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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第2章 中学1年生2学期編
108/130

第108話 周辺施設見学!

「園崎先生、凄い楽しそうだよね。子どもみたい。」


秋田健が、斎藤るなに話しかける。


「そうね。いくつになっても好奇心旺盛そう。って、あんたなんで私に話しかけるのよ。秋田県は、秋田にいなさいよね。ここは京都東県なんだから。」


京東県は、私たちが住んでいる県で、海はなく、辺りが山に囲まれている。


「その呼び名は辞めろって言っただろ。同じグループなんだから、話しかけるのは当然だろ?」、健がため息まじりに言葉を返す。


「それもそうね。」、るなは意外にも素直に呟いた。


その会話を聞いて、私はハッとした。


「やばい。展示物を見ることに没入しすぎた。生徒たちは大丈夫かな...」


慌てて辺りを見回すと、館内のルールを守って展示物を見守っている生徒たちの様子が目に入って、心底安心した。


10時50分からは、博物館周辺の周辺文化財施設を見学する。


まずは、杉影古民家。臼田さんから簡単な説明をして頂く。


「この古民家は約150年前に建てられた農家の住宅です。屋根は茅葺かぶやきで、夏は涼しく冬は暖かく過ごせる工夫があります。昔の人の知恵ですね。因みに、茅葺かぶやきというのはススキ、ヨシ、ワラなどの植物を束ねて屋根を覆う伝統的な建築工法のことです。」


囲炉裏いろりは暖を取るだけでなく、煙で虫を寄せ付けない役割も果たしていました。皆さんも座ってみてください。」


私たちは、臼田さんの話を興味深く聞いていた。


全員が囲炉裏に座らせてもらったあとは、篠塚しのづか遺跡を実際に見て、更に篠塚しのづか城跡・史跡公園 を散策する。


「この城跡は戦国時代のもので、当時の武将結城 忠房(ゆうき ただふさ)が築いたものです。ここから町全体を見渡せるように設計されていました。」


「残っている石垣や堀の跡を見ると、当時の防御の工夫がよくわかります。」


生徒たちと、そして私は真剣に彼の話をメモする。


前半戦が終了して、私は再び安堵の息をついた。


この後は昼食休憩。


少しばかり気を休めることができる。


因みに、生徒たちは弁当を持参しており、当然だが出したゴミは持ち帰りだ。


「ねぇ、ここ凄いね。篠塚城跡って実際に見るとあんな迫力あるんだね。私、大好きなんだよね、結城ゆうき 忠房ただふさ。」


日和が捲くし立てるように沙織に話しかける。


結城ゆうき 忠房ただふさって何した人なの?名前は聞いたことあるけど。」


首を傾げる沙織に、日和は流暢に説明する。


結城ゆうき 忠房ただふさってのは、室町末期〜戦国中期に16世紀前半に関東で生きた武将でね、関東管領の権威が失われる中、旧勢力の再結集を主導したのよ。それから、独立志向の豪族たちを説得し、関東東部に"結城同盟"を築いたことが有名ね。」


目を輝かせている日和に、沙織は冷静に突っ込みを入れた。


「あんた、そんなに歴史好きだったんだ。」


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