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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第2章 中学1年生2学期編
120/130

第120話 2学期期末テスト

 私は、自分のクラスの期末テストの採点を終えて、その出来に驚いていた。


水野真理100点、九条慶翔100点、小林侑李98点、山川裕也89点など、全体的に恋人持ちの高得点が目立つ。


恋人に認められたいという思いは、全ての努力をすることの活力になるのだろう。


恋愛をしていなくても、友人間の人間関係が良い生徒、あるいは良くなった生徒は全体的に前回の点数に比べ高得点になる傾向が見られた。


例えば、牛島佐紀96点、荻原まどか94点、井上美月88点、などである。


このことから、クラスの中での人間関係の良好さは生徒の学習のパフォーマンスに影響すると推測できる。


3組の国語のテストの平均点は、過去最高の78点を記録した。


「みんな、平均点上げないでくれよな。国語が苦手な俺の順位が下がっちまうだろ。」


テストを返却された吉田健太郎の素直なぼやきに、笑いが起こる。


 その後の学年会議で、私は3組のテストの成績が以前に比べて爆発的に伸びたことについて、要因を尋ねられた。


「生徒たちの1人1人の努力が今回の結果に繋がった一番の要因であることjは大前提としまして、私が担任として意識したことは、クラス間の人間関係を良くするということです。人間関係が悪ければ学校が辛い場所になってしまうかもしれないし、それによって学習意欲も低下してしまうかもしれない。でも、クラスの人間関係が良好なら学校が楽しいものになるし、失敗しても大丈夫だという安心感によって積極的に学習意欲を持てるようになります。そのような学級経営をするために、生徒たちの人間関係を常に把握し、私がどういう風に学級運営をしたら、雰囲気が良くなるかと言うことを常に考えてきました。とはいえ、文化祭が終わってからは、私は生徒たちにほとんど何も言っていません。彼らは、音楽祭を通してみんなで協力することの大切さや、目標に向かって計画を立てて努力することの大切さを自ずと学んできました。そのような生徒たちの自主的な学びが、今回の結果に繋がったと考えます。」


丸山望、鈴木林太郎、塚原紫苑が一斉に拍手をする。


「素晴らしいですね。園崎先生は、まだまだ成長しそうですし将来が楽しみです。」


「あの崩壊した情報のクラスを、こんなに良いクラスにまとめるなんて、並大抵の努力でできることではありませんよね。素晴らしいです。」


私は、素直に褒められて嬉しかった。


丸山望は密かに心の中で恐ろしいことを呟いていた。


「園崎先生は、言うまでもなくとても優秀。こんな若手のホープにパワハラやセクハラを行った松山由里と今泉宗太郎には社会的に死んでもらわないといけないわね。まずは、今泉の奴から消すことにするか。」



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