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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
34/136

第34話 校長追放!

「今泉校長、あなたの今の発言、誰がどう見てもパワハラですよ。」


立花が勝ち誇ったような表情で録音した音声を流す。


「これだから最近の若い女は。この不良品が!」

「園崎先生...あと3日、あと3日で中村裕太君を学校に来させることができなければ、その時は、分かってますね?校長の権力さえあれば、平の教員を潰すなど赤子の手を捻るようなものなのです。」


ゆっくりと煽るかのように校長を見つめる立花。


「これらの脅迫じみた発言に加え、教員に対する暴行...これはパワハラ以外の何物でもありません。この音声を警察に提出すれば、あなたは社会的に抹殺されることになる。それが嫌なら、責任を取るという形で校長を辞任なさい。」


「立花...貴様。覚えてろよ。」


今泉は憎たらしそうな目で立花を見つめるとその場をあとにした。


「あなた、大丈夫?」


立花が凛に声をかける。


「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」


「あんなパワハラ上司が職場にいたら嫌よねぇ。全く、この学校の組織体系はどうかしてる。園崎先生...」


「はい。」


「学校の教員は社会を知らない人が多い。狭い村の中で生きてきて、周りが見えない人が多いのよ。それはまさに井の中の蛙。この学校の組織体系もずっと古いまま。私は一般企業で働いていたこともあってね、教員の感覚が世間とはズレていることも多いと感じるのよ。だから、私がこの腐った組織体系をゼロから立て直そうと思うの。」


凛は黙って立花を見つめる。彼女の瞳は何らかの覚悟を決めたかのように、とても真っすぐだった。


翌日、今泉校長の辞任は職員室中で話題になった。


「今泉校長が辞任されたそうですよ。」

「あんなに固い信念を持ったお方が辞任するかね。何か裏があるのでは?」

「まあいいじゃないか。これで我々が労働力として酷使されることもないんだ。」


その時、職員室のドアが勢い良く開いた。


「立花教頭?」


「私は、今は教頭ではありません。浜森中学校第33代校長の立花直子です。」


教員たちの視線が彼女の方に集中する。


「今泉校長は、自身の罪、パワハラの責任を取って辞任されました。今日から本校の校長となったこの私が、現在の腐った学校体系を立て直し、この浜森を更に良い中学校へと導いていきます。どうぞよろしく。」


「パワハラ?あの今泉校長が?」

「信じられん。」

「今泉校長は立花教頭に嵌められたんじゃないか?」


職員室は1日中この話題で持ちきりだった。




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