたし、先生がいなければ佐紀だって天使エンジェルや侑李との勝負を許可して貰えなかった。」


「何それ。知ったかのようなこと言って。バカみたい。私はあんたのことが未だに大嫌いよ。でも、確かにそうね。」と侑李。


「まずは先生の身に何が起こったか知ろうぜ。俺たちが放課後残ってても注意にすら来ないなんてやっぱおかしいよ。」と吉田健太郎。


「でも、全員で様子を見に行くわけにはいかないわ。2人くらいがちょうど良いんじゃないかしら。」と真理。


「それならジャンケンで決めようよ。」と天使。


「最初はグー、ジャンケンポン!あいこで、しょ!あいこで、しょ!」


何十回もジャンケンをして、やっと2人の生徒が勝ち残った。


山川裕也と小林侑李である。他の生徒には急いで帰宅してもらって2人は、園崎先生を探した。


途中彼らのことを不審に思った教員何人かから声をかけられたが、裕也は「部活の休憩中っす」と言い訳をした。


校舎の中は大体見終わった。残るところは校長室だけ。2人は恐る恐る校長室のドアの前に近づき耳を傾けた。


「園崎先生、あなたそろそろ死んでくれないかな。いつまでも今泉に身体を明け渡してないでさ。」


松山由里校長の苛立った声が聞こえる。


「おい、聞いたか。」、裕也が侑李に話しかける。


「うん、パワハラっぽいね。」


その時、廊下を歩く足音が近づいてきた。


慌てて廊下端の隙間に隠れる2人。


「ちょっ、山川君、近い...」


「仕方ねーだろ。そんなことより、見ろ。今泉教頭だ。」


教頭が静かに校長室のドアを開ける。


「園崎先生、今晩も俺と楽しいひと時を過ごそう。あなたの身体はもう俺のものだから。」


「うわきっも。セクハラかよ。」、裕也が思わず呟く。


翌日の朝読書の時間、裕也は再びクラス全員にノートの端を破ったメモを渡した。


「園崎先生は校長と教頭からパワハラやセクハラを受けている。俺は先生を助けたい。先生はこんな俺の話も親身になって聞いてくれたしな。みんな、今日の放課後も集まってくれないか、頼む。」


放課後、裕也のもとに保健室登校の中村裕太を除くクラス全員が集まった。裕也と侑李は昨日あったことを話す。


「校長と教頭キモくない?」


「ああ、悪意しか感じねーな。人間性を疑うぜ。」


「同じ女として許せない。」


クラスメートたちが口々に思いを言う。


「どうにかしたいよね。担任はずっと園崎先生が良い。」


「けどよ、どうにかする方法はあるのか?俺ら子どもだぜ、大人の力に逆らえんのか?」


その時、小林侑李が手を挙げた。


「私に、考えがあるんだ...」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ