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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
39/136

第39話 教師同士の恋愛!?

 園崎凛には、好きな男がいる。1年4組担任の鈴木林太郎。


背が高くイケメンで、優秀な教師だ。温厚で他人の気持ちを汲み取れる優しい性格の持ち主。


凛が忙しそうにしていると、事務作業を手伝ってくれることもしばしばだ。


今、凛と林太郎は居酒屋の席についている。


生徒の前で恋愛事情を見せるわけにはいかないが、教師だって人間である。


恋をしたいと思うのは当たり前の話だ。


凛はついつい日頃の疲れから酒を泥酔するほど飲んで、クラスの愚痴を林太郎にぶつけた。


「1年3組は1人1人はとっても良い子たちなんですが、何というか、団結力がないというか、一体感がないんですよね。この前も体育祭に出たい種目を決めてる時に揉めて...」


そう、あれは数日前の話。もうすぐ行われるクラスマッチに参加する種目を決めるときの話である。


「みんな、頑張ろうぜ!優勝は俺たちのもんだ。お前ら死ぬ気で頑張ろうぜ、絶対勝つぞー!」


勉強のことにはほとんど興味を示さなかった山川裕也が急に張り切って叫んだ。


どんな分野であれ、情熱を取り組むのは素晴らしいことだ。しかし、この発言が一定の生徒の地雷を踏むことになる。


「あんたは運動神経抜群だから良いかもしれないけどね、私みたいに運動苦手な子にとっては結構苦痛なのよこの行事。そういう子たちに対しても死ぬ気で頑張れっていうのが残酷なことだって分からない?」


山田春奈が反発する。


「何が残酷なんだよ?自分なりに出せる力を出し切れって言ってんだよ。」


「じゃあ、想像してみると良いわ。このクラスマッチの種目が全部勉強だったらあんたは全力を尽くせるの?」


「それは...」


春奈の鋭い詰問に言葉を詰まらせる裕也。


そして、吐き捨てるように言った。


「スポーツの良さが分からない奴には、何を言っても無駄だ。」


「何よその言い方。そっちこそ運動できない子の気持ちなんて微塵も分からないくせに。」


それからというもの、クラスの派閥が真っ二つに分かれてしまったのだ。


運動が得意な子と、そうでない子。


「もう私どうすれば良いのか分かんないよー。相変わらず私の言うことは聞いてくれないし、もうやんなっちゃう...」


凛はそのまま酔眠してしまった。


林太郎は黙って静かに凛の寝顔を見つめる。綺麗な寝顔だ。教員として一生懸命働いている真っすぐな瞳の彼女も可愛いけれど、今こうして無防備に眠ってしまっている彼女も堪らなく可愛い。凛は林太郎の想いに全く気づいていないのだった。

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