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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
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第27話 前期中間テスト

ついに、浜森中学校では前期中間テストが始まった。


1年3組は、普段の様子から、テストの成績を特に心配されているクラスである。


この日の受験科目は、数学、国語、そして理科である。


凛は、1時間目のテストの時間に教室に入ると、数学の問題用紙及び解答用紙を配布した。


教員は、自分の専門教科以外の試験管を任せられることになっていた。


その方が、他の教科に取り組む時のテストの様子を知ることができるから。


凛は、事前に全教科のテストの問題を生徒と同じように解いてみていた。中学1年生の最初のテストなので、かなり簡単ではないものの、やはり自分の専門科目以外で満点を取ることはできなかった。


もっと他の教科のことも勉強しなきゃ、と彼女は思った。


テストの時間に大声をあげて騒ぎ出したりする生徒はさすがにいなかったが、ほとんどの生徒は問題用紙を目の前にして熟睡していた。


普段から真面目に勉強していないのだから、問題文の意味が理解できなくて当然と言えば当然なのだが。


そんな中、水野真理が懸命に問題に取り組んでいる姿が視界の端に映る。


彼女は、このクラスの中ではリーダー的存在で、真面目で、しっかり者、いわばこのクラスの期待の星である。


凛が意外に思ったのは、及川春斗という生徒。彼は普段はあまり目立つタイプではなく、授業中も静かに寝ていることが多い。


そんな彼は、数学のテストを目の前にすると、まずは問題用紙を最初から最後まで一気に読み切った。


そして、物凄い勢いで解答用紙に答えを書き始めたのである。


春斗が数学が得意だと、凛はこの時に初めて知った。


生徒たちがテストを受け終わって帰宅する頃、教師たちはテストの採点作業に取り組む。


凛も国語のテストの採点をしていた。


案の定、白紙の生徒が多い。


「今回のテストはかなり優しめに作ったのに...他の教科も思いやられるわ」、と彼女は思った。


1桁台の点数が多い中、たまに50点や60点の答案用紙にあたると、とても嬉しく思うのだった。そんななか、ひと際目を見張った点数の生徒がいた。


97点を取った水野真理。恐らく彼女が国語ではこのクラスの最高得点になるだろう。


普段から真面目に授業に取り組み、課題提出率も100%の彼女は、恐らく他の教科でも高得点を取得しているだろう。すべての採点を終え、凛が平均点を計算すると、なんとたったの32点であった。


「32点!?私は、平均点が70点くらいになるようにと思って作ったのに...」


凛は頭を抱えた。

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