それぞれの進展
5月 1日 13時37分 小道
松永に男との戦いを止められて、
俺と男は一度武器をしまい俺は松永に対して問いを投げかけた。
「松永どうしてこんな所にいるんだ、お前も参加者なのか?」
俺の問いに松永は小さく微笑むと俺に答えを返してきた。
「うん、そうなんだよ薊くん。私この大友真と
ペアで参加していてね、知り合いとペアが戦うのは
何かいやな感じがしたから止めたんだ」
俺はその答えを聞いて思い出した、大友真は隣のクラスのやつでしかも剣道の部長だ、どっかで見たことあるとは思ったけどまさか同級生だったなんてな
「でね、真と薊くんとペアの子に提案したいんだけど私たち二つのペアで一緒に同盟を組んで協力をしない?」
俺はずいぶんと衝撃を受けた。いきなりまだ序盤の
方に他のペアから協力を持ちかけられるなんて
思ってもみなかったからだ。
隣を見ると大友も佐竹もどちらも驚いていたようだ
すると大友が
「いや、僕は反対だなりこんなどこのやつかも分からないやつと、能力もまったく分からない二人と
ペアを組むのは危険が高すぎる」
「いや、だからね真が知らないだけでしょ?私は
二人とも知っているし、しかも真は気づいてないと思うけど二人とも私たちと同じ学校だよ」
「ああそうなのか、気づかなかったな、だけど能力はどうするんだ?あいつらが他の参加者に能力を
教えるわけないだろう」
「ふふん、それはしっかり対策していますよ。
真、刀を持ってください、そして私にお任せてください」
松永がこちらに振り向くと
「ねぇ二人とも私の能力は傷を治す能力なんだけど
二人の能力はなんだか教えてくれないかな?教えて
くれたら同盟を組めると思うからさ」
俺は耳を疑った、まだこちらのペアが了承を出してないにも関わらず自分の能力を言うなんて、だが
知り合いを敵に回すのも気が引けるしな、とりあえず少し佐竹と相談してみるか
「松永ちょっと待ってくれ、少しあっちで佐竹と
相談してから決めるからさ」
俺は佐竹を連れて角を曲がってすぐの場所で相談を
始めた。
「佐竹どうだ?俺は出来れば知り合いとは戦いたくもないし、毎日顔を合わせるやつと敵同士ってのは
少し気持ち悪いから賛成の方なんだけど、お前は
どうなんだ?」
「私も賛成ですよ。仲間は多い方が良いですし、
これから二人だけでは勝てない敵も四人なら勝てるかもしれないので」
俺と佐竹の意見はまとまり角を曲がって松永達の場所に戻り
「決めたぜ松永、俺達はお前らと同盟を組むことに
する。それにあたって条件にあった俺達の能力を言おうか、まず俺の能力は感情を操る能力だ。
そして次に佐竹の能力は位置を入れ替える能力だ。
さあ、二人とも言ったぜ、もちろん大友の能力も
教えてくれるんだよな?」
「ああ、もちろんだとも僕の能力は心を読む能力だ。そして能力はすでに発動していた。だから君たちが考えたことと別の事を言っていてれば僕は切っていた。良かったなこれで俺達の同盟は結ばれた」
その返しを聞いた時少し恐怖を感じてしまったが
なかなか重大な決断だったんだと言われてから気付かされた。これからも大友といる時は注意しないとな。
俺達はお互いでペアで一度別れてまた別の日に集合しようということになった。大友と松永は一度大友の道場に戻って、俺と佐竹は靴を履き替えに学校に
戻ることになった。
5月 26日 19時54分 バー 酒の溜まりどころ
このバーは俺に合っているそう感じられるには
いられなかった。ところどころが錆びている感じ、
少しうるさい程度に流れるジャズ、ぼろくても
頑丈そうな机や椅子そしてなにより優してそれでいて威厳があってかっこいい女のマスター。
「どうしたんだよそんなシャボくれた顔してよ、
お前のかっこいい顔が台無しだぜ帝よ」
「そんな事言わないでくださいよ喜叶さん、
そんな事より店の仕事は良いんですか?ずっと俺と
喋ってるように見えるんだけど」
「いやいやいいんだよ、どうせまだ店は営業時間じゃないし誰に怒られる事もないし、それに今日はとことん帝に付き合うって決めたからな」
俺は照れてしまって、何も喋れないようになってしまった。昔はバカみたいに色々やんちゃしたりしたけどこの人の前だとなんだかそんな事する気にもならなくて、一緒にいるだけで心地良い気持ちになってしまう。
「それより作戦会議はしなくていいのか帝、他の
参加者を殺すんだろ。まさか今頃怖気付いたりしたのか?幸せになりたい願いを叶えるために俺も
協力してやるからよ」
「まさか怖気付いたわけないよ、でも中々他の
参加者が見つからなくて少し焦りを感じていてさ
このまま誰も見つからずに終わったらどうしようかなと思って」
「帝はバカだな〜どこかのペアが最後に残るんだから他のやつらも自分たちが最後のペアになろうと、
他のペアを探しているんだからいつかは戦うことに
なるんだよ。それまではこの絶妙の緊張感と毎日が
新鮮な日常を楽しんでいこうぜ」
「確かにそうだ。全然考えて無かったなさすが
喜叶さんだな。でも俺と喜叶さんの能力があれば
勝つのも簡単だと思うけどね」
「それは俺も思うけどな、だが用心に越したことは
ないからな。それはそれとしてもうそろそろ開店準備始めるぞ、お前も従業員なんだからそこもしっかりしてくれよ」
俺が喜叶さんと会った時、俺に行くあてがないことを気づいてくれてしかも俺をこの店で雇ってくれた
ことにはすごく感謝している。
俺は今刃奪戦なんてどうでもよくてこの日々が
ずっと続くことを静かに願いながら仕事に取り掛かった。