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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
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第50話 女子トイレ盗撮事件

無事和解を終えた真美と侑李の2人は前のように一緒に過ごすことが多くなった。


学校終わりに、2人でトイレに入るとそこには牛島佐紀たちの姿があった。


「何よ、あんたたち、また真美をいじめようっての?」


侑李が震えながら身構える。


佐紀は意外にも穏やかに、そして、静かに言った。


「そうじゃなくて、あれ...」


彼女が指をさした天井には小型カメラのようなものが見える。


「カメラみたいに見えるけど...」


「だよねー。念のため先生に言っとくか。」


凛は佐紀から報告を受け、例の物体を回収した。校長に事情を説明する。


「こんな悪質なものを一体誰が...」、校長が顔を歪める。


結局その物体は警察に提出された。


現教頭の松田博人が性的姿態撮影等処罰法における撮影罪により逮捕されたのは約3日後のこと。


「この学校はどうなっているんだ。教頭がそんなことをするなんて信じられない。」


「うちの娘をどうしてくれるんだ。」


保護者からは苦情が殺到。生徒たちもただならぬ様子だった。男子たちはその件が気になり騒ぎ立てている。


「ちょっと。女子全員集まって。」


休み時間に佐紀がクラスに呼び掛ける。


「盗撮なんてありえない。この学校どうかしてるわ。」


「そうよそうよ。」


「あの教頭先生、良い人だと信じてたのに、とんだ食わせ物ね。」


佐紀の言葉に多くが同情する。今までに見たこともないほどの団結力を示す女子たち。


「よりによってこんな時に...できればもっと良い出来事ができた時に団結して欲しかったな。」


高望みだとは思いつつも、凛はそのような感情を抱いていた。


松田元教頭は当然ながら解雇され、立花校長は責任を取る形で辞任。浜森中学校は大混乱に陥った。


数日後、新たな校長と教頭が派遣された。


扉を開けて入室してきた彼らの方向を見て教員たちは驚きの声をあげた。


「今泉校長!」


以前何らかの理由で浜森を去った今泉宗太郎の姿がそこにあった。


「いやぁ、どうもみなさんお久しぶり。でも、私は今度は教頭だからね。校長を務めれれるのはこちらにいらっしゃる松山由里先生。」


「ただいま紹介をして頂きました松山由里ですどうぞよろしく。」


アラフィフくらいの年齢に見える彼女は不気味な笑みを浮かべた。


「私の方針は、基本的には教頭先生と同じです。立花前校長のおかげで、伝統と格式を重んじるこの浜森は、甘やかされた生徒を育成する機関に成り下がってしまった。私が校長になったからには、責任を持ってこの学校を立て直します。」

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