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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第1章 中学1年生1学期編
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第2話 学級委員長

何はともあれ、担任になった以上はこのクラスを3年間責任を持って受けもたなければならない。


私は騒々しいクラスの中で声を張り上げ、学級委員長の候補を募った。


意外にも学級委員長はすぐに決まった。


水野真理が自ら立候補したのだ。


彼女が学級委員長になることに異論はなかった。


凛としても彼女のような模範的な優等生がクラスをまとめる立場になることはありがたく思えた。


だが、彼女の力をもってしてもクラスをまとめることはできなかった。


朝の会では誰も凛の話を聞いていないし、クラスの人間関係にも複雑な亀裂が入った。


ある日、真理が凛にとある報告をしにきた。


それは、クラスの中でいじめが発生したというものだった。


彼女の言葉に耳を傾ける。


「クラスの女子たちが、田辺日和さんをいじめてるんです。私が彼女たちに注意はしておきましたが、どの程度の効力があるのかは分かりません。園崎先生も彼女のことを良く見ておいてくれるとありがたいです。」


「全く、クラス内でのいじめにも生徒に指摘されるまで気づかないなんて... これじゃあどっちが教師が分からないな」と凛は心の中で思いながら、凛は真剣な表情を浮かべた。


いじめは、決してあって良いことではない。


田辺日和はクラスの中でも大人しくて目立たない印象の生徒。


1人で本を読んでいることが多い。


そんな彼女をいじめた主なメンバーは、金子沙織を中心としたグループだということだ。


金子沙織、かなり尖っていて何を考えているのかわからない生徒、彼女は凛にとってはそんな印象だった。


とりあえず、彼女の取り巻きについてももう一度確認しておくとしよう。


まずは小山ありさ。彼女は何をするにも気怠そうな表情をしている。


そして、浅野真美。彼女は1年3組の中ではかなり素行が良い方で、教師に対して反抗するようなこともない。普段の彼女を見ていると、とてもいじめに加担するような性格には思えなかった。


次に、小林侑李。彼女は授業中基本寝てばかりいる。他のクラスメイトが騒がしいため、彼女の行動は比較的目立たずに済んでいるが、授業を1ミリも聞こうとしない彼女の態度には目に余るものがある。


そして、最後に斎藤るな。彼女は日本人とフィリピン人のハーフ。スタイルの良さはクラスの中でも群を抜いている。


彼女たちのことを思い浮かべながら、凛はふと思った。


「私、まだ彼女たちのことを何も知らない。」


荒れたクラスをどうにかしようと精一杯で、個々人の内部まで見ている余裕がなかった。


でも、と心に誓う。


私はこのクラスの担任、どんな大変なことがあろうとも、必ずクラスメート40人と3年間で信頼関係を築いてみせる。



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