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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
33/137

第33話 盗聴計画!

「今泉の野郎は不登校否定派の老害、あんなのが校長とかどうかしてる。」


教頭立花直子は心の中で呟く。この前の件で、今泉校長とは絶対に分かり合えないと確信した。


考え方が古臭くて、自分の考えを絶対視するところが嫌いだ。


「あいつがこの世にいる限りこの学校はちっとも良い方向に進まない。交通事故に遭ったり病気になったりしてくれたら話は違うのに...」


その時、立花の心の中に素晴らしいアイディアが思い浮かんだ。


「偶発的にあの老害校長がいなくなってくれないなら、人為的に亡き者にしてしまえば良いんだ!」


立花は、作為的に校長の今泉を消す方法を考えたのである。


それも物理的にではなく、社会的に、である。


「あの老害校長のことである、パワハラの1つや2つくらいしていても不思議ではない。校長室に盗聴器を仕掛けよう。」


彼女は誰もいなくなった静かな放課後、校長室に盗聴器を仕掛けた。


数日後にそれを回収して、彼女は驚きと共に歓喜を覚えた。


校長の今泉は、1つや2つというレベルではなく、毎日のようにパワハラと受け取られかねない発言を繰り返していた。


「これはしめた!」、と彼女は思った。校長室に防犯カメラや盗聴器の類がなかったことが幸いした。


中でも特に今泉がハラスメントのターゲットにしている人物、それが1年3組担任の園崎凛。


今泉は彼女に対して、毎日のように罵詈雑言を浴びせていた。


そんなある日、立花に今泉を失脚させる大チャンスが訪れる。


今泉が職員室から凛を呼び出したところを目撃した立花は、校長室の前にスタンバイした。ドアのギリギリまで近づいてスマフォの録音アプリを起動する。


「園崎先生、中村裕太君はまだ登校されていないようですね。」


「はい。大変申し訳ありません。」


「これだから最近の若い女は。この不良品が!」


今泉は凛の身体を蹴飛ばした。凛が後方によろめく。


立花は興奮する気持ちを必死に抑えた。


「今のは言い逃れできない行動だわ。あの老害校長を失脚させれば、学校は私の思い通り。校長として実権を握り、この古くて腐りきった学校体系をゼロから革新する。」


今泉が凛の耳元で静かに囁く。


「園崎先生...あと3日、あと3日で中村裕太君を学校に来させることができなければ、その時は、分かってますね?校長の権力さえあれば、平の教員を潰すなど赤子の手を捻るようなものなのです。」


その時、校長室のドアが勢い良く開いた。


教頭の立花がスマフォを高々と手にしている。



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