Prologue
まだ寒さが残る3月の終わり、僕は親と一緒に都内のマンションにいた。
「今日から1人暮らしになるけどやっていけそう?」
「大丈夫だよ、母さん」
「まあ、瑠希はしっかりしてるから私はあんまり心配はしてないけれど、お金の無駄遣いには気をつけるのよ?」
「うん、わかってる」
「それじゃあ、私は終電が近いからそろそろ行くわね?」
「わざわざありがとう、母さん。また何かあれば連絡するよ」
「ええ、いつでもかけておいで?」
母さんはそう言って部屋を後にした。
僕、神城 瑠希は、高校を卒業して、4月から大学生活を始めるために岡山県から上京してきたのだった。ありがたいことに僕の家庭はそこそこに裕福だったので、最初の3ヶ月分の家賃、生活費と学費は出してもらえた。でも、無駄遣いはしたくないのと同時に趣味の歌を楽しみたいので僕はこっちでバイトを探そうと決めていた。そして僕は携帯のサイトで求人を漁りながら眠りについてしまった。そして僕は……
「いらっしゃいませ!!」
「今日も元気だねぇ、凛花ちゃん」
「元気だけが取り柄みたいなものですからね!!」
「でも寂しくなっちまったねぇ」
「なにがですか?」
「私は凛花ちゃんと瑠希くんのいちゃいちゃしてるのを見るのが好きだったんだけどねぇ」
「も、もう!!おばぁちゃん!!」
「瑠希くんは東京に行っちゃって……凛花ちゃんは寂しくないのかい?」
「そ、それはもちろん寂しいですよ?会いたいですし…………好きなんですから」
「でも今の時代はスマートフォンがあるからいつでも連絡出来るでしょう?」
「ううん、瑠希には夢に向かって頑張って欲しいから集中できるように私の連絡先は教えてないの」
「あら、そうなのかい!!?それは悪いことを言ったねぇ」
「あー、気にしないでおばぁちゃん!これは瑠希と私が話し合って納得して決めたことだから!!」
「ならいいけどねぇ?それじゃ、また来るわねぇ」
「はーい!」
私、桐堂 凛花は親が経営しているカフェで働きながら地元岡山にある専門学校に進学していた。幼馴染でもあり恋人のような関係の瑠希とは遠距離になったしあえて連絡先も交換しなかったから1人になって寂しい気持ちが溢れていた。
「納得もしたし応援もしてるけど……やっぱり瑠希の声が聞きたいよ」
それに、東京は私なんかよりもいい人がたくさんいるからいつか私なんて捨てられて他の人の所に行ってしまうんじゃないかとまだ離れてから2日しか経っていないのに不安でいっぱいな気持ちを抱えたまま、私は意識を手放していた。そして私は…………
夢で凛花と巡り会う
更新頻度はそんなに高くなりませんが定期的に更新していきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m