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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第3章 中学1年生3学期編
133/142

第133話 女同士の口喧嘩!

「落ち着いて何てられないよ。美少女お2人さんは私の気持ちなんてどうせ分からない癖に...」


そう叫んだ時、山田春奈は半泣きだった。


「ちっ。泣けば何とかなると思ってるんじゃないわよ。」、るなは心の中でそう呟きながらもある種の優越感に浸っていた。なぜなら、彼女自身が山田春奈という女に比べて確実に可愛いという絶対的な自信があったから。


けれど、そんな彼女の内心の本音を、侑李は見事に見抜いていた。


「るな、あんた世界で一番可愛いのは自分だとでも思ってんでしょ。言っとくけど、私は前の件も許したわけじゃないから。」


そう言って、彼女を睨みつける。侑李も、自分がるなより可愛いと思いたかったのだ。


「良いねぇ。それでこそ尖ってる時の侑李。あんたには可愛くてお淑やかな性格は似合わないわ。っていうか、あんたこそ、私より自分の方が可愛いっていう自信があるんでしょ。調子に乗らないでよね。」


るなも負けじと侑李を睨みつける。


「春奈はどう思う?」


2人の声が揃う。


「私は、その、2人ともとっても可愛いと思うよ。」


彼女は悪く言えば無難な、良く言えば正直に答えた。


「どっちもはなし。私とるなどっちが可愛いわけ?」


「侑李の言うことなんて聞いちゃ駄目よ。容姿は同じくらいでも、性格は断然私の方が良いんだから。」


「はぁ。どの口が言ってるわけ?」


侑李とるなが口喧嘩で火花を散らす。


「2人とも、うるさいよ。ブスな私を差し置いて何勝手に張り合っちゃってるのよ。どうせ私のことなんて、自分たちの足元にも及ばないと思っている癖に...」


山田春奈が大声で泣きだした。


 私は、教室に入ったものの状況がいまいち呑み込めなかった。


泣いている山田春奈。それに、お互いを睨みつけている小林侑李と斎藤るな。


私は、生徒たちに事情を聴いた。どうやら、彼女たちは容姿関連のことに関して揉めたようだ。


私は、彼女たちと話し合った後、他人の容姿に関して刺激するようなことを言わないように忠告した。


「私、感情を押さえられなくて我を忘れてました。ごめんなさい。」


「ごめんなさい...」


「私も言い過ぎたわ。悪かったと思ってる。この通り。」


彼女たちは、非常に素直だった。入学初期のころから大人しい性格だった春奈はさておき、侑李とるながとても素直だったのには驚いた。前は、もっと思春期特有の気難しさがあったのに。


「落ち着いてよかった。彼女たちも成長したのかな。それとも、この落ち着きは更なる思春期を迎える前兆なのかな。」


私の心の中で、相反する2つの考えが折り重なった。

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