二人目 後編
僕の作品題4作目(プロローグ含め)となります!
是非ご覧ください!
二人目
そこで悠二が見たものは、普段部下たちにいびり散らかしている上司の姿だった。
そう、この老婆は上司のお母さんなのであった。
「どうしてお前が母さんと一緒にいるんだ......!?」
上司が俺に対してそう叫ぶと、
「この人は私をここまで案内してくれたんだよ」
上司のお母さんがそうやって言った。
「そ、そうか......ところで母さん?なんの用で来たんだ?」
上司がそう聞くと、
「あなたの事が気になって、内緒で来たのよ。さっきのあなたの部下に対しての態度見たけど......あなた随分と偉そうになったのねぇ」
お母さんがそう言うと、上司はバツが悪そうに下を向いた。
今度はお母さんが俺に向かって、
「ここまで案内してくれてありがとうね。とっても助かったわ。息子のことは今から叱るから、安心してね。今日はほんとにありがとう。」
そう言って頭を深々と下げた。
「まぁ、母さんゆっくりしていけよ。」
上司はそう言うとお母さんを家の中に入れた。
「あ、そうだ。俺は今日休むが、お前はちゃんと仕事に行けよ? 」
そう俺に言ってから、自分も家の中に入っていった。
今日は上司が休むということなので、辞職願も別の日に出そうと考えた。
そして翌日――
会社の中でいびり散らすという上司の姿が、まるで泡のように消えていた。昨日、お母さんにこってりしぼられたのであろう。
そんな上司を見ていると、もう少し頑張ってみようという気持ちも芽生えてきた。
そして帰り道。
上司のいびりが無くなったということで、それを記念しての飲み会を同僚達の間で開くことにした。
その日は皆今までの愚痴を全て吐き出すかのように、各々が喉が枯れるぐらいまで喋り続けた。
皆が口々に揃えて言ったのは、
「今日のビールは最高だ。」
「今日の酒はほんとに美味い。」
だった。
そうして、飲み会は終わり各々が帰宅となった。
明日からの仕事が少し楽しみになった俺はとても上機嫌だった。
「もうこんな日は空も飛べちゃいそうだな! 」
なんて心の中で思っていた矢先、視界がグルンと一周した。
そう、俺はあまりの気分の高まりにより、横断歩道の信号を無視していたらしい。
視界がようやく戻ったと同時に、俺の意識はどんどんと霞んでいった――......。
......負というのは、どうやら人の幸せにも付き物らしい。
【二人目 後編 終】
ご覧いただきありがとうございました!
この、二人目 後編なのですが、正直ノリで書き終わったところがあるので、文がおかしかったかもしれませんが、本人は頑張って書きました!
それでは、これより三人目にとりかかるので、そちらもよろしくお願いします!