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エピローグ

「まさか、本当に分かっていなかったとは」



あれから数年が経ち、私たちが結婚できる歳になった瞬間にクイークスは私を無理矢理教会に引っ張って誰にも告げずに結婚をした。結婚の誓いをしてから王宮に赴き国王両陛下にそのことを告げれば二人は頭を抱えて私を気の毒そうに見やった。


「ごめんなさいね。私たちの子供が。他のことに関しては待てができるのに」


そう。あの日私は婚約破棄からの国外追放を覚悟して目を瞑ればクイークスから唇にキスをされた。ぱっと目を開けて非難の眼差しを向ければクイークスはおかしそうにくすくすと笑っていた。そんな顔は見たことがなかった。


「え、その顔ってキス待ち顔でしょう?それ以外に何がある」


そのあとしばらくしてその場を走って去り、本当の実家へ帰った。久々の実家にホッとしてたまたまいた兄に抱きついてそのまま眠りこけてしまった。追いかけてきたクイークスがそれを見て兄を殺さんばかりの目で睨んでいたとか。



「だって、他の人には笑顔を向けていたのに私の前ではあの黒ーい顔。それを見て好かれているなんて思わないわよ」


「特別扱いだ、とはしゃぐと本に書いてあった」


「参考にする本を間違えているわね」


皇太子、皇太子妃という立場になった私たちは王宮で書類を捌きながら会話をしていた。短い間ながら皇太子の仕事をした私は使える人間だと文官に認定されてクイークスの隣で仕事をする様になった。

入れ替わっていたことは誰にも言っていない。入れ替わった原因も分かっていない。ルナがその後どうなったのかもクイークスは教えてくれないし、箝口令が敷かれているからか、どこからも漏れてこない。


「でも今では分かっているだろう?どれだけフィオリーナを愛しているか」


クイークスが私の体になっている時に「私、殿下を愛している」と吹聴しまくったのは私が入れ替わり解消後にクイークスのもとから逃げないように。ある程度その話が皆に浸透した頃に入れ替わりを解消してそのまま結婚するつもりだったとか。

でも、ルナの登場で時期を早め、ルナの悪事を暴きつつクイークスはフィオリーナを狙っていると印象付けることにしたとか。


「ええ、まあ、私もほんの少し殿下のことを」


「名で呼べ」


「殿下のことを」


「明日一日中一緒にいてもらうぞ」


「クイークスのことを愛していますし」


「ん」


クイークスは嬉しそうに笑ってペンを走らせる。心なしかそのスピードがさっきよりも早くなっているような。


今では人並みにクイークスを愛しているフィオリーナはそんな様子のクイークスに微笑んだ。

のちに相思相愛ベタ惚れの氷の皇帝、陽だまりの皇妃と言われるようになるが、それはもっと後の話。



ちなみに、入れ替わりの計画。王宮にある書庫の立ち入り禁止区域にある書物で「気になるあの子の体で色々しよう!」という題名の魔法書を見つけたクイークス10歳の時にすでに練られていた。クイークスが割と紳士ですけべな考えの持ち主でなかったことだけがフィオリーナの救いであろう。

(完)

終わりました!

息抜きに書いていた物なので穴がありまくり、爆走、展開が早いというダメダメですが、1nmでも、1μmでも楽しんで頂ければ幸いです。

今までありがとうございました。お疲れ様でした。

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