表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
41/136

第41話 キラキラネームの功罪

 小林侑李が女子トイレに入ると複数人の人影に囲まれた。


牛島佐紀、宮島桜、如月真由、荻原まどか、横山光里、井上美月、遠藤花実の姿がそこにある。


「何よあんたたち?」、侑李はあくまでも強気な姿勢を示す。


「良いねぇ、その強気な態度、嫌いじゃないよ。けど、いつまでその威勢が持つかしらね。あんたたち、この女を取り押さえなさい。」


牛島佐紀の命令で彼女の取り巻きが一斉に侑李に襲い掛かる。


侑李は1人で宮島桜、横山光里、井上美月、遠藤花実の4人を放り投げた。


しかし、如月真由と荻原まどかの2人に身体を抑えられる。


身動きが取れない侑李の前に佐紀がゆっくり近づく。


「やっぱ結構可愛いね、あんたって。小林侑李さん...」


「は?何よ急に」


「私、可愛い子をいじめるのが好きなのよね。」


佐紀が侑李の首を絞める。


侑李が顔を歪めるのを見て、嬉しそうに微笑む佐紀。


佐紀が突如手元を緩める。


解放された侑李はその場に倒れ込み咳き込む。


「あんたたち、正気、こんなことしてどうなるかわかってんの?」


「このくらいまだ序の口よ。本番はここから。」


佐紀、真由、まどかの3人が侑李にゆっくりと近づいてくる。


「ちょっ。もうやめてよ。」


その時、聞き覚えのある声がした。


「やめなよ。嫌がってんじゃん。」


声の方を見ると、杉田天使(エンジェル)がそこに立っている。


天使エンジェル?あんたみたいな名前の奴がでしゃばるんじゃないよ。」


佐紀が、天使に殴りかかる。


しかし、なんと天使は彼女の拳を片手で受け止めた。


そして、軽々と佐紀を放り投げる。


「キラキラネームの癖に生意気よ。」


「そうよ。そのキモイ名前で偉そうにするんじゃねー。」


佐紀がやられてのを見て、真由とまどかが天使に襲い掛かる。


天使は彼女たちをも軽々と放り投げた。


そして、倒れている侑李に手を差し伸べる。


「あ、ありがと。」


侑李は彼女の手を取って起き上がる。


「なら良かった。」、天使はそう言うと爽やかに立ち去った。


「格好良い...」、天使に助けられた侑李は素直にそう思った。そして、彼女のことをもっと知りたくなった。


杉田天使...


彼女はこの名前のせいで幼少期からいじめられたり、仲間外れにされたりすることが多かった。


そんな彼女は、自ずと自分の身を守る術を身に付けてきたのである。


勉強ができなくても、運動では負けない。


名前が変わっていたとしても、身体が強ければ、いじめられることはないのだ。


天使は自分の名前が好きではないが、この名前に感謝はしている。


この名前が付いていたおかげで、強くなることができたのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ