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神剣の祝福  作者: 卯月 未
第二章 家族
4/5

優勝候補

5月1日 14時01分 学校


あれから私と先輩は学校で靴を履き替えたのだが、

私はそのまま家に帰ろうとする先輩を引き留めて、

保健室での肩の怪我の治療とその部分で少し破けて

しまった服の修復を提案した。

最初、先輩は「これくらい大丈夫だよ」なんて

いって断っていたけど、私がしつこく理由などを

語ると先輩は「じゃあ、お言葉に甘えるよ」と言ってあきらめてくれた。


私は先輩に少し待っていてくださいとお願いして、

保健室の前に待機していてもらって、私は職員室に

鍵を取りに行った。


「失礼します。保健室の鍵を借りにきたのですが、」


私の声に反応するように職員室にいた担任の男の先生が鍵を取ってこちらに向かってきた。


「保健室の鍵はこれだ。しかし佐竹も世話好きだな

今回もまた誰かのためにこの鍵を取りに来たんだろ?この短い期間だけでも君が世話好きとみんな分かるほどなんだから」


そんなことをいいつつも担任は鍵を貸してくれたので、私は一礼をすると職員室を出ようとしたのだが


「そこまで世話を焼くことが好きならjrc部にでも

入ってみたらいいんじゃないか?」


「いえ、大丈夫です。部活はしっかり考えてから

入りますから。それに…私はそんな綺麗な理由で

人の手伝いをできていませんから」


最後の方は小さく呟いので聞こえていなかったようだが、私はもう一度一礼をするとそのまま職員室を

後にして、自身の教室に向かいロッカーに入っていた裁縫セットを取り出して先輩の待っている保健室に向かった。



佐竹に言われてので保健室の前で待っていると5分もするかしないかぐらいに佐竹は手に鍵と小さい

ポーチを持って戻ってきた。


「先輩、遅くなってしまいすみません、すぐに

保健室を開けますから」


佐竹が保健室を開けると俺は押されるように中に入れられてそのままベッドに座らせられた。

そして上の服を脱ぐように言われたので脱ぐと

佐竹は肩の傷に消毒をし、その後包帯を巻かれた。


「これで、傷の方はとりあえず終わりましたよ先輩

服を縫うのに少し時間がかかるので、ベッドで眠っていてください」


「さすがにやってもらっているのに眠るのは申し訳ない気がするんだが…」


「いえいえ大丈夫ですよ、先輩は気にしないで下さい、それにさっき戦って疲れたでしょ?だから少しでも休んでください」


佐竹の優しさにまた甘えてしまい、

俺はベッドに横たわるとすぐに眠ってしまった。


目を覚ますと近くにあった机にはおれの直っていた

俺の長袖があって、隣を見ると椅子に座って目を

つぶって寝ている佐竹がいた。

俺が少し体を動かすと佐竹は目を開けてしまった。


「あ、先輩起きたんですね、すみません私まで

寝てしまっていて。え、えーとそれじゃあ服も

直し終わりましたので帰りましょうか?」


「そうだな、とりあえず今日の所は解散するか、

傷の手当ても服も直してもらってありがとな」


俺と佐竹は保健室の鍵を返し、裁縫セットを置きに行って。

俺は校門に来ると佐竹に気をつけて帰るようにもしもの時は連絡するように言って俺らはそれぞれの

家に帰って行った。


5月6日 15時26分 学校


ゴールデンウィークも終わって

久しぶりの学校だったのだがそれももう放課後に

なろうとしていた。

俺は部活がないのでもう帰路に着こうとすると、

俺のスマホにLINEが来た。


『やっほー、今日は部活なかったよね?

真も部活ないらしいからさ、凛華ちゃんも含めてさ

四人で図書室で来週の中間テストに向けて勉強しようよ?ちな凛華ちゃんには許可もらったよ』


大方ビリヤード部のグループLINEから追加したんだろうなと思ったりしたのだが、佐竹が行くと言うのだったら行った方がいいんだろうなと思い。


『分かった図書室だな、今から向かうよ』


俺は松永さんにそう送ると予定を変更して図書室に

向かって歩いた。


図書室に行くともう三人とも来ていたようで四人用の大きな席を取っておいてくれていたので、

俺は空いている大友の隣の席に座った。


「いや〜来てくれてうれしいよ薊くん。

警戒して来てくれないかと思ったよ、でも来てくれてたってことは良いよね?」


そう言って松永さんはスマホを操作すると

俺含めた三人に通知が届いた。


「おい、なんだこの優勝候補激強同盟っていう

ふざけたグループへの招待は」


「全員来てくれたから、これから親交を深めて

いくためにも必要かなと思ってね」


「まぁいいじゃないか大友、俺らは一応同盟関係なんだから少しでも裏切りを予防するという意味でも

いいんじゃないのか、俺は参加させてもらおうかな

佐竹もそれでいいだろ?」


佐竹は頷いて、大友はため息を少しつきながら

二人とも参加した。


「やったね全員参加だね、これで改めてここに

優勝候補激強同盟が結成されたね。

まずは他の参加者倒すことより来週の中間テストを

全員いい点をとることを目標がんばろう〜」


そんな間延びした開始の宣言と共に俺たちは

勉強を始めた。

それから二時間俺たちは時に教えあったりしながら

勉強をしたりしていたのだがさすがに二時間、

休憩もなしにしているとだんだんと集中力がなくなっていってしまっていた。


「今更ですがみなさん、私は一年で全然範囲が

違うのに教えてもらってありがとうございます」


「いいよ、いいよそんな事でお礼言わなくても

これから仲良くしていく同盟の仲間なんだから。

ね、そうでしょ真と薊くん」


「まぁ僕は普通ぐらいの点数が取れればいいからな

教えるぐらいなんて時間の無駄とは思わない」


俺も、「もちろん、分からないことは聞いてくれよ

佐竹」なんて返事をしていたら、

松永さんのスマホに電話がかかってきた。

少し見えた感じ非通知からの電話だったようだが、


「あ、ごめん電話がかかってきちゃったから、

ちょっと廊下に行ってくるね、

すぐ戻って来るから」


佐竹はそういって廊下に行ったのだが、

言った通りに1、2分で帰ってきた。


「誰からの電話だったんだ?」


「バイトの店長からだよ〜。シフトのことで

色々変更されちゃってね」


松永さんは笑って言っていたので、非通知のことを

聞くと色々面倒になりそうな気がしたので、俺は

その事を聞かずにしておくことにした。


「あれ、珍しい四人組だな。龍造寺に大友それに

松永と一年なんて、

どういう集まりなんだこれは?」


来たのは図書室に似合うであろう真面目くんの

学級委員の北条孝太郎だ。

どういう集まりなんて答えにくいことを聞かれたのだが目配りから大友が答えくれるようだ。


「久しぶりだな北条、一年の時にクラスが一緒の時以来か?それとこのグループはあれだよ趣味が合う

やつらで集まったんだよ」


「へぇーそうなのか、ちなみになんの趣味仲間なんだ?」


ぐいぐい聞いてきた孝太郎に負けじと大友もすぐに

返答を返した。


「以外かもしれないが、四人共サバゲーの真似事みたいのが趣味だからな、それで集まったんだよ」


「そうなのか、確かに意外だな。

すまなかったないきなり勉強の邪魔をして、

俺は帰るけど、四人共暗くなる前に帰れよ」


孝太郎が図書室を出ていくと見届けると松永さんは


「いやーさすがだね真、あんな嘘言うなんてさ

これで北条くんに戦っている所見られても言い訳が

立つね。まぁまさか同じ学校に五人も参加者はいないとは思うけどね〜」


俺たちはそれから四人で一時間程度図書室で雑談し

親交を深めて、帰路に着いた。

それから俺の1日は特に何も無く終わった。


4月25日 11時37分 京極家


僕はさきほどまで信じられない

出来事に遭遇していた。

家に帰ってきたと思ったらいきなり違う場所にいて

しかも変なやつにゲームに参加しろ言われて、

叶えたい願いはあったので立場も考えずについ参加してしまった。

それにペア相手の子が先に参加すると言ったのに

大人がそれを守らずにどうするのかという使命感も

少しはあっての事だった。

その肝心のペアは僕の隣にいた。

行くところがないらしいので僕の家に住むことになった。


「ここが、おじさんの家なんだ。綺麗だし結構広そうだね」


まだ31歳でおじさんと言われたのは世間的には

どうなのかなど考えつつ僕は少女と話した。


「ああ、僕の奥さんが綺麗好きだからね、

彼女にあったらそんな遠慮することはないよ、

君のことをしっかり受け入れるてくれるから、

あと部屋のことは心配しなくても、使っていない

個室があるからそれを使ってね」


少女はこくりと頷くと僕と一緒に奥さんのいる

リビングに入っていった。

リビングに入ると芽衣が料理していて、

こちらに気づくと僕と少女の顔両方を見て

何かを察したようにこっちに来た。


「お帰り二人とも、ねぇお嬢ちゃんはなんて呼んだらいいかな?」


「はじめまして、私は宇喜多菜月と言います。

菜月って呼んで下さい。よろしくお願いします」


「そうなんだ、菜月ちゃんか〜じゃあ部屋は

使っていない部屋があるからそこを使ってね。

今日からよろしくね菜月ちゃん」


「はい、それとお二人はなんて呼んだらいいでか?」


「私は芽衣でもおばさんでもどっちでもいいよ、

歩は歩でもおじさんでもいいと思うよ」


菜月ちゃんは頷くとそのまま芽衣に言われるままにソファーに座った。俺はキッチンに戻った芽衣に

小声でごめんと謝ると芽衣は


「大丈夫だよ、それにこの感じ嬉しいから」


確かにこの感覚は僕もすごく幸福に感じていた。

そしてこの感覚を味わえるってことはほぼ

僕の願いが叶ったも同然だった。

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