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ハイスペック・タンクウォーリア ‐コストがかかると追放された壁役重戦士はS級冒険者になって無双する‐  作者: 兎藤うと
序章 追放重戦士編

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12. カンナ・ウォールマン

アクセスありがとうございます。


 賞金首を捕まえてから数日ほど経ったある日のこと。


「………………、」


 セキネツ武具店の工房で、防具の点検が終わるまでの間、リックはソファにもたれかかりながら天井を仰いでいた。


「装備の点検おわったよぅ」

「ああ。ありがとうな」


「なんのなんの。初の出陣で壊れること想定してたけど、壁に何度もぶつかったわりには大丈夫そうだね。これなら竜にやられても平気だね」


「それでも竜の攻撃はもろに喰らいたくないけどな」

「それもそうだね」


 何気ない会話をしながらリックは飲み物をカンナに渡した。


「そういえば、リックは今後の予定とか決めてるの?」

「特に決めてないな。手頃な依頼でもこなしていこうかと考えてる」

「なんか、ばーっとおっきい仕事となかったの?」


「あいにく、そういうのは早々に売り切れてる。今あるとしたら、素材採取、採掘、増殖した魔物の討伐、調査依頼とか。あとはリスクはあるが賞金首だな」

「ふーん。そうなんだ」


 カンナはなにか考える素振りをしてリックに向き直る。


「じゃあさ。私と冒険に出ない?」

「一緒にか? お前、戦闘職もってたっけ?」


 突然のカンナからの申し出にリックは驚いた。


「これでも、戦士の職業(ジョブ)もってるんだよ」


 少し不貞腐れたような表情で言うカンナ。行動力が活発な印象を


「お店の仕事はどうするんだ?」

「ほとんどはお兄ちゃんたちのお仕事だからね。私のは機械とか魔導具とか、とっても高価だから月に一回仕事があるかないかなんだよね。だから暇なの」


「そうだったのか」

「ずっと店番してたら体もなまっちゃうし、外に出て思いっきり動こうと思ってね」

「何度か冒険には出てるのか?」


「赤字続きの時期に数回ね。一度ケガしてからは冒険に出てなかったけどね」

「そう、……か。なら、一緒に冒険にいくか」


 リックは少し考えて、まあいいか、と承諾した。


「決まりだね。それじゃ、準備してくるね」


 カンナはウインクをしながら自室へと向かっていく。その後ろ姿を見ながらリックは、冒険者のことで一つ気になることが出てきた。


「そういえば、ギルドカードの更新って最後いつやったか覚えてるか?」

「え? ああ、だいぶ前だから数年くらいかな?」

「じゃあ、依頼を受ける前に更新してからにするか」

「りょーかい。じゃ、ちょっと待っててね」


 カンナは踵を返して自分の部屋へ向かっていった。待ち時間は数分程度だ。自室から出てきたカンナの装備は、タンクトップに革製の腰マントとレギンス、ブーツだった。


「なんで上半身はそれなんだよ。露出が多いだろ」

「失敬な。これでもスポブラもしてるし」


 訝しげな表情でそう訴えるカンナ。確かにビキニアーマーと比べたら露出は少ないほうだ。だが、数年ぶりに復帰する者が恰好ではないのも確かだ。


 腹部が露出している状態だと、へそフェチの荒くれ者に目をつけられてしまう。


「なんかこう……もっと戦士らしい装備をしてくるのかと思った」

「前もこんな感じだったよ? それに、動きやすいし」

「……、」

「……ダメ?」

「……いや、問題ない。大丈夫だ」


 普段着とあまり変わりない彼女の姿に過剰に反応してしまったことにリックは反省した。自分のことは自分が一番わかっている。職業(ジョブ)のこともあるから軽装で来たのだろうし。


「……、」

「……、」


 まじまじと見るリックに、カンナは含んだ笑みを浮かべながらポーズを取った。


「どう? 私の装備を見た感想は?」

「おへそが大変チャーミングだ」

「……。もう、どこ見てんのよぅ」


 カンナは照れながら自分のへそをそっと隠した。


 セキネツ武具店の長女。カンナ・ウォールマン。年齢は一九歳のドワーフのクォーターだ。見た目は人間を変わらない。やや明るい灰色のミディアムヘアーと、翡翠色の瞳が特徴的な女性だ。やや幼さが残る顔つき。細くしなやかな身体つきをしながらも少し力を入れると細い腕に筋肉が浮き出る程度には鍛えられている。

 胸は結構ある。ともあれ、明るく活発な娘である。


 リックとは新人時代からの付き合いだ。


「準備ができたならいくか」

「……。そうだね」


 息を吐きながらカンナは返答し、テーブルに置いてあった布に包まれた物を持った。


「それは?」

「武器だよ。両手持ちのハンマー」

「なんで布で隠してるんだ?」

「へへぇん。とっておきだからだよ。冒険に出たら見せてあげる」

「楽しみにしてるよ」


 何気ない会話をしながらリックたちはギルドへと向かった。


読んでくださりありがとうございます。

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