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04 仲間の人脈を役立てて
勇者様は第二の魔王になろうとしている。
恐怖で多くの人々を支配していた魔王の座に座り、自分があらたな覇者になろうとしているのだ。
彼は、そのために邪魔な私を殺害しようとした。
しかし、そんな私が力尽きる前に、仲間が助けてくれたらしい。
今は、魔族の者達が私達を探し回っているから、何としても魔族領から出なければ。
早急に人間のいる場所へ逃げなければならなかった。
こんな時に役に立つのは、仲間の人脈だ。
「貴方達には魔族に襲われていた時に助けてもらった恩がありますからね」
懇意にしていた人、魔族と人間の中立の立場にたって活動している商人の協力によって、無事に魔族領から脱出する事が出来た。
その商人は、見た目は私達と同じだけど、魔族の気配もするという珍しい人だった。
「どちらの勢力にも属さないという私の生き方を受けれいてくれた聖女様に幸あらん事を」