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ハイスペック・タンクウォーリア ‐コストがかかると追放された壁役重戦士はS級冒険者になって無双する‐  作者: 兎藤うと
序章 追放重戦士編

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21. 見張り役

アクセスありがとうございます。


「うーん。やっぱ違法製造で間違いないね」


 リックが倒した無人機ゴーレムを確認したカンナは断言した。


「そうか。なにか手がかりになるものはあるか? 術者とのパスを繋いでる痕跡とか」

「術師の痕跡はないね。たぶん、リモコン操作でのオートモード。術者が近くにいなくて済むかわりに、無差別に攻撃するんだよね。だからリモコン操作なんだけど」


「リモコン操作か……とりあえず、アリナたちの様子を見にいってくる。その間、なにかわかったら教えてくれ」

「わかった。アリナたちによろしく言っておいてね」


 ゴーレムの解体作業をしているカンナにそう言って、リックはアリナたちと合流した。


「災難だったな。アリナ」

「ああ、リックの助けがなかったら危なかった。おかげでパーティが全滅せずに済んだよ。あと魔法薬ありがとうな。高価な治癒結晶まで使ってくれて」

「いいんだ。それより、なにがあったのか聞かせてくれないか?」


 リックが訊ねると、アリナは難しそうな顔で後頭部をかいた。


「それが、私たちにもよくわからないんだ。採掘依頼に向かう道中、道を阻むようにしてあのゴーレムが立っていてさ。こっちを見るやいなや、襲い掛かってきたんだ」


「そうか……。これからどうするんだ?」

「こんなザマだ。今日は山を下りようと思う。リックたちはこのまま向かうんだろ?」

「ああ。この先、なにかありそうだしな」


「なら気をつけてくれ。あんなゴーレムが配置してあったんだ。変な輩がいてもおかしくねぇ。最近じゃ、よそもんの冒険者が変な動きをしてるみたいだし」


「貴重な情報感謝する」

「いいってことよ。私とリックの仲じゃねぇか。私たちはここで少し休んでから下山するよ。道中気をつけてな」


「そっちもな。こけて滑落するなよ」

「おめぇじゃあるまいし、そのくらい気をつけるさ」

「おう。ザルツブルグで」

「ザルツブルグで。カンナによろしくな」

「本人もそう言ってたぞ」


 互いに軽い挨拶をしてアリナとのパーティと別れた。そして、ひとしきり解体を終えて休んでいたカンナと合流する。


「どうだった?」

「アリナたちは無事だ。このまま下山するってさ」

「そっかぁ。まあ、無理もないか」


「それで、ほかに証拠はあったか?」

「これ以上はとくに。持ち帰って武器の材料にしようと思ってたところ」

「そうか。んじゃ、ありがたく頂戴して先に進もう」

「りょーかい」


 ゴーレムを収納魔法で回収したリックたちは洞窟に向かった。道中、魔物に遭遇することはあったものの、無人機ゴーレムと遭遇することはなかった。

 あ、珍しい動物には出会った。標高の高い山に生息するタカキジという鳥だ。

 岩場から生える鉱石を採掘しながら、リックたちは洞窟の入り口に辿り着く。


「ん?」


 すると、洞窟の入り口でザルツブルグは見ない雰囲気の冒険者が二人ほど立っていた。距離が五メートルくらい縮まると、彼らは道を塞ぐようにしてリックたちの前に立った。


「とまれ。こっから先は立ち入り禁止だ」

「採掘中でね。ほかのところ当たってくれ」


 冒険者二人がそう言った。その時点で、リックたちは彼らの正体に気づいた。


「それはおかしいなぁ。場所の独占は禁止されてるはずなんだけどなぁ」

「ねぇ、おじさんたち。許可証もってる?」


 わざとらしく首を傾げるリックの隣で、カンナは許可書を取り出して聞いた。


「ああ、持ってるぜ。これでいいか?」


 そう言って冒険者は、ザルツブルグの紋章が描かれた許可証を取り出した。


「リック」

「ああ」


 その許可証を見たリックとカンナは武器を取り出して構えた。


「お、おい。ザルツブルグの冒険者が武器を抜く意味を知ってるのか?」

「ああ、知ってるさ。だが、盗掘相手なら問題はないだろ?」

「な、なに言い出すんだ……」

「ザルツブルグの許可証は特別製でな。かざすと術式が共鳴して紋章が光るんだよ。なのにお前たちの光らない。ここまで言ったらわかるだろ」


 リックの言葉に、隠す気がなくなった冒険者たちは不敵に笑った。


「ばれちゃぁ。しょうがねぇな。ここでお前らを始末する」

「そっちの嬢ちゃんは遊んでからだなぁ」


 冒険者たちは下品なことを言いながら片手直剣を抜いた。リックとカンナの表情は変わらない。鋭い眼光を盗掘者二人に向けている。


 無人機ゴーレムを配置したのも、見張り役の二人を含めた冒険者たちで間違いない。ほかの冒険者を近づけさせないための布石だ。

 パーティの規模は不明だが、倒すだけなら簡単だ。


「そういえば途中にゴーレムがいたはずなんだが、あれはどうした?」

「ああ。俺がぶっ壊した」

「――え?」


 冒険者たちが唖然とした刹那、打撃音が二回なった。


読んでくださりありがとうございます。

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