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中学教師園崎凛  作者: finalphase
第2章 中学1年生2学期編
105/130

第105話 新鮮な組み合わせ!

 私たちは当日、朝の8時30分に学校に集合した。


出欠確認、持ち物確認、健康チェック、そして一日の流れと注意事項の確認を行い、バスに乗って出発する。


バスの席はランダム。そこにはいくつかの面白い光景が広がっていた。


秋田健と斎藤るな、及川春斗と早乙女梨華、牛島佐紀と杉田天使(エンジェル)、浅野真美と金子沙織がそれぞれ隣の席になったのだ。特に秋田健と斎藤るな、及川春斗と早乙女梨華は新鮮な組み合わせだ。


「ねぇ、あなた、だいぶ前に私に告白してきたよね?」、るなが健に問いかける。


「うん。」


「秋田県、あの時の告白、演技でしょ?」


健は心の中でギクッとした。暫く沈黙した後、彼はしぶしぶ白状することにした。


「秋田県はやめろよ。そうだよ、その通り。あれは罰ゲームでさ...」


「はぁ?最低ね。私は恋愛経験豊富だから良かったけど、もしも告白された女の子があなたの想いを本気にしてたらどうしてたのよ?」


「そう。だから、だからだよ。斎藤さんなら多分彼氏もいるだろうし、仮にいなかったとしても俺みたいなのからの告白は断ってくれると思ったから。」


「あらそう。でも、罰ゲームで女の子に告白をしようって考えがもう最低ね。」


「すみません...」


健が謝ると、るなは何も言わずにバスの窓から外を見つめた。


及川春斗は早乙女梨華に話しかけた。


「朝の通勤・通学バスってさ、満員になりやすいじゃん。平均で30人が乗っていて、座席は20席だったとしたら、座れる確率はいくつだと思う?」


「え?...」


急に予想外の問いかけをされて硬直する早乙女梨華。


「おい、春斗。早乙女さんを困らせるなよ。困ってるじゃないか、彼女。」、植松博が突っ込みを入れる。


少し間が空いたあとに、早乙女梨華が恐る恐る春斗に尋ね返した。


「その、及川君は、数学が好きなの?」


「あぁ。大好きだ。数学は素晴らしい教科だよ。人間関係がど下手な俺に取っちゃ、数学だけが友だちさ。いや、恋人と言っても良い。」


「へぇ。変わってるんだね。及川君...」、しおらしく微笑む彼女に対し、春斗は胸の高鳴りを感じた。


これは自分でも意外だった。恋愛なんて、非合理なものだと思っていた。


運命の糸で繋がっているとか、一目惚れとか、全く論理的ではない。彼は自分が思った疑問を素直に口にした。


「人ってなんで恋するんだろうな...」


問いかけなのか独り言なのか良く分からない彼の言葉に戸惑いながらも、彼女は小さく呟いた。


「恋に、理由なんてないよ。」


彼女の言葉に考え込む春斗。


「恋に理由がない?どういう意味なんだろう。多くの人間は明確な理由もないのに恋愛に奔走しているのだろうか...」


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