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03 指名手配されてる
「ショックだろうけど、これを見てみな」
仲間から渡されたのは一枚の紙きれ。
言語は魔族語だった。
それは指名手配書だ。
報酬の額がとんでもない。
起きた後、私は自分が指名手配されている事を知った。
その後、動けるようになってからは、仲間達に助けられながら、魔族領の各地を転々とする日々をおくった。
人間の国に入るまで顔を隠さなければならないため、大きな村や町に入るのは苦労した。
けれど、仲間が見た目をごまかす魔法を使ってくれたから、何とかなった。
私と一緒にいる事で仲間に迷惑がかかるんじゃないかと問えば、仲間達は「それが仲間ってもんだろ」と言った。
「女たいしょーはこれまで他の皆にたくさん迷惑かけられてきただろっ。だから今度はあたし達が助ける番だっ!」
仲間達の優しさが嬉しかった。