一人目
プロローグを投稿した瞬間ですが、1話目を投稿したいと思います!
読んでくれると嬉しいです!
一人目
俺の名前は遼一。
俺の日本での趣味は、アニメをみることや、ラノベや漫画を毎日読み漁る毎日だった。
現在俺はどうやら異世界召喚という、世の中の男子なら一度でも憧れたであろう現象と出会ってしまったようだ。
休日で、特に予定のなかった今日は、朝の家族での団欒を楽しんでいたところにこの異世界召喚である…。今、家族たちはどうしているのだろうか。行方不明届けを出している頃だろうか。それとも、俺の存在はなかったかのように、何食わぬ顔で過ごしているのだろうか。確かめようがないのが、実にもどかしい。
そんなもどかしい状況だが、俺は異世界生活を楽しんでみようと思う。あ、補足として俺がどんなところに飛ばされたかというと、やっぱりありきたりの中世ヨーロッパ風の見た目をしている。言語も英語だったため、ぎりぎり読める。
この世界の首都の名前はシュリンプ王国。名前にシュリンプとついているためか、市場に並んでいるのはエビばかりだ。なにか食べようと思ったが、あいにく日本の通貨は使えないみたいだ。
財布は持っていないと思っていたが、ズボンのポケットの中に都合よく入っていた。入ってはいたが使えないわけだ。
なにも食べられない俺は今とてつもなくお腹がすいている。道行く人に声をかけてみるも、誰も相手にしてくれない。
王道の物語だと、そろそろヒロインがやってきたもいいのだが、一向に現れない。たまにかわいい子が通ったりするが、俺のことを見たりなんかはしない…...。
このまま俺は死んでしまうのではないかと考えているうちに、1人のおじいさんが俺に話しかけてきた。
おじいさんは俺に食料を与えて名前を教えてくれた。おじいさんの名前は......
***
「ねぇ......お母さん......お兄ちゃん大丈夫かな......? 」
「遼一ならきっと大丈夫よ......」
そう言って遼一のお母さんは、自分と娘に言い聞かせるようように言った。
今、遼一の妹と遼一の母がいるのは病院。2人が心配しているのはもちろん遼一である。
遼一は、所謂「不登校児」だ。
学校でのいじめにより、登校は出来ず、家に引きこもる事が多くなっていった。
そんな暗い生活をしていれば「負」はどんどん溜まっていくだろう。
遼一は不幸にも階段で足を滑らし、頭を打ち付けてしまったのである。
そして現在、生死の境をさまよっている。
そんな状況で彼は、自分が夢見ていた都合の良い世界を夢見ているのである。
遼一の意識は戻るのか......。
妹と母の心配なんて遼一は知る由もなく、遼一の夢はどんどんと進んでいく......。
【一人目 終】
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