第10話 学年会議
学校が始まってから約3週間、凛は3回目の学年会議に出席した。
前までは担任に慣れていなかったこともあるし、クラスの抱えている問題も他クラスには伝わっていなかったが、今回はわけが違う。この短期間で、1年3組は問題児の集まりだとある意味で証明されてしまったからだ。
授業妨害四天王以外にも、授業は聞いているものの教員に反抗的な態度を取る山川裕也のようなタイプの生徒もいる。
1学年の学年主任は1組の飯沼浩史、2組担任は数学専門の丸山望、3組担当が凛で担当教科は国語。最後に、4組担任は鈴木林太郎で教科は理科だ。
「学校生活が始まって、ちょうど3習慣が経ったが、皆さん、クラスには慣れたかな?今日は各クラスの今後の課題について話し合いたい。」と飯沼浩史。
「まずは、私の担当する1組から。勉強熱心でまじめな子が揃っているが、あまり友だち同士で打ち解けようとしない側面がある。これを解消するために、私は授業時間外にレクリエーションを積極的に取り入れていきたい。」
人と触れ合レクリエーションは単なる遊びではなく、学級経営において有効な手法である。
それを行うことで、学級崩壊していたクラスがまとまっていったという事例はいくつもある。
「そこで、園崎先生に提案何だが、1年3組でもレクリエーションを取り入れてみてはどうか。聞くところによると、先生のクラスはこの学校始まって以来の問題児が多いと聞く。クラスの人間関係をまとめるには、人との触れ合いが一番。」
「はい。私の力不足で現状クラスを上手くまとめることができていません。飯沼先生のおっしゃる通り対人関係ゲームを取り入れるのは有効かもしれません。私はクラスが上手くまとまらないという焦りから、積極的に1年3組と言うクラスを良くしていこうという心構えを忘れていたように思います。まずはその手法から試させていただきたいと思います。」
2組と4組は細かな問題は介在しているものの、全体としての大きな問題は抱えていなかった。
これは学級経営が上手く言っている証拠である。教員がメンタルを病んで仕事をやめてしまう理由の大きな理由として学校経営が上手くいかないことが挙げられる。
今のところ、1年3組の担任として学級経営が上手くできているとはとても言えない。
それでも... 凛は大きく息を飲んだ。
それでもこの困難を必ず乗り越えてみせる。
まずは対人関係ゲームで、クラスメート同士の距離を少しでも知事めるところから始めよう。