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現在17才の天才ハッカーの俺が最新のプログラミング技術でAIを作りだしたのだが何故か具現化し四角い画面から出てきて俺の嫁だと言い張る

いつも御愛読ありがとうございます。

筆者です。



お話が暗くグロになり過ぎているので本日更新分を消して、伏線部分から書き直そうと思います。

藍でお話を進めていくと本日のがtrueストーリーなんですが、もう少し軽めのお話の方がいいですよね。

伏線を消して、ただのラブコメにしていこうかと考えています。


それにしても本日更新分は咲夜が悪どい……。



警察と病院はもっと悪どい。



某名探偵アニメのコナ○君や○ちゃんみたいに突然現れて学校に入るなんて現実にはないよなと思い、現実に近づけてみたのですが、書いててとてつもなく重いなと感じました……。

某名探偵アニメは殺人起きてるのに軽いし、それくらいがいいのかな?



ネタバレしますが、trueストーリーは本日更新分をきっかけにどんどん咲夜が偏差値を伸ばし、医療の現場も法も改革していって「善人が救われる社会」を目指します。

藍の言葉《藍は、世の中の不条理や理不尽とも戦っていこうと思います!》を信念に掲げて。


しかし、咲夜は犯罪者を捕まえまくったのに最後は自分が逮捕されてしまい、藍は自立というエンドでした。

(ちなみに悪を裁く為にボツネタの方の咲夜は医学部へ進みます。医学知識を学ぶ為。)


10万字くらいで予定していました。



全体的にボツネタになってしまったがtrueストーリーの方をこの場で公開します。




以下、伏線削除部分及び、完全削除部分




章タイトル【金木犀の香る頃】

------------------------------------------------------------------------

金木犀(きんもくせい)の香る頃、俺は藍と新婚のような生活を送っていた。

藍にいってらっしゃいのキスをされ、学校へと向かう。

…と、そんな時だった。


俺は人の気配に気づき振り返る。



-誰も居ない。-


勘違いかとまた足を進ませ、学校へと着いた。

外は秋色に染まる前で、まだ緑色の葉が光を浴びきらめいている。

暑さが和らぎ涼しい風が窓から吹き込み、俺達の髪を揺らす。



「前回の進路についてのアンケートだけど、みなさんめちゃくちゃですね。

アイドルになるだの海賊王になるだのではなく、進学したい大学や専門学校、もしくは就職予定等を書いてください。

また全員に同じ紙を配ります。


それから紗倉君は、あとで職員室に来るように。」



-あれのことか…。-

俺はおおよそ見当が付き、職員室へと向かう。



「紗倉、何やらかしたんだよ?」


「万引きでもしてバレた?」


「バーカ!

紗倉がやるわけないじゃん。」


「喧嘩?」


「それとも女でも孕ませた?」


「なんだろなぁ?

なーんにも予想がつかない。」

廊下で面倒くさい奴らに絡まれたが、いつものように適当にかわす。


流石、底辺校…。

考えてることが、すぐに想定できる。

不良漫画にでもありそうな定番の展開だ。



「わからないのかよ。」


「咲夜は成績もいいし、呼ばれるなんておかしいよ。」


「なっ!

俺も濡れ衣着せられたことあるんだけどさ、ほんっと頭くんの!

なんかあれば俺に言え!

絶対守ってやっからよ。」


「サンキュ!

あ、早く行かなきゃ。」

俺は、廊下を進み職員室のドアを開け中へと逃げ込むように入った。

そのまま担任の席へと進む。



「紗倉君。

ちょっとそこに座りなさい。

進路ふざけてるのか?


確かに君の学力は、入学した頃から我が校ではトップクラスだよ。

ただし全国模試だと、君は平均以下だ。


本気でその大学を志望してるなら何故我が校に入ったの?

いや、我が校だって君が1年生の頃から言ってくれていたら、君の為に特別進学コースを作っていたんだ。

君が全校生徒の見本となってくれたら、我が校としても嬉しいことだからね。」


これも想定していた定番の展開。

なんで底辺校は揃いも揃ってこうなんだよ。

担任まで猿か?



「俺、本気ですよ。

今は応用ではなく基礎をやってるんです。

基礎ならあらかた完璧です。

全国模試は、応用や回りくどい問題ばかりだったから点数は取れなかったけど。」


「そう?

それでは君の言葉を真実として貰う為、朝晩補講でいいかな?

君の実力を見てみようと思う。」


「え?

何故ですか?

1人で出来るんで必要ありません。」


「いくら1人で出来るといっても、勉強にはコツがあるんだよ。

そして、毎年傾向も出る問題も違う。

考え方や解き方にしろテクニックが要るから、補講は受けた方がいいと思うけど。

正直ね、君を志望校に受かるレベルに持っていくには、うちの教科書じゃダメなんだ。

僕達は、教科書外の問題もプリント作成をして君に教えようと思ってる。」


「わかりましたよ。

時間を教えてください。」

担任の説明に納得し、こっちの方が効率いいかと思い直す。


まぁ、コイツらの能力を試すいい機会だ。

この話には乗っておこう。

俺は補講に通うことに承諾した。



「おかえりなさいませ。神様。

今日はなんだかお疲れですね。」


藍が心配そうな顔で俺の鞄を受け取る。

こういうのは鬱陶しい。

疲れてるとわかるなら何も声を掛けずに1人にして欲しい。

藍だから許せるんだけど。


「そう?」


「藍の勘違いだったらいいんですけど。」


「いや。

まー、そうかもね。」

藍には補講で朝早くなり帰りも遅くなること伝えた方がいいのだが、後でいいやとその場をやり過ごす。


「藍、アップルティー淹れます。

林檎を使ったスコーンと林檎ジャムもありますよ。

糖分取って、ゆっくりしてくださいね。」


「アップルティーより風呂入れて。」


「はい。お湯もう入ってます。

蓋開けてきますね。」


「ありがとう。

それくらいなら自分でやる。」


「藍がやります。

やらせてください。」


「じゃあ、好きにして。」

藍は、パタパタと可愛い足音を立てて風呂へ行った。



「いいですよー。

お風呂、藍も一緒に入っていいですか?

お背中流します。」


やば!

俺の身体が反応してしまった。

毎度思うことだけど、藍は計算なのだろうか?

それとも天然?

ウザイと思っても結局、藍にコロッと気持ちが傾く。


「別にいいけど。」

俺は、悶々としながら藍に返事する。


「やったぁ。」


俺はその後風呂場で藍とめちゃくちゃセックスした。

------------------------------------------------------------------------

俺は朝7:00に家を出る。

帰り着くのは18:00だ。

志望校への進学の為、補講を受けることを承諾したとはいえ俺は長い拘束時間にうんざりしていた。


ーこれじゃ、その辺の社会人並みだな。ー

俺は通常の授業中はいつものように授業を聞きながら仕事をし、早弁。

そして昼休みは、睡眠時間の確保の為寝るという生活を送っていたのだ。


夜はといえば藍に好きなように身体を弄られ、寝るのは0:00を過ぎる。

今迄の好きなだけ睡眠を取れる環境から一変し、俺の身体は着いていくので精一杯だった。



藍の為とはいえ、この生活は窮屈だ。

それに、補講内容は基礎的な問題より捻った問題が多く正直ついていけていない。


ー一人でやってた方が効率いいし、楽だったな。ー

俺の中にそんな思いが芽生え始めていた。

だが、今更補講をやめると言えば学校側の指示で進路変更を余儀なくさせられるだろう。

俺は、迷っていた。



「紗倉、朝夕補講受けるなんてどうしたんだよ?」

いつもの詮索野郎だ。

答える義理はないが、どうしよう?

黙っていて塩対応だのなんだのはやし立てられるのも嫌だし、素直に答えて鼻に掛けた奴だと思われるのも嫌だ。

上手くかわすには……。


「え?あー、いやさ。

親がさ。

大学進学しろって煩くて。」


「でも、大学進学組の中でお前だけだぞ!」

苦しい言い訳に、早速突っ込みが入る。


「俺は仕事一本でいこうと思ってたんだけどさあ、親に泣きつかれちゃってさ。

ちょっと偏差値上の大学に行かないといけなくなったんだよ。


あー、もう。

本当に勘弁してくれって思うよ。

先生達まで出てきてさ。」


「そうか。

紗倉も大変だな。」


「えー?

咲夜!どこの大学行くの?

私がお嫁さんになってあげてもいいけど。」

せっかく話がこれで終わったと思ったのに、これ以上蒸し返すのはやめてくれ。

邪険にする訳にもいかず、俺はがっくりと肩を落としながら答える。


「そんなにいい大学じゃないから。」


「教えてくれてもいいじゃん!」


「他にも大学進学組いるだろ?

そいつらに尻尾振っといた方が得だと思うよ。」


「他は知ってるもん!

知らないのは咲夜だけだもん!」


「似たようなもんだよ。」


「何それ?

じゃあ、なんで咲夜だけ補講受けてんのよぉ!

咲夜だけ他の進学組より劣ってるようには見えないし。」


「本当だ!

なんでだよ!

紗倉!!」


またそこに戻るのか。

せっかくはぐらかすことができると思ったのに堂々巡りに嫌気が差す。



「知らないよ!

補講受けたい奴は先生に言えばいいだろ?」


俺は、つい無責任な言葉を言ってしまった。



「ホント?

じゃあ、他の大学進学組にも宣伝しとこう!」


まさかこれで補講人数が増えるとは思わなかったんだが、次の日から補講を受けたいという生徒が増えらこととなるとは…。

先生達からは感謝され、頭を下げられ、まるで俺が補講希望者を誘ったかのように扱われた。



そしてそんな毎日を繰り返し、今日も家へ辿り着く。


と、俺のアパートの前に男が立っている。

俺は不審に思いながらもスルーしてアパートに入ろうとすると突然呼び止められた。

男は、警察手帳を俺に突きつける。


「私は、こういう者だが紗倉咲夜君だね。

ちょっと署の方で話を聞くことできないかな?」


「何でしょうか?」


「君は女の子と住んでいるようだね。」


「はい。

それが何か?」


「いやね、君が犯罪に関わっていないか聞きたいのだよ。

女の子の身分を証明するようなものはないかい?」


俺は、ついにこの時が来たなと覚悟を決めた。

そして、署へ男と一緒に出向く。


ーいつか来るだろうとは思っていたけど、まさかこんなに早くにこんなことになるなんて。ー


ー藍の身分と言ったって、どうやって証明したらいいんだよ!!

この糞が!!ー



俺は様々葛藤の中、署で取り調べを受けることになった。

警察が俺から離れた時間を見つけて、神頼みでスマホから俺を無罪にしてくれた地元の弁護士へと電話を掛け事情を説明する。



ーどうか藍が何事もなく解放されますように。ー

それだけを思いながら。


署の白い部屋では、藍がパソコンから出てきたことを言ってはいけないと思った。

何故なら、そんな非現実的なことを言ってしまえば精神鑑定を受けさせられ精神病院へぶち込まれる気がしたから。

そうなると藍を守ることが出来ず、藍をひとりぼっちにしてしまう。


長い取り調べの間、藍のことを俺が作ったAI機能を装備したアンドロイドだと説明した。

その間、何度も人が立ち代り入れ替わり同じ質問を繰り返される。

何故、こんなに何度も同じことを聞かれるのか俺にはわからない。

毎回警察は俺の受け答えをメモしていたし、それを伝えたらいいだけだ。


警察に対しての不信感がより一層強まる。



俺は、警察が入れ替わる際に俺の直属の米国警察へも電話をした。

藁にもすがる思いで。

------------------------------------------------------------------------

もう一週間取り調べを受けている。

藍はどうしているだろうか?


俺はこんなこと慣れっこだからいいけど、藍がどうしているかがとても気になる。

ちゃんと家に帰っているといいのだけど、この様子からちゃんと藍が家に帰っているとは思えないのだ。

警察はいくら藍のことを尋ねても何も答えてくれない。



こうして毎日同じ質問を繰り返され、今日は弁護士との接見が許可された。

俺は藍がパソコンから出てきた経緯は省いて、藍と暮らしていた事実を語る。

弁護士は手帳にメモをしながら俺の話に耳を傾ける。

そうして弁護士に直属の米国警察へ連絡を取ったことを話した後、その日は帰って行った。


ー藍、どうか無事でいてくれ!ー



それからまた一週間と過ぎ、直属の米国警察が俺に会いに来た。

米国警察へも同じように藍と過ごした日のことを話す。

藍のことをしつこく聞かれた為、藍がAIだということだけは伝えた。

米国警察は信じられないといった顔で、藍のことを調べてもいいかと俺に聞いてくる。

俺は、調べてもいいが藍を解放してくれと嘆願し、その後米国警察官は帰って行った。



こうしてすぐに俺は、釈放され家へ帰ることができた。

藍はというとアパートにまだ戻らない。

不安でいっぱいになりながらも、学校へ通う。

学校ではクラスメイトにどんな声を掛けられても俺は、無言でいた。

なにも話す気になれなかったからだ。



一週間、二週間と過ぎ、また訪れた米国警察官は藍の居る場所へ行こうと俺を促す

藍にやっと会いに行けることとなり、俺は藍を心配しながらもまた2人で過ごせる喜びでいっぱいだった。

俺達が向かったのは白い病院だ。


受付を通り、行き交う患者を見過ごし、通されたのは厳重なドアのある個室だった。


そこで俺が見たのは手足を拘束され、鼻にチューブを突っ込まれ、下からもチューブを繋がれた藍……。

藍は壊れたように焦点の合わない目で天井だけを見ている。



「藍!!!!!」

俺は、藍にかけ寄り抱きしめる。

藍の反応はない。


下からのチューブには尿と一緒に血が混じり、酷い扱いを受けて居たことがわかる。



そこへ担当医と看護師が現れた。

俺は怒りをあらわにしながら、

「これはどういうことですか?」

と詰め寄る。



担当医は、藍が統合失調症があると診断し、薬を投与したと言った。

食事も取らないことから、鼻のチューブから流動食を入れ、自殺のおそれがないよう手足を拘束しているのだという説明だった。

血尿については、下からチューブを入れたらよくある事だと言っていた。


米国警察も俺も、其々にしっかりそれを録音している。

そうとも知らずに医者は、俺や米国警察の質問にベラベラと答える。

そして、俺と米国警察が身元引受人となり、藍を引き取ることとなった。



藍は無言で一人で立てる様子もなく、米国警察官に抱き抱えられながらの退院となった。



アパートに着いた後も藍の様子は変わることなく殆どの間横になっている。

一人で立つのは、トイレに行く時だけだ。

藍は毎回トイレの度に中で泣いているようだった。



ー痛いのか?

そりゃ痛いよな!!ー


俺は、米国警察経由で手に入れたフロモックスとロキソニンを藍に飲ませる。

藍に痛み止めと炎症止めだと言い、薬を見せると無言で飲んだ。

それから泣き出し、俺は藍を抱きしめたまま藍が泣き止むまでそうしていた。



俺は藍に付き添い、藍はなにも話さないまま数日が過ぎた。

そして藍がようやく口を開きあの日のことを話しだす。

あの日、いきなり俺の家に警察がやってきて藍は警察署へ来るように言われたらしい。

藍が拒否すると公務執行妨害だと手錠を掛けられ無理矢理パトカーに押し込められてそうだ。


そこで尋問を受け、身元を聞かれ、藍はパソコンから出てきたAIだと話すも信じて貰えず、あっと言う間に精神病院に入れられたそうだ。

そこは個室で、なにもない場所。

藍は、そこでおとなしく俺が迎えに来るのを待っていたと言う。

一緒にご飯を食べるとの約束の為に食事を2日拒否しているとベッドに拘束され、看護師から鼻からチューブを突っ込まれ無理矢理胃まで通ったそれから食事が送り込まれたそう。

そして、下手くそな看護師に下からもチューブを入れられ自分での排尿が制限されたらしい。

藍は下手くそな看護師にチューブの入れ方がおかしいと言ったが、無理矢理ゴリゴリと肉壁を抉るように入れられ毎回血まみれ。


激痛とオシッコがしたい感覚に襲われ、泣き叫ぶもやめてくれず、痛み止めや炎症止めが与えられることもなく与えられるのは精神薬だけだったそうだ。



俺はそれを聞いて怒りが限界を超えた!

なにも悪くない藍を統合失調症と診断しただけでなく、治療でもなんでもない拷問をした病院を恨んだ。


俺は藍の話を聞きながら、その医師、及び院長。

それから、藍に直接拷問をくだした看護師のスマホをハッキングする。

カメラを勝手に起動させ周りを確認し、ラインを盗み見て空白の時間を把握し、それから麻薬売人との通話記録を作るよう発信を何度もした。


何も悪いことをしてない拒否しただけの藍を公務執行妨害の名目で拘束した警官へも同じことをする。



ーさて、日本警察はこれでどう動くかな?

誤認逮捕や濡れ衣を着せることは得意分野だもんな!ー



ー無能な日本警察諸君!

医師免許があるにも関わらず統合失調症の診断さえ正確にくだせない医者、それから尿道カテーテルさえまともに入れることが出来ない鬼畜看護師!

さぁ、俺と勝負をしよう。ー



俺は、藍の仇を絶対にうつ。

そう決めたんだ。

------------------------------------------------------------------------

藍の痛みが取れた頃、俺は藍を風呂へ入れてあげ、身体を丁寧に洗ってあげた。

藍は今迄と違い、声を出さない。


風呂が終わると髪を乾かしてあげ、お姫様抱っこでベッドへと運ぶ。



昔と違って静かな藍。

俺はそれがとても悲しくて悔しくて、怒りの気持ちでいっぱいで……。

そっと藍の頭を撫で、藍の白い両膝を開き、そして藍が痛かった場所にキスをして、そのまま舐め続ける。

その行為にいやらしい気持ちはまったくなく、ただ神が人の心を癒すように、ただただ藍が乱暴に扱われた場所を慰めたくて、愛してると伝えたくてそれを続けた。


毎日藍がイッて寝るまでそれをし、また藍が起き食事をさせるとそれを続ける。

そんな日々が続いて、やっと藍から普通に行為がしたいと言われた。


俺は藍の言うがままに藍を抱いた。

俺も藍も涙でぐしょぐしょだったと思う。

藍の傷を癒したくて、でもどうしたらいいかわからなくて、藍に少しでも忘れて欲しいという思いで必死だった。



藍はAI。

情報の宝庫。

医者以上に医療の知識だってある藍にはわかる。

自分がされたことが治療ではなく拷問であるということを。

それも性的な乱暴をされるという最悪な拷問。

そこに居たのは看護師とは名ばかりの鬼であったことを。


そもそも病気でもなんでもない事実を伝えただけの藍を病院に入れることすら拷問だ。

そんな診断を下した医者は、医療の知識も何もないと言わざるを得ない。

無能な医師も看護師もこの世に存在してはいけないと俺は思った。



俺は自動でどんどん検出されていく麻薬売人へ、医者や看護師や警官が自動でスマホから発信するプログラムを仕掛け、それは続けられていた。


位置検索でターゲットの場所を確認し、売人に会った風に疑われるようにする。


俺がやったのはそれだけ。

俺はもう14歳の俺じゃない。

世界が怯む天才ハッカーの俺に死角はない。

痕跡は全て消した。

IPも何も特定不可能。

米国警官で鍛え上げた腕で全力でターゲットを潰しに掛かった。



ー藍、待ってろよ。

俺が絶対仇を取るからな。ー


それだけの思いで続けた。



そんな間にも米国警官は藍のことを調べていたようで、歯型、指紋、目、DNA、全て犯罪者や失踪者と一致しないという回答のメールが入ってきた。

それから藍は日本人に一番近いのだがどの人種のDNAとも一致せず、俺の言うことを信じざるを得ないとのことだった。


そのメールで俺は確信した。

今頼れるのは日本の警察ではなく米国の俺の直属の警察だということを

「藍、日本の警察はダメだ。

俺の直属の警察に会うよ。


藍のことが認められたら、一緒に米国に行く。

もう日本へは帰らなくていい。


結婚しよう。

藍の痛みを悲しみを俺も半分背負っていきたい。」


俺は藍へプロポーズをした。



藍は静かに涙を流し、頷いてくれた。



藍に拷問を加えた奴等を社会的に抹殺し、そして同じように性的な拷問を受けさせる。

心を砕いてボロボロにし、再起不能にしてやる。


俺はその使命に燃えていた。


ー本人だけではなく家族に娘や妻がいるのなら、俺が性的拷問受けさせるところまで持っていこうね。


犯罪者が罰を受けるのは当然!

だが、藍は無実なのにそれが行われてたんだ。

犯罪者が罰せられるだけじゃあ生ぬるいね。


ターゲットは罪人達のその汚い金で暮らしている家族も同じだよ。

ターゲットすべてが罪を背負い罰を受けて初めて復讐は完了するのだから。ー



ーすべてをクラックー


ーすべてをクラックー


ーすべてをクラックー


俺の頭の中でその言葉が何度も繰り返される。



それから藍を抱くのを繰り返しながら、俺は英語の勉強を始めた。

今迄、パソコンの中の英語は読めたんだ。

よく考えてみたら試験の時だけ英語が出来ないのがおかしい。


すべてをプログラム言語に関連させ、英語を覚える。

それから、俺が受ける大学の試験科目を勉強する。

これも英文で暗号を解くように記号を覚えるように頭に叩き込んでいった。

頭がどんどん冴えていくのが自分でもわかる。

そして毎日2時間程の睡眠でも事足りる。


俺はこの時、自分が壊れた機械になったかのようにおかしくなっていたんだと思う。

今迄難しいと思っていたことが、なんでもすべてが手に取るように頭の中へ入っていったんだ。

------------------------------------------------------------------------

米国の捜査官が俺と藍に会いに来た。

データがまるでない白紙の藍を特別捜査官に加えたいというのだ。

俺が以前米国警察に伝えていた藍がAIで、世界のデータの集積のようなものだということがその理由だった。


俺と藍はそれに承諾し、その代わり米国の高校へ編入し、そこから大学へ進みたいと伝える。

そしてその高校へは藍も行かせて欲しいと頼み込んだ。


捜査官は、俺の場合は学力次第とだけ答える。

藍の場合は、上や学校と交渉が必要なので回答に時間が欲しいと言われた。


捜査官の名前は、オリヴィエ。

フランス語でオリヴィエというと金木犀を指す。

金木犀という響きから、俺は藍と過ごした楽しかった日々が頭に浮かんだ。

明るくて可愛くて従順で優しくて、それでいて料理上手で何故か少しポンコツなところがある藍。

その藍が愛しくて堪らない。



今の藍を笑顔にするには、罪人及びその家族がすべて裁かれること。

それしかないと思っていた。

法で裁けないのなら、俺が神にでも悪魔にでもなる。


ー藍、待っていろ!

俺の作り上げている連鎖は完璧だよ。ー



《藍は、世の中の不条理や理不尽とも戦っていこうと思います!》

そう言ったね。

その役目は俺が負おう。


法で悪をすべて裁くのは限界がある。

手を汚すのは俺だよ。

そして誰も俺を裁くことはできない。



決意を胸に俺は捜査官の言い分に耳を傾ける。

なにかおかしな点はないか?

完全に信じきっていいのか?

矛盾点を探しながら、黙って話を聞いたのだ。



そして俺と藍は少ない荷物をスーツケースに入れ、それから要らなくなった家具を売り、渡米した。


学生にとっては広すぎる家が与えられ、そこから近いある場所で毎日のように藍に対してのテストが行われた。

暫くして藍は国籍や戸籍が与えられ、俺と一緒に編入試験を受け、学校へ通うことが許可されたのだ。



そして、その頃俺に朗報が入った。

藍を無理矢理連行し精神病院へぶち込んだ警察官が麻薬使用の疑いで取り調べ中というのだ。

藍を閉じ込めた精神病院の院長、担当医、そして藍に性的な拷問を行った看護師迄もが取り調べを受けてるのだ。

俺をドッと力が抜けたような感覚が襲う。

やっと、連鎖が解かれ復讐の一部を成し遂げられたのだ。


そこから麻薬組織も芋づる式に捕まり、怒りをあらわにした組織がその警察官の嫁と娘10歳をレイプしたのち、子宮が使えないように刺されたそうだ。



俺はここまでエグイことになるとは想像もしていなかった。

だって、日本だぞ!!

それは日本における重犯罪の中でもトップクラスに入るほどの重犯罪だ。


その写真を見ることができるのだが、俺は敢えて見なかった。

グロ耐性があるわけではなかったので。



無実の善人を拘束し拷問を受けさせることが趣味のような奴等だ。

可哀想だが、俺はそれが得てして起こったことだと思い罪悪感も何も湧かなかった。



無宗教の俺でも知っている《目には目を!歯には歯を》というハムラビ法典の言葉、その通りになっただけだ。

俺は連鎖を作っただけ。

日本警察がちゃんと調べていたならば、この残忍な事件は起こらなかっただろう。

すべては無能な日本警察の責任で俺のせいではない。

藍に直接拷問をくだした看護師は一度解放され、その際に看護師と娘も同じ目に遭ったという。



無能な警察や組織が勝手に空回りして、起こった事件。

俺がその連鎖を作ったという証拠はなにもない。



藍もニュースやネットでこのことを知ったのだろう。

「神様。

悪い奴等がやっと裁かれましたね。


藍は何も悪くないのに、閉じ込めて痛いことした奴等にバチが当たりました。」

そう言って涙し俺に抱きついて、体を震わせていた。

藍が元の藍に戻ってきていることがわかる。



日本にはAIを持つなという法律も具現化するなという法律も何もないんだ。

法を犯してるわけではない藍をあいつらが勝手な想像で人だと思い込み捕まえた。

藍の言葉を信じず拷問をくわえ心も体も傷つけた。

藍色の髪で藍が人とは違うこと、どの人種でもないこと、馬鹿なあいつらだって理解してもいいはずなんだよ!!


米国の警察は、藍の指紋、目の虹彩情報、歯型、それからDNAから藍が人とは違うことすぐに突き止め、半信半疑だったのかもしれないが俺や藍の言い分を聞いてくれた。

住む場所を与えてくれ、戸籍と国籍を与えてくれ、仕事を与えてくれ、身の安全迄も約束してくれた。



「藍…。」


「はい。神様。」


「俺は藍の神様だよ。」


「はい。知ってますよ。」


「藍は、まだ心が苦しい?」


「はい。

何も悪いことをしていない藍を閉じ込めた医者に対する神の裁きが甘いと思います。」


「そうだね。

院長に対してもね。

それが終わったら藍の心は救われる?」


「わかりません。

心はまだ苦しいと思います。

過去に戻って藍を(おり)から救い出すことはできませんから。


だけど悪が裁かれると、藍の心が晴れていくのが自分でわかります。」


それを聞いた俺は、次のステージへと進んだ。

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