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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
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第47話 初の体育祭

中学校初の体育祭は各クラス大いに盛り上がっていた。


1年3組では、普段の授業は全くと言って良いほど聞く耳を持たない生徒の活躍が目立った。


山川裕也を中心としたスポーツ少年の活躍によって、男子サッカーは全戦全勝だった。


多くのクラスメートが、彼のことを見直すきっかけになった。


そして、女子サッカー。この時から流れが変わった。


真理と天使エンジェルだけは頑張っているものの、他の生徒はまるで一体感がない。


そして、浅野真美と小林侑李はお互いのパスを無視し続けた。


女子サッカーが全戦全敗で試合を終えた後、山川裕也は思わず叫んだ。


「浅野さんと、小林さん、お前ら、何やってんだよ。さすがに酷すぎる...」


好きな子に向かってこんなことを言うのは辛かったが、裕也はスポーツ少年としての偽らざる本音をぶつけた。


多くのクラスメートも彼の言ったことに同情した。


「何よ。あんたには関係ないでしょ。」と侑李。


「そうよ。余計なこと言わないで。」と真美。


似たような問題は男子バスケでも起こった。植松博と森本猛は本番の試合でも不仲を貫いていた。


「博、俺がシュートを決めるからだけよ。」


「俺の方がお前より上手い。お前こそじゃまだ。」


そんなやり取りが何度も繰り返された。


結果は1勝2敗。1人1人の運動神経は悪くないが、チームとしての団結力の無さがこの結果に結びついた。


続いて女子バスケ。こちらは水野真理の頑張りにより2勝1敗という結果に終わった。


最後に、全員参加のドッジボール。この時に事件が起こった。


強いボールが飛んできた瞬間を見計らって牛島佐紀が小林侑李に足を引っかけたのだ。教員たちも気づかない絶妙のタイミング。目撃者は近くにいた生徒だけに絞られた。


ボールは侑李の鳩尾の辺りに直撃した。


「ふっ。好い気味(いいきみ)ね。」、佐紀が心の中で綻ぶ。


蹲る侑李のもとに裕也が駆け寄る。


「おい、大丈夫かよ?」


「うん、平気。だいじょ...」


彼女はそう言って立ち上がろうとして再び苦しそうに呻き声をあげた。


「先生、俺、彼女を保健室に連れてきます。」


裕也はそう言うと侑李を腕の中に抱えて保健室に向かった。山川裕也という重要な戦力を失った3組は、クラス対抗ドッジボールにおいても全廃と言う結果に終わった。


その頃、保健室では保健の柳先生が侑李の容態を見ていた。


「骨が折れている可能性があるわね。病院で診てもらうことにするわ。」


「ありがとうございます。」、裕也は柳先生に深々と頭を下げた。

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