10. 宴と大食い
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賞金首ザザンを倒し、無事に賞金を手に入れたリックは借金を全額返済し、カンザリーナとの約束を果たしたことで値引きされた武器の代金を支払った。おかげで懐は再び寂しいことになってしまったのだが、救出した女冒険者アリナと、そのパーティにお礼とザザン討伐の功績を称えて宴を開いてくれた。
「おう。食べてるかぁ、リック。まだ若いんだからたくさん食えぇ」
すでに出来上がっているアリナに肩を組まれたリックは、
「大丈夫だ。もう軽く二〇杯は食べた」
てんぷら盛り合わせと米をかき込んだ。
「けっこう食ったな!」
積み上がった皿を見てアンナは驚いた。
「冒険に出るとめちゃくちゃ腹が減る」
「それにしても普通の量を遥かに超えてると思うけどね」
同じ席で食事をするカンナに言われてしまった。今回の件で一番お世話になった‶セキネツ武具店〟の三兄妹も誘っており、べつの席ではナットとボルトも酒を飲んでいる。
「おかわり。天ぷら盛り合わせとご飯超盛りで」
リックは次の天ぷら盛り合わせを頼んだ。店主らしき人がなぜか涙目になっていたが、「はいよ!」と注文を受けてくれたのでまだ材料はあるみたいだ。
「リックってお米大好きだよね。故郷の主食じゃないのに」
「なんでだろうな。パンも好きだが、一番はやっぱ米かもな。バリエーションが豊富でなんにでも合う。塩と一緒に握っただけなのに、なんであんなに美味いのか、不思議だ」
リックは、すっ、と極東の島国から発行された料理本を持ちながら熱弁する。
冒険のほかに交易が盛んなザルツブルグでは、様々な国の食や文化が入ってくるのだ。そして、この都市はあらゆるジャンルに対して貪欲な人が多く蔓延っている。
「ハマってるね。まあ、おにぎりって美味しいよね。私は海苔を巻いてるやつが好き」
「少し火であぶってやると、香りも良いし、パリパリだよな」
「そうそう」
おにぎりの話題で盛り上がったことにリックは満足しつつ、注文した天ぷら盛り合わせが配膳されてきたので軽く平らげ、おかわりを再び注文した。
「それでどうだった? ‶魔導強化重鎧〟を使った感じ、不自由なところはあった?」
「とても快適だった。ただ飛行機能を取りつけたじゃん? 使いどころがあまりになくてな。今後どう使っていこうか悩みどころだな」
「生中継見てたけど、リックの動きを見てると必要性はなかったかもねぇ。取り外す?」
「いや、もしものときに役に立ちそうだからそのままでいい」
「そう? リックがそれでいいならそのままでいこうか」
カンナはそう言ってお酒を飲み干し、次の酒を注文する。すると、リックの注文した料理とともに彼女の酒も配膳されてきた。
「とにかく今日は食べて飲も。契約とかその辺のことはまた後日で」
「おう。そうだな」
リックとカンナは各々の飲み物を持って乾杯した。
「今後ともよろしく。リック」
「よろしく。カンナ」
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