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電気羊飼いと天使の卵  作者: モギイ
第二幕
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ある日の一幕

 立体駐車場でヨウコが周囲を見回してながら歩いている。しばらくしてポケットから携帯を取り出すと短縮ボタンを押す。


「もしもし、キース?」

『ヨウコさん、どうしたの?』

「車をどこにとめたのか分からなくなっちゃったのよ。駐車場の防犯カメラで見えないかな?」

『七階のB列の一番奥から五台目だよ』

「そんなに上にとめてたんだ。助かったよ。ありがとう」

『どういたしまして』

「今からローハンと待ち合わせなんだ。車が見つからなくて遅れたなんて言ったら、しばらくからかわれるからさ。立体駐車場にとめると絶対に迷うのよね」

『どこで会うの? 慌てて行って事故なんて起こさないでよ』

「うん、ありがとう。トニーのカフェでお昼を食べる約束なんだ」

『楽しんできて。トニーにもよろしくね。じゃ』

「ねえ、キース」

『なに?』

「いつも変なことばっかり頼んでごめんね。ついつい頼りにしちゃうんだ」

『頼ってもらって構わないよ。僕は暇なんだからいつでも電話してよ』

「『守護天使』がついててくれるってこんな感じなのかな? 今、ニューヨークなんでしょ?」

『俳優端末はね。再来週またお邪魔するよ』

「来月末まで忙しいのかと思ってた。楽しみにしてるよ。じゃあ、また電話するね」

『うん。またね』


 通話を終えたとたんに携帯が鳴る。


「ローハン?」

『よかった、通じた。誰かに電話してたの? 俺、ちょっと遅れそうだから先に行っててよ。アーヤのオムツを換えてから行くよ』

「うん、わかった」

『また車探してただろ? 七階だよ』

「知ってるもんね。今向かってるところ」


 ローハン、笑う。


『ほんとに? 怪しいなあ。じゃあ、トニーのところでね』


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